2008.03.15

パイの日には物理屋のごときお喋りを

すでに昨日のこととなってしまいましたが3月14日は「3.14」ということでこことかこことかここのブログによれば「数学の日」ということで一部で盛り上がっていてdankogai氏のブログで結城浩氏の「数学ガール」が紹介されていてAmazonのなか見!検索でぱらぱらとめくってみたら一目惚れしたのでかねてよりショッピングカートに放り込んであったNASAの宇宙飛行士のぶっちゃけ話「ライディングロケット(上)」「ライディングロケット(下)」と合わせて思わずポチッと注文ボタンをクリックしてしまったでわないか給料日前だっつーのにどーしてくれるよしるぶぷれ。

其は兎も角。

3月14日は「円周率πの日」でもあると同時に、かの天才物理学者アインシュタインの誕生日でもある、ということで、海の向こうの物理学者ブログ「Comic Variance」によれば、今年の3月14日は「物理屋のごときお喋りをする日(Talk Like A Physicist Day)」として制定されたらしい。

Talklikeaphysicistday

くだんのComic Varianceで紹介されていた各種パーツが秀逸なので、ご紹介。

***

相対論的隕石シューティングゲーム。Enterキーでゲームを開始し、矢印キーで宇宙船を操作して、スペースバーでミサイルを発射する。ゲーム中に「F」キーを押すと、視点が宇宙船に移って、隕石の形がローレンツ収縮でひしゃげていくとともに、隕石の点滅の時間間隔(つまり宇宙船から見た隕石の時間の流れ)がゆっくりとなる。
relativistic asteroids

先頃報道のあった阪大や名古屋大などの研究グループが、車の渋滞の発生メカニズムを調べた研究がNewScientist.comでも紹介されている。(論文発表以前に「サイエンスZERO」でも紹介されていましたね)

そして極めつけがこれ。いかにもアメリカン・ナード・ジョークですが...

最後の一言にウケた(w

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2008.01.14

電波生物?

数日前のニュースだけど、カーボンナノチューブの分子1個だけで、ラジオにもなるし、電波発信器にもなるものが米カリフォルニア大学バークレー校で開発されたという。

MSN産経ニュース: 人毛の1万分の1 米で世界最小ラジオ開発

サイエンスライターの竹内薫氏のコメントでは、「血液成分や細胞の状態などをモニターすることもできるのではないか」と、医療分野への応用の期待を述べているけど、分子1個と聞いてふと思った。広い宇宙をくまなく探せば、この分子を使って電波でコミュニケーションする生物がどっかにいるんじゃないかと。

SF作家の堀晃さんだったら、そんな作品を書きそうだな。ラリー・ニーブンでもいいけれど。堀さん、新作発表しないかなぁ...

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2007.08.26

Out-of-Body

サイエンス誌の目次に「体外離脱体験の研究」とあったので、「え、オカルトものの研究か?」とちょっとぎょっとしたのだけど、アブストラクトを見て納得。

Science Magazine Japan: 体外離脱体験の研究

志願者にゴーグルを装着させて自分の身体が別の場所にある映像を見せながら、その映像に合わせて身体に刺激を与えると、自分の身体から抜け出したような錯覚を得られる、という。なるほど、これなら科学的研究の対象になる。

旧KGBでは数十年前からこの原理を敵側スパイの自白に応用していたという話もささやかれているから、案外古くて新しい知識なのかも。ってか、トム・クランシーの読み過ぎか?>じぶん f(^^;)

この原理を応用すればセカンドライフでの仮想体験をよりリアルに感じられるだろうし、行き着くところまで行けば、映画「マトリックス」の世界が現実になる。

宇宙飛行士のシミュレーション訓練なんかもこれをうまく使えばかなりリアルに再現できるのかもしれない。これも行き着くところまで行っちゃえば、映画「トータル・リコール」の世界やなぁ。

この地上で人類を「仮想宇宙旅行」に連れて行ってくれそうな、最も近い場所にいるのはGoogleなのかもね。

NASDAの回転椅子には耐えたのに、セカンドライフで乗り物酔いに陥ってしまうというこの情けなさ... 映画「アポロ13」の無重力シーンの撮影でパラボリックフライトをこなしたトム・ハンクスは偉大だ... 宇宙メダカは電気うなぎの夢を見るか? 超精細3D RPGに耐えられる若い世代(ニュータイプ)に栄光あれ!

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2007.04.29

六本木ヒルズのエレベーターの風

spacewalker: 六本木ヒルズのエレベーター火事について考える

感じていた違和感とは、エレベーターホールに恒時的に吹く強い風とその風によるエレベーターの振動である。49F,51Fのエレベーターホールでエレベータを待っていると常に大きな風音が聞こえ、扉が開いた瞬間強い風を受ける。また昇降中もその風によりエレベーターが進行方向に対して直交方向に円を描きながら振動している。
六本木ヒルズには行ったことがないので現場を見ないことには確実なことはわかりませんが、200mの垂直空間が作り出す巨大な煙突効果は容易に想像できます

新聞報道だけ読んでいると、日本オーティスの整備ミス、という印象を受けたのだけど、今にして思い返せば、「なぜケーブルの破断面の写真が報道に出てきたのだろう? 内部告発でもあったのだろうか? 日本オーティスが自らこの写真を公開したのだとすれば、素晴らしい態度だな」と思っていたのを思い出した。つまりあの写真を公開することによって「この問題にはもっと根源的な問題がある」ということを示唆したかったのではないのか。報道を鵜呑みにしてしまった自分を恥じる。

日本オーティスには畑村洋太郎教授にご相談なされることを強くお奨めします。御社一社の力では森ビルを動かせないし、かといって、放置しておけばいずれ人命に関わる。

[追記] spacewalkerさんの記事をよく読んで見ると「エレベータを待っていると常に大きな風音が聞こえ、扉が開いた瞬間強い風」とあるから、これは煙突効果というよりも紙鉄砲効果ですね。新幹線がトンネルに入った時と同じ。

[追記 5/2] asahi.com: オーチス社、さび認識しながら2年近く放置 虚偽報告も
うーん、ワイヤのさびを認識しながら2年間近く放置、というのはいただけないですね。

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2007.04.15

イノベーションの本質

日本学術会議のサイトの特別講演のページに一橋大学名誉教授でカリフォルニア大学ゼロックス知識学ファカルティ・フェローの野中郁次郎氏の「イノベーションの本質」(PDF)という講演スライドが。

旧科技庁ばりのカッコ付き「イノベーション」のお話かと思いきや、なかなかどうして、読ませる内容。

JAXAやISASの中間管理職に爪のあかを飲ませたいと感じた。それと、トヨタやホンダに就職したい大学生がもしいたら、両者の社風の違いが簡潔に現れているので必見だと思った。

旭川動物園はたしかにすごいらしいですね。一度いってみたい。三鷹市長とは一度だけお会いしましたが、たしかに「場を醸成する能力」がすばらしいと感じた。「北の屋台」に関しては不勉強で聞いたことがなかったので、ちょっと調べてみなきゃ。

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2007.03.21

失敗知識データベース

ふと気がつくと、JSTのSciencePortalがポータルらしく、なかなか面白いことになっている。よい人材をwebmasterに引っ張ってきたようだ。

その右下隅に「今日の失敗知識」というコーナーがあるのだけど、この記事をみて、愕然とした。こんな事故があったんですね。ご冥福をお祈りします。

JSTの失敗知識データベースもそれなりに中身が充実してきているようだけど、検索が難しい。というか、GoogleやWikipediaの検索とうまく連携できるようにならないかな。というか、Wikipediaみたく、誰でもオープンに失敗例をSNS的に共有しあえるような「2.0的世界」を構築する夢って、桃源郷? トップダウンな1.0的データベースでは指数関数的雪崩現象は起きないですよ。検索エンジンの技術を持っている会社にとっての大金脈が眠っていると見た。

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2007.03.19

ムライ式

なにげにぱらぱらと日経サイエンスを見ていたら、こんな記事が目にとまった。

日経サイエンス2007年4月号p.126
個性派ミュージアム巡礼「中谷宇吉郎 雪の科学館」

人工雪の結晶
村井昭夫氏が開発した装置(ムライ式)は常温の部屋でも人工雪ができ、館内では日々新しい結晶の観察を楽しめる。

「へぇ?!」と思って「村井昭夫 ムライ式」でぐぐってみたら、さらにこんなPDFファイルが見つかった。

中谷宇吉郎 雪の科学館 通信 第13号(2006.3.31)p.2

Murai式人工雪生成装置
人工雪誕生70周年の日に公開

2006年3月12日は、中谷博士の研究室で初めて人工雪作りに成功した日から70年の記念すべき日でした。この日、雪の科学館では新型の人工雪装置を公開し、以後毎日、入館者に成長しつつある人工雪を見てもらえるようになりました。

石川県教育センターの村井昭夫氏が考案したこの装置は、中谷博士と同じ対流型という方式を採用し、「ペルチェ素子」を使って冷やすことにより、低温室がなくても常温の部屋で人工雪を作ることができます。中谷博士の装置と同様、気温と水蒸気量をコントロールすることで、ほぼ希望の形の結晶を作ることができるのです。
へぇ、ペルチェ素子かぁ。目から鱗だなぁ。たしかに現代日本のテクノロジーをもってすれば、微妙な温度調節とか湿度調節はお手のもの、という気がする。それなりの技術力のある会社が量産化すれば、中谷宇吉郎先生が詳細に記録した雪の結晶が作られる気象条件なんて、実験室の机の上で簡単に再現できるのだろう。

そこで、そこでやっぱりこの記事なわけですよ。この装置を組み立てキットにして、全国の小学生に組み立てさせて、水に「ありがとう」とか「ばかやろう」とか声をかけさせながら、雪の結晶ができる様子を観察させる訳ですよ。水道水とか田んぼの水とか工場の排水とか、いろんなもので比較させてみるのも面白いかも。ていうか、小学生よりも先に学校の先生に実験して納得してもらうのが先決かつ急務か。

学研さん、おひとついかがですか?

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2006.11.28

3大科学ニュース

サイエンスZEROが2006年の3大科学ニュースを募集してます。

名前とメールアドレスを記入するところがちょっとなんなんですが、今年はこのブログで10大ニュースを振り返るほどの余裕がなさそうなので、こっちに投票してみました。

*****

ところで韓国初の宇宙飛行士選抜が10人にまで絞られたようですね。

テレビ局のスタジオっぽいところで集合写真、ってあたりが、NASDAじゃありえねー! ^^;

しかもこのうち7人は、選抜が終わったらふつーの人に戻るわけだし。もしかしてサバイバー並みにテレビ番組になってしまうのか??

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2006.11.27

サイエンスアゴラ

ずいぶん長いこと更新できませんでしたが...

サイエンスアゴラにいってきました。MEXT, JSPS, JST, NICT, NEDOなどの要人あり、未来館館長の毛利さんや前副館長の美馬さん、毎日新聞の元村さんや朝日新聞の高橋さん、読売新聞の○○さん、天文台の渡辺さんや観山台長、SF作家の小松左京さん、各種NPO団体や科学館関係者、などなど、ありとあらゆるオールスターがゆるやかに集う、不思議な会でした。

基調講演を行った産業技術総合研究所理事長の吉川弘之氏のスライドに表れていた工学マインドぶりAgora1と「科学技術リテラシーの構築と21世紀のデザイン」のセッションで講演した国際基督教大学教授の北原和夫氏の理学マインドぶりAgora2がある意味、がっぷり四つの好対照で興味深かった。毛利館長とも数年ぶりにお話をする機会に恵まれたのだけれど、話のそこここに毛利さんの理学マインドぶりを感じとることができて、ある意味、安心してみたり...

圧巻はシンポジウム「SFによる科学コミュニケーション——『日本沈没』を題材に」。
Agora3


京都大学教授の鈴木晶子氏の司会で、「日本沈没」の原作者小松左京氏、理系白書の元村有希子氏、毛利さん、JAMSTEC理事の平朝彦氏のパネル討論会。5人がいっせいに振り返ってこの夏封切られた映画「日本沈没」のリメイク版の予告編に見入るシーンがなんとも豪勢な一日でした。「日本沈没世代」の一人としては、感無量。Agora4

豪勢な顔ぶれが集まった割には全体の雰囲気が堅苦しくなかったのはよかったけれど、もうちょっと実質的な議論があちこちであってもよかったのではと思ったり... あと1日残ってますが、主催者の皆様お疲れさまでした。

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2006.10.18

モスキート着信音その後

今年のイグ・ノーベル賞を受賞してすっかり話題になったモスキート着信音。「管理人はまだ超音波撃退器の音が聞こえるよ?」と書いたけれど、現実はそんなに甘くなかった。こちらのサイトで紹介されている音を聞いてみると、15kHzですでに、耳が圧迫される感覚はかすかにあるものの、全く聞こえません。完敗です。うげぇ。orz

6月には既に話題になっていたんですね。知りませんでした。

ところで、このサイトの存在はSAGOOLによって知りました。ありがとうチームラボ

某国政府も「自国の検索エンジン云々」なんていってないで、もっと足元に投資したら...?

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2006.10.07

モスキート着信音

蚊が近寄らないという超音波撃退器。最近はホームセンターで探してもすっかり見かけなくなったけど、庭仕事をするときなどにはそれなりに重宝していた。しかし「人間の耳に聞こえない」という謳い文句のわりにはぴーぴーとうるさい。なんでだろうとずっと謎だったけど、たぶん、これを開発した人には聞こえなかったんですね。

人間ドックでよく無音室に入ってヘッドホンをかぶせられ、「音が聞こえたらスイッチを押してください」という聴力検査があるけれど、高い周波数の音を聞く能力は年齢とともに衰えると言う。ほんと? 管理人はまだ超音波撃退器の音が聞こえるよ? そうそう、宇宙飛行士選抜試験でもこの検査はでてきます。

それはともかく、「若者にしか聞こえない」という高い周波数の音を使って、若者がコンビニなどにたむろするのを撃退しようと、高周波雑音発生装置を発明した英国のハワード・ステイプルトンさんがイグ・ノーベル平和賞を受賞したという。デイリーやじうま経由。おめでとう。

asahi.com: 「教師に聞こえない携帯着信音」にイグ・ノーベル平和賞

最近はその音が「教師に聞こえない携帯電話の着信音」として欧米で大ブレークだという。いまどきの若者もなかなかやるねぇ。管理人の講義で使ったらだめだお。(^o^)

そのうち「モスキート着信音検出器」というのが大学入試の教室に備え付けられたりするんだろうか... いやその前にマナーモード着信検出器が必要だな。

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2006.05.21

波動注意報

「ダ・ヴィンチ・コード」は原作も映画もまだ見てないけど、最近、あちこちでダ・ヴィンチ・コードに関連する番組を見かけるようになった。「シオンの議定書」という、ある限定された目的のために捏造された一つの文書が、いかにして20世紀初頭の国際政治を狂わせていったかという番組を見て、人間の精神の限界について暗澹たる気分になっていた時、このサイトを「水からの伝言 授業」という検索ワードで訪れた方がいらっしゃった。ふと興味が湧いて、隣にどんなサイトが並んでいるかを見に行ってみた。

波動注意報
教育者よ おのれの眼を磨くべし!!

などなど。なるほど、地道に活動を続けておられるかたがいらっしゃるようだ。

そこからリンクされていたある先生の日記のページを見て、「とほほ」とばかりに脱力した。

今日は授業参観&懇談会。
毎度のことながら、コレはキツイですね。
「見られている」というのはプレッシャーです。
この書き出しの調子からしてすでに「おいおい」と頭を抱えたくなるが、問題なのはここ。

題材はよくインターネットでも出ている「水からの伝言」。
水道水を同じように凍らせますが、ビーカーの下に「ありがとう」と「ばかやろう」と書いた紙をそれぞれ置いておきます。
.....
写真は勝手ながらインターネット内を検索して出し、それを印刷して使いました。
子どもたちに写真を見せるだけで大騒ぎ。
何で言葉だけでこんなに変わるの!?と言う不思議さから食い入るように写真を見ていました。
最後には、いい言葉を使いたい、というタイプの子から、家でも氷を作って実験してみたい!という理科系好きな子もいましたね。
今日の授業ですこ〜しでも、心に残る部分があればいいなと思っています
教師たるもの、「学校における教育活動と著作権」という文化庁がまとめた資料くらいは目を通しておいてほしいものだ、なんていう小言も言ってみつつ、しかし本題、問題の本丸は、「なんで自分の頭でものごとの妥当性を考えない人物が教員採用試験で受かるの?」という基本的な疑問。

それよりも問題かもしれないのは、波動注意報のこのページの情報によると、文部科学省の資源調査分科会水資源委員会の第1回議事録(平成14年6月5日)で、ある委員の発言として

たまたま子ども向けの本で「水からのメッセージ」というとてもきれいな本があります。...(中略)... 汚いところのは崩れていたり、それを見ると本当に水という基本的なことから、こんなに同じ水でも違うことが子ども心にもはっきりわかる、とてもいい本だと思っています。
という記録がある。

委員の名前が記録されていないので、誰の発言かわからないけれど、このリストの中の誰かだ。いずれも高名な先生方ばかりなので、上記の発言が出てくること自体が信じられないのだけれど、消去法で考えれば、この人かあの人あたりか。文部科学省の活動としてこういうことが起きること自体に問題の根深さを感じる。科学技術・学術政策局政策課資源室に委員選定の経緯を問い合わせてみるのがいいのかも。サイエンスウォーカーなんて雑誌を作る資源があるなら、委員の先生方の科学リテラシーを調べる手続きをしてもいいんじゃん?

「日本の恥」というページはかなり効果があったようで、TOSSという団体のページから関連情報が続々と消えているらしい。ぐっじょぶ!

このページによると「3年前に「水からの伝言」を教材として扱わないという基本方針が出されました。」という関係者からのメールがあって、この問題は収束に向かいつつある、のかな? なんとなく「クサイものに蓋」という言葉が心に浮かぶけど...

管理人はTOSSという団体の存在を知らなかったのだけど、調べてみるとここがサイトの運営をやっているようです。なるほどねぇ、こういうラインか。

[追記] Wikipediaに「水からの伝言」と「向山洋一」氏のエントリが立ってる。

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2006.03.26

酵母で放射線被曝の治療薬?

以前、ビールは放射線から体を守る?という記事を書いたけれど、その続編のようなニュース。

NIKKEI NET:酵母が放射線被曝の影響抑制・放医研など動物実験

放医研の伊古田暢夫氏や(財)体質研究会の鍵谷勤・京都大学名誉教授らのグループが、動物実験で放射線被曝の後に酵母の一種を食べさせると傷害を軽減できる可能性があるとのこと。パンやビールの酵母と亜鉛や銅などのミネラルを組み合わせた「ミネラル含有熱処理酵母」を使ったという。

宇宙ステーションに長期滞在する宇宙飛行士や、成層圏で長時間勤務するパイロット、フライトアテンダント、などに朗報かもしれない。この研究が進めば、火星への有人宇宙飛行による宇宙放射線被曝対策にも現実味が出てくるかな。JAXAはこういうところへお金を使おう。航空業界や原子力業界から感謝されるよ。

ちょっと話が飛躍するけど、もしかして煙草の煙による発ガンの予防にも酵母が有効だったりするんじゃないのかな? JTあたりが研究しないのかな。

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2006.02.21

フォーブスの勇み足?

kikulog経由

田崎晴明(学習院大理): 「フォーブス日本版」の記事について

「どうも、見出しをつけるシステムにも問題があるようです。」という言葉に同感。記者さんはこのケースに関して言えば、板ばさみ、かな? 編集者はだれ?

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2005.12.19

「天から送られた手紙」キャンペーン

江本勝という人が「水は答えを知っている—その結晶にこめられたメッセージ」という本を書いて、これが全国の学校の道徳の時間でいわゆる「水からの伝言」として授業に取り入れられ、問題となっているらしい。

kikulog: 「水からの伝言」関係の批判文書

おおもとの本は読んでいないのだけれど、菊池さんのところで紹介されている絵本を見て脱力した。

SpiegelさんのところでAERAに批判記事が出る、という記事を見かけたので買って読んでみた。菊池さんや田崎さんの努力には頭が下がる思いなのだけれど、たんなる糾弾では世の中は変わらないだろうなぁ、という無力感もまた、同時に感じた。オウム真理教事件の時に科学者として前途有望なはずの若者が事件に深くかかわっていた時にも感じたショックではあるけれど、「シンプルで力強い(かのように見える)説明」に人間の心がすりよっていくという本性は、ガリレオの宗教裁判の昔からまったく変わっていない。ある種の絶望感のようなものを感じてしまう。

しかしその一方で、「子供の心って、そんなに"ヤワ"なのか?」という気持ちもある。敬けんなキリスト教信者の家庭に生まれ育ってなおかつ立派な科学者になった例は探せばいくらでもあるだろうし、管理人自身、小学生の頃に雑誌「子供の科学」に載っていたオカルトものの記事をドキドキしながら読んでいた記憶があるけれど、ついぞオカルト世界には傾倒しなかった。いろいろな本を手当たり次第に読み続けていけば、次第に自分の中に「これは正しい」「これはあやしい」という価値観のようなものが醸成されていく。

「水からの伝言」の授業を受けた生徒には、心の栄養が騙よってしまわないように、いろいろな本をどんどん読んでもらう、というのはどうだろうか。たとえば中谷宇吉郎先生の(1900〜1962)「雪は天から送られた手紙である」という有名な言葉を記した著作とか。

まずは全国の道徳の先生がたに中谷先生の著作を読んでもらうキャンペーンを始めるのが近道かも。ということで、

「天から送られた手紙」キャンペーン

というのはいかが?

中谷先生の没後50年まであと7年

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2005.11.09

ロングテール科学ジャーナリズム

Space Fighter Now経由:

出力: 科学ジャーナリズム業界はなぜ必要か

現状で科学報道がこの二つの壁を越えるには、「科学ジャーナリズム界」的な専門の業界を成立・成長させ放送業界に影響力を行使してゆく以外に無いように思う。
科学報道の専門的な業界の必要性は同意しますが、現状ではペイしないでしょうね。まず読んでもらえない、見てもらえない。新聞の科学面の紙面が増えないのも同じ理由。だからといって税金を投入したら解決する問題とは思えない。科学者自身もジャーナリズムの専門家ではないし広報や報道やサイエンスカフェに割くことのできる時間には限界がある。なにより自分自身の業績の客観的な報道は難しい。やはり「科学ジャーナリスト」が職業としてペイする必要がある。日本の社会は立花隆氏を何人雇用できる?

「民間でできることは民間で」ではないけれど、もし科学ジャーナリズムのマーケットが成立するとしたら、それはどんなビジネスモデルか。

価値観や趣味嗜好が多様化する一方の現代社会において、科学ジャーナリズムもまたロングテールとは無縁ではいられない、と思う。というか、むしろロングテールの中にこそ活路があるのではないかと。

科学ジャーナリズムの世界における「アマゾン・ドット・コム」を成功させるのは誰だろうか。マーケットを支えるのは誰だろうか。それがどんなビジネスモデルになるのかはまだわからないけれど、あと5年くらいの間には誰かが成功するような気がなんとなくする。

日本の既存のプレーヤーは誰だろうか。以下、思いつくままに順不同。誠文堂新光社、学研、ニュートン出版、CQ出版、オーム社、日本経済新聞、岩波、丸善、講談社。日本科学未来館、国立科学博物館。まんぷくやさんのところもいい線いってるかな。他にもいると思うけど。

誰がマーケットを支えるか。「あなたのiPodにサイエンスを」!?

筑波宇宙センターの公開に7千人がくるんだから、マーケットは存在します。

ターゲットが誰かを明確に見据えることができて、そのターゲットの需要を確実に感じとることができた人が成功するんでしょう。きっと。

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2005.10.27

アラビノキシラン

ある人から「アラビノキシラン」というものがあると教わったのでGoogleで検索してみてビックリ。約97,800件もの日本語ページがヒットする。 その大部分が健康食品関連のサイト。

ところが、Googleでこれだけ話題になっているのにブログのページがなぜかほとんどヒットしない。これって...

Googleの検索結果のページをどんどんたどっていくと、55ページ目で

最も的確な結果を表示するために、上の547件と似たページは除かれています。
検索結果をすべて表示するには、ここから再検索してください。
という記述に出くわした。

いろんなページが出てくるが、その中から気になったページをメモ。

独立行政法人酒類総合研究所の事業年度評価の項目別評価シート
http://www.mof.go.jp/singikai/dokuritsu/hyouka/sake/14komokub.pdf

【取組の状況】 焼酎麴菌アスペルギルス・カワチのフスマ液体培養上清から 2 種類のアラビノフラノシダーゼを精製し、その酵素化学的性質を検討した。精製酵素のアラビノキシランに対する分解は、キシラナーゼとの相乗的な効果が認められ、キシラナーゼとともにそれぞれのアラビノフラノシダーゼを作用させるとアラビノキシランの分解率が高まった。また、フェルラ酸エステラーゼとともに作用させるとフェルラ酸の遊離量が 15~20%上昇した。遺伝子のクローニング及び推定アミノ酸配列から2種類のアラビノフラノシダーゼはGHファミリー51及び 54 に属するアラビノフラノシダーゼであった。

どんな研究しているの?
http://www.toyama-mpu.ac.jp/md/anas/active1.html

抗酸化物質と大腸がん発生抑制の関連と活性酸素消去活性
 抗酸化物質(アップルペクチン、舞い茸、アラビノキシラン等)をESR装置を用いて検討し、その成果については日本がん学会において発表してきた。

先進諸国に見る健康産業の国際比較分析
− 我国の現状分析をふまえて −
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsme/kinyu/pdf/01f/01f-shimizu.pdf

本研究の方法としては、一般的な経済学の方法に基づき、実証データと文献的研究手法を用いた。実際に日欧米の健康産業の生産現場にも立会い、また、高齢者に必須の機能性健康補助食品に含有の低分子アラビノキシラン(Arabinoxylane)という物質がヒトの免疫力を賦活させ、健康の保持増進やガン、難病にも効果を上げているという試験データ等も交えて、我国の健康産業の確立・進展の経過を分析し、将来像の総合を試みた

DNAマーカーを用いた効率的選抜育種技術の開発(〜平成13年度)
(略称:DNAマーカー、DM)
http://www.nias.affrc.go.jp/project/inegenome/dnamarker/dnamarker_seika.htm

小玉雅晴ら:
本邦ビールオオムギを用いたゲノム解析研究 4. アラビノキシラン含量のQTL解析
育研1(別1) p.23 (1999)

ちなみにGoogleで「arabinoxylane」でWeb全体から検索すると、結果は947件。このギャップはなに。「arabinoxylan」で検索すると、27,400件。スペルが間違ってたんですね。

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2005.10.20

八木アンテナ

18日に開催された第49回総合科学技術会議の配布資料の中に、前回8月11日に開催された第48回の議事録案(PDF)が掲載されている。

その中の19ページから22ページにかけて。議長である小泉総理と、日本学術会議会長でもある黒川委員の八木アンテナに関するかけあいが面白い。

日本人が発明した八木アンテナをイギリス軍がレーダーとして実用化したのに日本軍はそれを知らなかった、というのは、有名な逸話だけど、一国の総理大臣がそのことを知らないでこういう科学技術会議の席上で漫談するのって、それってどうよ、と思わなくも無い。

ゼロ戦が大戦初期に連合軍の戦闘機を性能面で圧倒的に上回っていたのはなぜか、とか、それが開戦後2,3年の間に逆転されて、不利な戦いを強いられた、とか、首相はご存知なのだろうか...

黒川会長が「アメリカが八木先生のものを使ったんですよ」と述べて、傍から「最初はイギリスですよ」と訂正される場面はご愛嬌...

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2005.06.24

優生思想

昨年8月、こんな記事を書いた。

5号館のつぶやきで「科学者」の語る優生思想という記事を見かけたのでトラックバック。同じタウンミーティングについて書かれた記事で、管理人が抱いた感想とほぼ同じ。

毛利さんは管理人のことをまだ覚えてくれているようだし、江崎さんとは時々お会いする機会もあるのだけれど、是は是、非は非。機会があったらあの発言の真意を確かめてみたいと思う。

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2005.04.14

光と闇のウェーブが地球を一周?

世界物理年 日本委員会:光のリレー:参加のお願い

アインシュタインの命日(時差により4月18日から19日にかけて)に、プリンストンを起点として、光を世界一周させる計画が立てられました。このプロジェクトは、物理学を専攻する人たちの純粋な気持ちから始まったもので、皆で科学の楽しみを共有し、現代物理学を発展させ平和運動にも寄与したアインシュタインを想い起こすことを目的としています。
だそうで。へぇ。おしゃれ。

もし十分な数の街の明かりがこの企画に参加したら、この光と闇の波は宇宙ステーションから見えるんじゃないだろうか。だれかリロイ・チャオに連絡しよう!>NASA

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2005.02.05

ふらいばい

最近「フライバイ」があちこちで話題になっているようなので、ちょっと説明を考えてみました。

*****

「フライバイ(Fly-by)」とは惑星探査機が少ない燃料で遠方の惑星に到達するために、手前にある惑星の角運動量を利用して探査機の軌道(遠日点)を増大させる航法のこと。「スイングバイ」とも呼ばれる。

探査機が惑星に近づくと、重力によってお互いに引き寄せられる。探査機の速度が惑星に最接近する距離に対して十分に速いとき、探査機は惑星の重力を振り切って再び飛び去っていく。この時、探査機と惑星の間で運動量が交換される。

フィギュアスケートの男女ペアの演技で男性スケーターが女性スケーターの腕を取って前に放り出す場面を考えてみる。女性スケーターの運動量は男性スケーターに腕を取られて前に放り出してもらうことで増加する。この瞬間、男性スケーターの運動量は減少するが、男女の共通重心で見た全体の運動量は保存している。腕を引き寄せるという作用によって男女それぞれの運動量が交換されている。

フライバイでも重力を媒介として運動量の交換が起きる。太陽を中心とした座標系で見ると、探査機と惑星が太陽に対する角運動量を交換していることになる。探査機が惑星の公転方向の後ろ側を通過すると、探査機の太陽に対する角運動量は増加し、惑星は減少する。惑星の前方を通過すると、探査機の角運動量は減少し、惑星は増加する。どちらの場合も共通重心でみた全体の角運動量は保存している。

実際には惑星の質量は探査機と比べると巨大なため、フライバイによる角運動量の交換は惑星の公転にほとんど影響を与えない。しかし探査機は軽いので角速度が大きく増減する。角速度が増加すると、軌道が変わり、遠日点が増加する。つまり、より遠くの惑星まで到達することになる。

*****

ご批判、修正、ご指摘などありましたら遠慮なくツッこんでください。この文章には著作権を主張したりしないのでWikipediaにご利用いただいても可。

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2005.01.23

国際物理年

京都新聞のコラム「明日への視座」に物理学者佐藤文隆さんの記事。

2005年は「国際物理年」

また80年代のバブル景気の影響もあり、派手にこのブームは社会的に進行し、私自身もその渦中におった。そして「怖い」と思ったのは、一面的に誇張されたイメージに憧(あこが)れて優秀な少年、少女が数年すると研究室に登場することである。しかし「1番おいしいところ」はすでに過ぎたのだから、安易な気持ちでやって来れば単純な乗り遅れとなる。特に応用がその先に展開するのでないこういう分野は「遅れてきた」人たちで混雑するだけになる。
宇宙開発も、もしかして似たような側面がないか? 「応用がその先に展開する」かどうか、が、鍵、なような...

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2004.12.29

書評「A LAND IN MOTION」

サンフランシスコの対岸に位置するバークレイは学生の街だ。ここを訪れるたびにアメリカの中の自由の息吹と学生の若々しさを感じてなんだか気分が浮き浮きとしてくる。天文学者クリフォード・ストールが西ドイツ(当時)のハッカーを追跡した経験を描いた本「THE CUCKOO'S EGG」の舞台もバークレイだ。坂道を登っていると、クリフォードが汚らしいスニーカーを履いて自転車で坂の上からさっそうと駆け降りてくる姿が目に浮かぶような気がする。

それなりの年配の人であれば、バークレイと言えば映画「いちご白書」の舞台として記憶にとどめておられる方もいるのだろう。1960年代、学生運動華やかなりし頃は、この地が反戦運動の拠点だった。

そんな反戦運動の闘士達が当時、根城にしていた書店がサンフランシスコのダウンタウン、チャイナタウンやイタリア人街からさほど遠くないところにある、というので、知人につれて行ってもらった。その書店とは「CITY LIGHTS BOOKS」。通りを一本隔てると、日本人が迷いこむとあまりよろしくない地域、らしい。

CITY LIGHTS BOOKS
261 Columbus Ave.
San Francisco
www.citylights.com

チェ・ゲバラの著書なんかが平積みにされていたりして、なるほど、なかなかとんがった感覚の持ち主が店主を勤めているのだな、と、みょうに感心する。Amazon全盛のご時世、先鋭的な品ぞろえの書店なのに経営が成り立つ、というのは、サンフランシスコの住人がそれだけ先鋭的だ、ということなのだろう。

この書店を訪れたのは米軍のイラク侵攻が始まるか始まらないかという時期だったけれど、「ADDICTED TO WAR」という、アメリカの軍事政権を痛烈に風刺した漫画教育本が目に留まったので、買ってみた。同じ時に買ったのが「A LAND IN MOTION 〜California's San Andreas Fault〜」という本だ。

サンフランシスコといえば、1989年の大地震を思い出すまでもなく、日本と同じ地震の街でもある。実際、カリフォルニアは日本の4つの島とほぼ同じ規模だけれども、その大半を活断層地帯が貫いている。そのなかでもまさに親玉中の親玉というべき存在がサン・アンドレアス断層だ。

「A LAND IN MOTION」は、1000km近いこの断層のいろいろな場所での風景を綺麗に切り取った写真集のような趣きと、最新の地球科学のわかりやすい解説書の側面を合わせ持つ。英語が読めない人でも、この本に掲載された豊富な写真と図解を眺めるだけでも、地球の息吹の側面を視覚的に十分体感できるだろう。地球は生きた星だ。

日本は地震の国なのに、このように芸術的にもすぐれた地球科学の啓蒙本になかなかお目にかかれないのは残念な気がする。たとえ出版しても、あまり売れないのだろうか。

この本の冒頭に、Don Charlesという人の詩が引用されている。

If I could move real slow
I could hear the rocks talkin'
If I could move real slow
I could see the trees walkin'
.....

スマトラ島沖地震の津波災害で亡くなられた人々のご冥福をお祈りします。

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2004.12.12

書評「科学技術はなぜ失敗するのか」

Do you think for the future?の記事を読んでから気になって、amazon.co.jpのショッピングカートに「科学技術はなぜ失敗するのか」を乗っけておいた。著者の中野不二男氏は元NASDAでH-IIロケットを担当した五代富文氏と共に「日中宇宙戦争」を執筆した人でもある。

安野光雅氏の「石頭コンピューター」の31年ぶりの改訂版が出版されたのを記念に、「科学技術はなぜ失敗するのか」も一緒に買い求めた。つーか、amazonの送料を節約したかった、ともいう。

「科学技術はなぜ失敗するのか」は2002年1月から2004年11月まで中央公論に「ニュースの方程式」として連載されたコラムを新書判として纏め直したもの。「まえがき」にはこんな言葉がある。

 だが、そうした成果が一般の人々にまで届くことは、ほとんどない。毎年10月中旬に行われるノーベル賞選考委員会の結果も、日本人が受賞しなければ、驚くほど小さなニュースにしかならないのが現実である。
 それどころか、社会における日々の出来事においても、およそ科学・技術に関連するものは、メディアはほとんど伝えない。伝えないばかりか、失敗や事故といった“負”の側面だけに集中している。しかもその“負”の内側に潜む問題にまでは、手を伸ばそうとはしていない。少なくとも私にはそう思えてならないのである。
 ......略......
 気象衛星だけではない。通信衛星であれなんであれ、国民生活に直接関わるような衛星は、予備機を用意しなければならないのである。しかしそうした根本の問題については、メディアはほとんど触れようとしない。報じるのは、失敗という目の前の結果だけである。日々起きている事件や事故には、かならず一歩踏み込んだ背景があると私は思う。科学・技術がからんでいる場合には、そこにこそ本質があるといってもよい。
前著の「日中宇宙戦争」が少しぼやけた出来栄えだったので、あまり期待していなかったのだけど、いい意味で裏切られた。読み始めてから数時間で、一気に読み終えてしまった。近年にない、なかなか爽やかな読後感。ノンフィクションとは、こうでなくっちゃ。各新聞社の科学部記者にこそ読んでもらいたい本だと思う。

連載コラムを本にした、というわりには、掲載の順番が元の記事の時系列とは無関係に纏め直されている。どち