STS-123帰還
土井さんおかえりなさい。おつかれさまでした。
土井さん無事2度目の宇宙へ! おめでとうございます!!

Credit: NASA TV
深夜のきれいなローンチ。歴代日本人宇宙飛行士のオンスケジュール打ち上げは3回目で2人目らしい。ちなみにこれまでの2回はどちらも向井さんとのこと。
IsanaさんのところでGoogleマップ上の現在位置表示が始まっています。いつもありがとうございます。
先月帰還したスペースシャトル「アトランティス」のカーゴベイの内側に、過去最大級のデブリ衝突痕が見つかったとのこと。
Technobahn: スペースシャトル「アトランティス」、過去最大級のデブリ衝突痕が見つかる
直径約2.5mm、深さ3.8cm。船外活動中の宇宙飛行士にあたっていたらかなりのダメージですね。フェースプレート大丈夫?
隕石でなくてデブリであるとどうやってわかったんだろう? 軌道からデブリの起源は追跡できるのかな? しかしそれにしてもデブリが現実の脅威としていよいよ真剣な対策が求められる時代に。
NASAのハーツフィールド報道官は「同じデブリが耐熱パネルに衝突していたとしてもその影響は部分的なものに限られていただろう」と述べたとのことだけれど、もしシャトルの底面にぶつかっていたら、おそらく柔らかなパネルを貫通して内部の構造体まで穴が開いていただろう。そうなっていたら、そのまま帰還するというのはかなりの博打だったのではないのか。検証実験が必要ですね>NASA
スペースシャトルディスカバリー号がアメリカ東部夏時間7月4日14時38分(日本時間7月5日3時38分)、打ち上げに成功。
読売新聞:「ディスカバリー」打ち上げ成功、断熱材5回はがれる
懸念されていた断熱材の剥離は少なくとも5回観測されたが、いずれも破片が小さく、影響は無いようだ。関係者の皆様、おめでとうございます。
Garbage CollectionさんがGoogleSatTrack 2 - STS-121 Special Editionを早速公開している。かっこいい。
いろんな人がそれぞれのブログで感想を述べてたり、逆に言及してなかったりするのが印象的だけど、特に印象的だったのがPlanetary SocietyのEmilyさんのブログ。無人探査を推進するPlanetary Societyの立場を踏襲しつつ、有人宇宙飛行についてのリスペクトを正直に表明している。日本の宇宙開発関係者でこのような態度が取れる人は私の記憶では......
今回のミッションが実質的なReturn To FlightになってしまったNASA。2010年までのタイムリミットにあと何回飛ばすことができるのか、正直、なかなか厳しそうだけど、もっと前向きな将来ビジョンを見せてほしいなと個人的には思う。
と同時に、政府主導の有人宇宙飛行のコスト面での限界も感じる。個人責任で人命が失われてもよいような冒険飛行時代が到来しないと、有人宇宙飛行に劇的なコストダウンをもたらすような技術革新は起きえないのではないのか。必要なのは賞金の基金設立かなぁ。
個人的にとても忙しくなってしまったというのもあるけれど、STS-114の成功以来、気が抜けてしまって、シャトルの情報をフォローする気になかなかなれない。昨年7月、フロリダのホテルの部屋のテレビでウェイン・ヘールの記者会見を生々しく見てしまったから、というのもあるかもしれない。シャトルがなんか遠い憧れの存在ではなくて、自分も一緒に乗り込んでミッションの一部始終を体験したかのような気分になってしまった。一種の燃えつき症候群?
CNN.co.jp: シャトル打ち上げ7月に、問題点排除とNASA �
ディスカバリー号の次の打ち上げは7月1日から19日の予定。あのSTS-114からなんだかんだいってもう1年も経ってしまった。
9.11以来、アメリカは変わってしまったね...
共同通信: 土井隆雄さん07年末宇宙へ 日本実験棟を建設
時事通信: 土井隆雄さん、再び宇宙へ=実験棟建設で来年末に-シャトル搭乗、船外活動も -
5日、小坂憲次文部科学相とNASAのグリフィン長官との話し合いで、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の建設作業を行う2007年末のスペースシャトルのミッションに土井隆雄宇宙飛行士が搭乗することが決まったとのこと。地上からの支援業務は山崎直子さん。
なんかへぇぇぇっ!って感じ。1期生に対する旧NASDA上層部の評価を漏れ伝え聞いていたしね。でも今年初めのこのニュースをよくよく考え直してみれば、若田さん、野口さんを長期滞在要員にまわしたってことは、シャトルからは降ろした、という意味だったのか。となると、きぼうの打ち上げは少なくとももう1回あるはずだから、古川・星出両宇宙飛行士のどちらかにもチャンスが巡ってくる。
もうシャトルの打ち上げを見に行くチャンスはない、と思っていたけれど、土井さんだったら応援に行きたいなぁ。若田さんちで握手したときの大きくて力強くて暖かかった手は忘れられない。
地上支援が山崎さん、ってところに上層部の意向のようなものを感じるのはうがちすぎかなぁ。地上支援って、バックアップクルーってこと?
もしかして土井さんが風邪を引いたり怪我したりすれば山崎さんにもチャンスが巡ってくるかもね。ってとこまで織り込み済みだったりしてねもしかして。^o^
[追記] JAXAからのプレスリリースによると「山崎 直子(やまざき なおこ) 宇宙飛行士も、同フライトのクルーサポートアストロノート(搭乗者支援宇宙飛行士)に決定しました。 任務として は、本ミッションを支援することです。なお、クルーサポートアストロノートに選定されるのは、日本人宇宙飛行士として初めてです。」とのこと。といわれても、バックアップとどう違うのか、意味がわかんない。文科省からチェック入らなかったのかな。それにしてもJAXA広報、午前3時のメール配信ですか。お疲れ様です。
[追記 5/26] 某所で入手した情報によると「バックアップではありません。」つまり飛ばない、ということらしい。まぁ、あのお方がおっしゃることなので、陰謀論を広めるのはやめにして、信用しましょう。
Spacetoday.net: Atlantis first shuttle to be retired
Florida Today: Atlantis' days numbered
現存する3機のスペースシャトルのうち、一番二番目に古いアトランティス号を2008年に退役させ、部品を残り2機のディスカバリー、エンデバーの補修に用いるとのこと。
アトランティスは主に軍用ミッションに使われていたから、もうシャトルでの軍用ミッションはないってことですね。
アメリカの巨大な軍産複合体は次にどこに活路を見出すのか... NASAの舵取りは...?
Florida Today: Griffin defends science budget
ISS完成のために科学ミッションの予算を削るとグリフィン長官が述べたのは、一種の人質策みたいな感じですね。
東大の全学自由研究ゼミナール『先端研究現場へ行こう』のサイト「サイ」に野口宇宙飛行士と立花隆氏の新春特別対談が載っている。
SCI(サイ):宇宙から帰還して思うさまざま
のぐっちゃん、なかなか名言を残している...
ヤンキース松井選手が大リーグで活躍することで日本人に大きなカタルシスがあるように、日本人が宇宙で活躍することによるカタルシスもあるはずですから。
なにしろ自分が生まれて以来見てきたすべての人々、すべての生命、すべての景色、すべての出来事は、目の前にある旧態(球体?)で起きたことなのですから。地球と一対一で対峙しながら考えたことは、見渡す限りの星空の中で生命の輝きと実感に満ちたこの星は地球しかないということでした。それは知識ではなく実感です。天啓と呼んでもいいかも知れない。それが私にとっての人生観の変化と言えるものかも知れません。こんなこともしゃべってる。へぇ...
はい。チャレンジャー事故とコロンビア爆発の間には一七年の時が流れているんですが、あのレポートを見ると、そのまま組織としての判断が硬直化したままのような印象でした。ところでこのサイト、なんかWikiを使ってるっぽい。参考にしよう...
しばらく宇宙関連ニュースから離れていたけれど、ひさしぶりにFlorida Todayを見にいったら、NASAの予算の記事。
FloridaToday: NASA must shift $3B to shuttles
NASAのマイク・グリフィン長官が国際宇宙ステーションを完成させ、ハッブル宇宙望遠鏡を修理するために必要となるスペースシャトルの残り1617回のフライトを遂行するためには科学ミッションや次期有人宇宙飛行計画(CEV)の予算からシャトルに予算を振り向けることが不可避だと述べたという。昨年、CEVの予算を「10セントたりとも」削減しない、と述べたのは、議会向けのメッセージだったのか。FloridaTodayによればシャトルに振り向けられる予算は30億ドル(約3500億円)の見込み。
"Yep. I wish we had not had to do it, but that's what we had to do," Griffin said.
だそうで。
また、CEVによる有人飛行を「2010年から2014年に行うことをまだ計画している(NASA still plans to fly people...)」とのこと。つまり、シャトルに予算を振り向けて、予算がないことを理由にCEVの有人初飛行が2014年以降になるというオプションを認めたということだ。
いいかえれば、ISSをなにがなんでも「完成」させる、という、NASAの国際協定遵守の姿勢をグリフィン長官自身が色濃くにじませたことが行間から読み取れる。これは新しい変化だ。
科学探査から20億ドル、CEVから15億ドルを削減。JPLの人々がだまっちゃいないだろうな...
あと16回のミッションか... 年3回のフライトとして5年。年2回なら8年。全て7人乗せたとしてのべ112人。ルーキーのための切符は多くてものべ20人くらいか。日本はあと3人。切符争奪戦が厳しくなりそう。がんばって全員無事に飛ばせてね>JAXA
[2/9 追記]
産経新聞によると、NASAはスペースシャトルを2010年の退役までに計18回打ち上げて、「きぼう」を含めてISSを予定通り完成を目指すと文科省に連絡してきたとのこと。
産経新聞:宇宙ステーション予定通り建設 計18回で、NASAが連絡
文科省によるとNASAの2007年度のISS関連予算は前年度比3.3%増の約18億1000万ドルという。
記事にあるように、NASAが従来日本に伝えてきていたISS計画縮小の見直し案を覆した形。これはグリフィン長官の就任時の意向と異なるので、ちょっと意外な気もするけれど、NASAは「外圧」を予算獲得にうまく利用したということなのかな...?
Nikkei Net: 米シャトル後継機、2010年にも完成目指す・NASA長官
グリフィン長官の同じ記者会見がベースだと思うけれど、こちらはCEVの完成目標を2010年に前倒ししたことにスポットをあてている。でも「目指す」というのは長官が就任直後から言ってることだしね。問題は「still plans to」という表現から何を読み取るかだと思う。「still」のニュアンスがくせもの。どういう文脈でこの回答がでてきたのか。
[追記2/18]
惑星協会が議会に対して「Statement of The Planetary Society to the U.S. House of Representatives Committee on Science」というステートメントを出してる。
今年初めの記事の末尾で
ところでSTS-114の体験を野口さんが「宇宙日記」として出版するそうだ。と書いたけれど、この本が出版されたそうだ。
宇宙日記—ディスカバリー号の15日 生命の輝きに満ちたこの星で
野口 聡一 (著) 世界文化社 ; ISBN: 4418065024
ある方からご連絡をいただいた。大手の書店にはもう並び始めているとのこと。「野口 聡一 (著) 」なんですね。
そういえば若田さんが最初に宇宙へ行ってから10周年だ。10年前の今ごろ、管理人は「選抜試験ってどんなんだろう?」って興味津々だったな。のぐっちゃんも当時はまだ「普通の人」だったわけだ。5thstarももうすぐ10周年。
これもSpacefighter Now経由:
NikkeiBP: 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」第60回 野口総一宇宙飛行士とNASAの事故調査問題を語る
中央公論2月号に立花隆氏と野口宇宙飛行士の新春特別対談が載るそうだ。そのインタビューの席上、チャレンジャー号とコロンビア号の事故の背景が現在日本を騒がしている耐震強度偽装問題と共通のものがあるところまで話が弾んだそうだ。のぐっちゃんがどこまで踏み込んだ発言をしたのかが注目される。
ところでチャレンジャー事故の原因究明を行った事故調査委員会がまとめた報告書にAppendix Fと呼ばれるファインマンの個人的見解が添付された。これがまさしくチャレンジャー号とコロンビア号の事故原因の背景となったNASAの官僚体質をファインマンが喝破し、簡潔明瞭に糾弾した名文書なのだが、ファインマンのこの優れた洞察は残念ながらNASAの体質を変えるまでに至らず、コロンビア号の悲劇を再び招くことになる。
恥ずかしながら管理人自身はこの文書のことをコロンビア号の事故があるまで知らなかった。事故直後にネットの議論でこの文書の存在を知り、5thstarサイトを立ち上げて、現在に至る。ちなみに5thstarリンク集の冒頭の引用句はファインマンのこの文書からきている。のぐっちゃんの命を危険にさらすな、というのが、5thstarサイトからオキーフ長官(当時)に向けて伝えたかったいちばん強いメッセージだった。
STS-114の打ち上げを見ようとした経験からいえば、NASAの体質は残念ながら今もなお変わっていないと思う。
ところで立花隆氏がとうとう「きっこの日記」に言及した。それはともかく、プロのジャーナリストが憶測を簡単に文章にするってところがなんだかブログっぽい。^o^
クレジットカードの請求書を眺めていたら、7月にシャトルの打ち上げを見に行って(延期のおかげで結局見られなかったけど)その時に利用したホテルから、9月に1泊分の代金が引き落とされていた。
「なんだこれは?」と思って、よくよく考えたら思い出した。当初、7月14日の打ち上げ予定に会わせて渡米して、燃料タンクの残量センサーのトラブルで打ち上げ延期が決まった時、自分なりに判断して「NASAは大事を取って打ち上げを9月に延期するだろう」と思って、ホテルを引き払う際にフロントで9月の宿泊予約を取っておいたのだった。
その後、予想に反してNASAは7月26日に打ち上げを強行した。その後の野口宇宙飛行士の活躍ぶりは日本のメディアで伝えられたとおり。
自分もその騒ぎにのっかって、9月のホテルの予約のことなどすっかり頭から飛んでしまっていた。打ち上げを生で見られなかったことに追い討ちをかけられるようなショック。
あらためて残量センサーの設計のまずさに腹が立つ。設計技師、でてこい。
STS-114の打ち上げ時、外部燃料タンクから断熱材の大きな破片が剥離した件に関するその後の調査報告がFloridaTodayに載ってる。ひさびさにみたらwebデザインがリニューアルしてる!
FloridaToday: Report: NASA caved to schedule
調査委員会によると、NASAの打ち上げスケジュールのプレッシャーが、外部燃料タンクを作った会社の現場の作業手順をどんどんとその場しのぎの対策に変化させていった状況が解明されたようだ。
アトランティス号の次の打ち上げが早くても来年5月以降に延期となった今、シャトルが2010年引退までに残された飛行可能なスケジュールはさほど多くない。
読売新聞:シャトル飛行回数さらに削減、NASA長官が検討指示
NASAは先日、2010年までにシャトルを19回飛行させる計画を日本などに提示したばかりだけれど、グリフィン長官はさらに飛行回数の削減を検討させているという。年2回で計8回、という話も浮上しているらしい。STS-114を見に行って、シャトル計画上層部の言動をつぶさに観察してきた実感からいえば、あと8回、というのはかなり現実的な路線だろう。
先の総合科学技術会議で宇宙ステーションのセントリフュージモジュールが「C」査定となったばかり。セントリフュージを担当していた角野(山崎)さんやその他関係者の心中を察するにあまりあるものがあるが、セントリフュージにとどまらず、もはや「きぼう」は打ち上げられない、という心の準備をしておいたほうがよさそうな時期だと思う。客観的には。
古川、星出、山崎の三宇宙飛行士をこれからどのようにサポートしていくか。きびしいかじ取りが必要になりそうな気配。
きぼうの船内実験室の重量が約16トン。宇宙ステーションの軌道への投入ならH-IIAの能力でなんとかなりませんかね? 能力向上型だとどうにかなるのかな? いや、国際協定違反ということで、デルタかタイタンでNASAに打ち上げさせて「原状復帰」による損害賠償とする、とか。
日本が国際宇宙ステーションにどこまで投資し続けるべきかというのはかなり微妙ですが... いっそのこときぼう単独で宇宙ステーションとして運用できるような太陽電池パネルやその他のサービスモジュールも設計しちゃえ...
宇宙業界のお金の感覚があと二ケタくらい下がらないと話にならないですかね...
ケネディ宇宙センターの天候が思わしくなく、カリフォルニア州のエドワード空軍基地に降りることになったディスカバリー号は日本時間21時12分、コリンズ船長の操縦で見事なタッチダウンを決めた!



Credit: NASA TV
おめでとう! のぐっちゃん、お帰りなさい!
関係者の皆さま、お疲れ様でした。ミッション成功、おめでとうございます!!
ディスカバリー号の帰還が一日延期となった。着陸予定地点のケネディ宇宙センターの滑走路周辺の視界が悪かったため。
CBS News: Coverage of Shuttle Mission STS-114
05:30 a.m., 08/08/05, Update: Shuttle landing delayed 24 hours
8月9日と10日の着陸可能なオプション(日本時間)は以下の通り。
8月9日(火)
周回# 軌道離脱 着陸 サイト
217...05:01 PM...06:07 PM...ケネディ宇宙センター
218...06:33 PM...07:39 PM...ホワイトサンズ
218...06:37 PM...07:43 PM...ケネディ宇宙センター
219...08:06 PM...09:12 PM...エドワード空軍基地
219...08:09 PM...09:13 PM...ホワイトサンズ
220...09:44 PM...10:47 PM...エドワード空軍基地
8月10日(水)
周回# 軌道離脱 着陸 サイト
232...03:50 PM...04:53 PM...ケネディ宇宙センター
233...05:25 PM...06:28 PM...ケネディ宇宙センター
234...06:55 PM...07:58 PM...エドワード空軍基地
234...06:57 PM...07:59 PM...ホワイトサンズ
235...08:31 PM...09:32 PM...エドワード空軍基地
235...08:33 PM...09:34 PM...ホワイトサンズ
NASAとしてはエドワード空軍基地への着陸はできる限り避けたい。シャトルをボーイング747の背中に乗せてカリフォルニアからフロリダへ空輸するのに500万ドル(約5億円)100万ドル(約1億円)かかるし、空輸の作業で一週間を失う。
ディスカバリー号は次のアトランティス号を打ち上げる際の救援機となる事が決まっている(エンデバー号は改修中)。つまり、ディスカバリー号がケネディ宇宙センターに戻ってきて、打ち上げの整備が進まないと、アトランティス号の準備が整ったとしても打ち上げられない事になる。コロンビア号事故調査委員会の勧告により、シャトル運用の制限が増えた。
アトランティス号の燃料タンクの断熱材落下防止対策も9月の打ち上げに間に合うのかまだまだ微妙だけれど、ディスカバリー号の再打ち上げの準備も限りなくタイト。そこへエドワード空軍基地からの空輸でディスカバリー号の到着が一週間遅れると、アトランティス号の9月の打ち上げの線はまず確実に消えてしまう、らしい。
シャトルの打ち上げの予定って、ほんとに綱渡りですね。管理人がもしシャトル計画部長にでもなろうものなら、一日で胃に穴が開きそう... ^^;
しかし、軌道上のディスカバリー号の乗員たちは、予定外の休日が与えられた事になる。宇宙滞在をたっぷり楽しんできて欲しい。数々の困難なミッションを無事にこなしたごほうびとして。
そして、くれぐれもご無事のご帰還を。
ディスカバリー号も明日は地球に帰還。最後の軌道上記者会見が開かれた。

Credit: NASA TV
CBS, CNN, FOX, NBC, ABCの順番でインタビューが進行。野口宇宙飛行士には、国際チームで働く意義とか、松井、野茂らがサインした野球のボールを宇宙へ持って行った理由などの質問があった。
産経新聞:富山市天文台、ディスカバリーの画像公開
富山市天文台が4日13時16分〜18分、ディスカバリー号と宇宙ステーションの撮影に成功した。ホームページで動画が公開されている。(Windows Media Player)
すごい。高速のトラッキングを装備した望遠鏡だ。制御ソフトは誰が書いたんだろう...
明日の朝、地方によっては肉眼でシャトルと宇宙ステーションが見られる。
横浜こども科学館:あなたのパソコンでシャトルや国際宇宙ステーションを追跡し、夜空で観察!
JAXA: 国際宇宙ステーション・スペースシャトルを見よう
高度が低いので厳しそうだけど。今回のミッションでは明け方と夕方の薄明のチャンスに軌道がうまく重ならないので、観測のチャンスがほとんど無かったのは残念。
望遠鏡を使えば白昼でも見られるんですねぇ... すごい。スパイ衛星を逆スパイしてみたりして... ^^;
ミッション3回目の船外活動。シャトル24年間の飛行で前例の無い、耐熱タイル側に宇宙飛行士が回り込んで補修を行う作業が行われた。ロビンソン宇宙飛行士が宇宙ステーション側のロボットアームに乗って、ディスカバリー号の下面に近づき、21時45分に1個目のスキマ材を、21時55分に2枚目を、無事除去することに成功した。
写真はロビンソン宇宙飛行士のヘルメットカメラから見た、2枚目のスキマ材の除去の様子。NASA TVで見る限り、いともやすやすと抜き取ったように見えた。

Credit: NASA TV
みっしょんこんぷりーと! すばらしい!! ^o^
明日に予定されている3回目の船外活動で、ディスカバリー号の底面の耐熱タイルのすき間を埋めているセラミック材の飛び出している部分を修理することが決まった。
CBS News: Shuttle Mission STS-114
07:45 p.m., 08/01/05, Update: NASA gives go-ahead to spacewalk repair work
これまでにもセラミック材が突出したまま帰還したミッションはあった。下流のタイルは高熱のため損傷があったようだけれど。
マネージメントチームの委員長(シャトル計画副部長でもある)、Wayne Haleがこんなふうに述べている。
"I went in with a very simple question: Did we have the engineering knowledge and analysis that would, without a shadow of a doubt, allow us to be 100 percent confident the vehicle could fly safely during entry?"
今度はなかなかしおらしい。打ち上げ前の燃料タンクセンサーのトラブルの際にもこのような態度であればよかったのにね。打ち上げ前の精神的プレッシャーと、ミッションがほぼ成功することが見えてきた今のこの段階とでは、余裕が違う、のかな...
Garbege Collection: Countdown for STS-114 post-launch events
一部に「ギャップフィラーが飛び出していた→やっぱりシャトルはダメ」という意見が見られますが、これはちょっと短絡的じゃないでしょうか。むしろ、事故に繋がる危険を軌道上でチェックし補修することができるようになった、というとても大きなアドバンスだと思います。
そう! まさに同感。グリフィン長官も「今回のミッションは試験飛行だ」と何度も述べている。試験飛行であればこそ、これまで観察できなかったいろいろな問題が見えるようになる。
ただ、ちょっと意地悪い見方をすれば、「せっかく見つかったのだし、直すための手段(船外活動)もあるのだから、修理を試してみたい」という、技術者の本能のようなものを感じる。
しかも効果がまだ実証されていない耐熱タイルの充填材を使うのではなくて、セラミック材の突出の修理という、比較的わかりやすい部分だし。
この、いけるときにはいっちゃう、っていうboldなところがアメリカ人のいいところなのだろうきっと... これに日本人であるのぐっちゃんの手先の器用さが組み合わされば、こわいものなし? がんばれ。俺が君でもいくぞ。血が騒ぐね。
[追記] CBS Newsに今回の補修作業についてのNASAの理由説明が載っている。
As such, given the relative risk trade between the potential for these heating conditions as compared to the EVA task to remove the gap fillers, the MMT determined that the EVA was the prudent approach.
技術者は一生懸命いろいろな可能性を検討してみたけれど、結論からいえば風洞実験もコンピューターシミュレーションも、シャトルの大気圏突入の際のマッハ数の高い領域での挙動を信頼性高く予測できないから、耐熱性能の安全マージンを超えてしまう可能性を否定できない、ということらしい。万が一、安全マージンを超えてしまった場合のリスクと、EVAにより船体の他の場所を傷つけるリスクを比較して、後者を選んだ、ということのようだ。
シャトルの初飛行から24年たっても、まだこの領域の流体力学はシャトルの飛行データ以外に知見が得られていないということか。あらためてシャトルがパイオニアであることを感じる。
それにしてもTAL(打ち上げ時の大西洋を越えての緊急着陸)が熱的にかなり高い負荷を機体に与える、というのは知らなかった。
先月13日の打ち上げが延期になって、26日の打ち上げでは5thstarメンバーは誰も現地に赴くことができなかった。
13日には、このサイトを見て連絡してきた野口宇宙飛行士のIHI時代の同期入社のMさんとも現地で合流していたのだけど、Mさんが急遽、26日の打ち上げも見に行く、というので、Tシャツのデザインと13日に応援に来た時の画像データを渡米直前にメールで渡した。その結果報告。データのプリントアウトを見学席に貼っていただいたという。

のぐっちゃん、見送りに来たぜ〜。
若田さんとマイクさんの司会進行で、すごく盛り上がりました。国歌が流れ、交信の音声が流れる中、打上げの瞬間。みんな大声援で、明るく大騒ぎというなか、メリメリメリ・・・ドォ〜ンというスゴイ音。人生のスゴイ1ページができました。
いいなぁ。うらやましい。
野口くんのご両親とご一緒だったので、ご挨拶して、みなさんの写真を差し上げました。「受験仲間のみなさんですね」とお二人ともとても喜んでいらっしゃいましたよ。
Mさん、ありがとうです!
野口さんはIHI時代から、ものおじしない新入社員だったらしい。彼らしいというか。
2回目の船外活動が先ほど終わった。7時間と14分。故障していた宇宙ステーションの姿勢制御用ジャイロCMG-1を交換、成功裡に終了。

Credit: NASA TV
美しい地球をバックにロボットアームの上に乗って故障したCMG-1をシャトルの貨物室に運ぶ野口宇宙飛行士。
ディスカバリー号の損傷の様子の一部の写真がNASAのwebに...
NASA: Post-MMT Briefing Images
NHKテレビなどで繰り返し放映された前輪格納扉付近の耐熱タイルの損傷は、これで見ると意外に小さいようですね。NASAは損傷の9割について「帰還に問題なし」と判断、残りについても今日中には結論を出す。ひとまず安心。
Florida Todayに気になる記事が載っている。
FloridaToday: Q&A about shuttle foam fixes
Q: Is a Hubble repair mission still possible?
A: Yes, for now. NASA has teams preparing for a possible mission to send astronauts on the shuttle to repair and upgrade the Hubble Space Telescope. NASA Administrator Mike Griffin says repairing Hubble is a high priority for the agency, as long as such a mission can be done safely.
An extended down time for the fleet leaves NASA with less time for shuttle missions. The question might become: What's more important, Hubble or flying a major space station module?
2010年のシャトル引退までに残された打ち上げの機会は少ない。ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッションと、国際宇宙ステーションを完成させるための残りのモジュール(日欧のモジュールを含む)が天秤にかけられている。
え〜と、業務連絡? 大島さんでも滝田さんでも元村さんでもいいから、もしこの記事を読まれたら、こんな質問をしてみてくださいな。
Q: If the launch of Atlantis is postponed to next year, what will be the consequences for the Japanese Space Station module KIBO? Is NASA still committed to the completion of ISS?
Q: JAXA has three more astronauts in the current ASCAN class. What are their chances to fly with Shuttle?
NASAがどう答えるかはあまり重要ではなくて、日本のメディアがNASAにこの質問をするのをアメリカのメディアにぜひ聞かせてみたいと思う次第...
フランスやドイツのメディアが同席してたらもっといいのだけど...
東京新聞:『ノグチはスマート』『船外活動が楽しみ』米メディアも熱視線
宇宙航空研究開発機構の広報担当者は「米メディアは、日本メディアの報道ぶりにも関心があるようだ。野口さんについて問い合わせが増えている。特にヒューストンやフロリダなど地元メディアが熱心」と感じている。
FloridaToday: News media's pessimism aggravates NASA, crew
米メディアが「Shuttle Grounded」という言葉を頻繁に使うので、NASAの関係者が当惑しているようだ。
第1回の船外活動は準備に手間取り1時間以上遅れた。日本時間18時46分、バッテリーを宇宙服に切り替えNASAは「船外活動開始」を宣言。野口さんが最初にハッチから外へ出る。18時54分、「Wao! What a view!」という声が聞こえる。ハッチから出たと思われるが、データ中継衛星の範囲外にあるため、映像が見えない。;_;
あと数分で映像が入ると思われる。
19:10 最初の映像が入った。右下に宇宙服が写っている。

19:16 野口宇宙飛行士が緊急帰還用の宇宙ステーション側のエアロックのハッチを開いた。

19:58 シャトル貨物室の後部で耐熱タイルの修理をテスト中。ロビンソン宇宙飛行士のカメラから見た野口宇宙飛行士。





GoogleSatTrack2なんてサイトがあるんですね。すごい。
ニュース実況++@2ch掲示板で「STS114について」をご紹介いただき、どうも、です。
同じ内容を伝えるのでも、見出しのつけ方一つで読む側の印象はまるで違って見える例。ちなみに記事に見出しを付けるのは現地で取材をした記者ではなくて、日本の本社にいる編集デスクの権限。
asahi.com: シャトル、翼などに傷複数 NASA「機体は健全」
ディスカバリー号が宇宙ステーションにドッキングする前に行った360度の縦宙返り。宇宙ステーションのクルーが望遠レンズで撮影した結果などを地上のスタッフが解析した結果、機体の25箇所に損傷が認められたという。いずれも重大な損傷ではないとのこと。
事情をよく知らない人が聞けば「25箇所も損傷があったのか!」と驚くかもしれないけれど、以前のミッションでは平均して145箇所の損傷があったというから、今回は大幅な改善、と見るのが妥当。毛利さんや向井さんや若田さんや土井さんのミッションではもっと多くの損傷を抱えて無事帰還している。とはいっても損傷を軽視するべきではない。
損傷部位については今日のOBSSの再検査でさらに詳しい状況を解析する。
NASAのグリフィン長官は記者会見で「Discovery is the cleanest bird we've seen」「Six times cleaner than the average across 113 (previous) missions.」と述べ、技術者のこれまでの努力をねぎらった。
CBS News: News Coverage of Shuttle Mission STS-114
04:30 p.m., 07/29/05, Update: Griffin defends shuttle, external tank
FloridaToday: NASA boss: Fast foam fix is possible
おなじ会見でグリフィン長官はアトランティス号の外部燃料タンクへの対策を比較的短期間で完了させるとの見通しを示し、9月の打ち上げが目標であると述べた。ただしこれはあくまで目標であり、対策が完了しなければ打ち上げを延ばす可能性も認めた。
今日はあと2時間半ほどで1回目の船外活動が始まる予定。耐熱タイルのサンプルを使って損傷修復のテストやGPSアンテナの修理、ESPADという船外保管プラットフォームの取り付け作業などを行う。
NASA TVを聞いていたら、今回のドッキングで姿勢制御の負荷がかかったのか、宇宙ステーションの姿勢制御用ジャイロCMG-3のベアリングから異音が発生しているとのこと。CMG-1とCMG-2は停止しているので、CMG-3まで壊れたらジャイロでの姿勢制御がかなり難しくなる。今日の船外活動で電源ケーブルを交換しCMG-2が復旧する見込み。明後日の2回目の船外活動で野口宇宙飛行士が故障したCMG-1を交換するが、これらの修理がうまく行けば、CMG-3を停止してベアリングを温存する、という。
アトランティス号の打ち上げ日が現時点では予測できないため、NASAはディスカバリー号の帰還を一日延ばして、宇宙ステーションでの機器の交換やゴミの回収作業を行うことを検討している。
asahi.com: ディスカバリー帰還、1日延期を検討 NASA
FloridaToday: Discovery may stay up extra day
帰還延期の決定は明日。
先程ひらかれたNASAの記者会見の模様がCBS Newsに。
CBS News: Shuttle Mission STS-114 Status Report
ディスカバリー号の外部燃料タンクから打ち上げから約130秒後に剥離した断熱材の破片は、その高度での大気が薄かったためにディスカバリー号にぶつからなかった、という。剥離したタイミングがあと数十秒早ければ、コロンビア号の時と同じく壊滅的なダメージを与えていた可能性がある、と、NASAの技術者が認めた。
特に打ち上げから81秒後の空気力学的に負荷が最大となる瞬間に剥離していれば、破片が大気で減速しながらシャトルにぶつかるので、ぶつかる瞬間の両者の相対速度が最大となり、ダメージがもっともひどくなる。タイミングがずれると破片の軌道が変わり、ぶつかる場所も変わってくる。今回の打ち上げでぶつからなかったのは幸運だった。
今回剥離したのはケーブルトレイや燃料パイプを空気力学的に保護するPALランプ(Protuberance Air Load)と呼ばれる部分。形状が複雑なため、製造工程を機械化できず、職人が手で吹き付ける。コロンビア号事故調査委員会の勧告の第一項目が「外部燃料タンクからのオービターに危害を加える可能性のある物体の剥離を無くすこと」だったので、NASAはこのPALランプをやめてケーブルトレイなどをむき出しにすることも検討したという。
風洞実験の結果、シャトルが音速の壁を越える時に、PALランプがないとケーブルトレイなどを保護できない、という解析結果が出て、断熱材の吹き付けを従来通り行うことを決定した。その決定が間違っていた、と、シャトル計画部長のビル・パーソンズが昨日の会見で述べた。その模様がこれ。
日本時間20時18分、大西洋太平洋上空でドッキングに成功。
ドッキングに先立ち、コリンズ船長は国際宇宙ステーションの下方180mでディスカバリー号を宙返りさせ、宇宙ステーションのクリカレフとフィリップスは400mmと800mmの望遠レンズを装備した一眼レフで耐熱タイルの様子を撮影した。この画像データはまもなくダウンリンクされ、地上のスタッフによってタイルのダメージの様子が解析される。
コリンズ船長のドッキングは完璧ともいえるスムーズなものだった。2002年11月25日以来、2年8ヶ月ぶりにシャトルが宇宙ステーションに戻ってきた。

Credit: NASA TV
のぐっちゃん、宇宙ステーションに乗り込む。乗り込んだ後はハンディカムを片手にみんなの様子をビデオに撮ってばかりだった。しかしもう無重力の環境に馴れてるねぇ。あさっての船外活動も大丈夫そう。
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