2011.12.24

宇宙から見るラブジョイ彗星

11月27日にオーストラリアのアマチュア天文家テリー・ラブジョイさんによって発見されたラブジョイ彗星(C/2011 W3)が、灼熱の太陽の洗礼を無事にくぐり抜けて、南半球の夜明けの空ですばらしい勇姿を見せているとのこと。

少し年配の天文ファンならこの写真を見て、往年のイケヤ・セキ彗星を思い出すかも。そう、ラブジョイ彗星はイケヤ・セキ彗星と同じクロイツ族という「太陽をかすめる長周期彗星」なのです。

ラブジョイ彗星はクロイツ族の中でも「かつてない規模で太陽観測衛星によって観測された彗星」といえるかも。SOHOSTEREOSDOなどで灼熱の太陽の光芒の中をすり抜けていく様子が記録されています。

南半球の各地ですばらしい写真が撮影されていますが、今回いちばん感動したのはこれ。


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Image credit: NASA

ISS Expedition 30の船長、Dan Burbank宇宙飛行士が軌道上から撮影。宇宙時代のクロイツ群にふさわしい一枚です。

メリー・クリスマス!

2009.09.05

今日の月

駅へ向かう道の正面に満月が。(正確には満月は昨日だけど)

「おおぉぅ」とおもって、帰宅してからD2Xに135mmとテレプラスを装着してぱちり。

Moon15

秋ですねぇ。(トリミングと彩度コントラスト強調かけてます)

2009.02.12

お月様のいないいないばあ

先週末、映画「ザ・ムーン」を見てきた。日曜日の朝、9時20分からのみの上映。今週の金曜日が最終らしい。

原題は「In the Shadow of the Moon」

前評判にたがわず、すばらしいできばえだ。あの時代をリアルタイムで知るものにとっては、アポロ計画とそれに参加した宇宙飛行士の実像を、あの頃とはちがった角度から、もう一度追体験できる。と同時に、あの時代を知らない世代には、かなり難しい映画でもある。ガラガラの観客席に座っていた数人のお客はみな、管理人と同世代の、同じ雰囲気の人間だった。

あれから40年。宇宙飛行士選抜を体験し、ヒューストンやフロリダのNASAの施設を自分の眼で見て、スミソニアンで本物の司令船を観て、ジョン・グレンをはじめとするNASAの宇宙飛行士や月着陸船を設計した技師と生身で接した後にこの映画を見ると、不思議なリアリティがある。映像の一つ一つが手を伸ばせば、ほんのそこまで手が届くかのようなリアリティがある。司令船が、月着陸船が、あたかも自分自身がそこで訓練を受け続けてきたかのように手触りや匂いまで再現された気分になる。

アポロの宇宙飛行士たちは間違いなく英雄だ。

しかしかれらもまた、そのあたりにいるごく普通の人間であることが、この映画を見てわかった。管理人自身がまかり間違って、もしもあのミッションの中にいたとしても、やはり彼らと同じように振る舞っていたであろうことがよくわかる。

ありがとう。この映画で少年時代に戻って、あなたたちとともに月面を歩いてくることができたよ。

***

以前、こんな記事を書いた。

月はとうの昔にその自転を地球にロックオンしてしまって、あのおなじみのウサギの模様の面をいつでも地球に向けて地球の周りを回っている。
ウサギの模様の面がいつも地球に向いているのは、潮汐力で力学的に安定だからなのだけど、それにしては、月の公転軌道の進行方向に大きな隕石孔の数が少ない、という統計的考察から、「かつては月は現在の裏側の面が地球に向いていたのではないか」と考え、月が裏表ひっくり返るためにはどれだけの規模の隕石衝突が必要かを計算した論文が出たという。

SkyandTelescope.com: Tales From the Far Side – I: Did the Moon Do a Face Flip?

計算によれば、裏表がひっくり返るには直径50kmほどの微惑星の衝突が必要で、その際に生じるクレーターの直径は500kmほどになるという。月面にある衝突痕でその規模のものは6つしかないが、有力候補は赤道付近にある「スミス海」だとのこと。

38億年前、なにがあったんでしょう、お月様?

2008.09.13

Starlit Night Projectすごい

isanaさんの日記が更新されていたので見に行ったら、

Garbage Collection: Starlit Night Project : Technical Demonstration 01 - 2008.09.11.

これは素晴らしい! 活用させていただきます。

これもGoogleSatTrackみたいにこの分野の定番になりそうですねぇ。

2008.02.16

月とオリオン座

仕事の帰り道にふと窓の外を見ると、空があまりにも澄んでいて、オリオン座がくっきり見えたので、道ばたに車を停めて、カメラを窓枠にのせてファインダーも覗かずに適当に5秒露出したら、意外にもいい構図。ぼけぼけだけど。

Orion

ぼけ味がかえって星座を強調してくれた。冬の大三角が西に傾いて、空の上ではもう春ですねぇ。地上は氷点下0.5度。

2007.11.22

お月様のおかげかな

管理人は長沼センセイと同世代だから、「はじめ人間ギャートルズ」なんていうやたらマイナーなTVアニメの裏主題歌の雰囲気はとても大好きだ。チュニジアの大砂漠まで辺境微生物の採集に出かけるセンセイの行動力と、地球の地の果てでこの裏主題歌を突然おもいだしたりするフィーリングがとてもウケる。少なくとも「美しい日本」という曖昧な言葉で国民に愛国心を醸成して価値観を植え付けようとするどこかの国の前首相よりはずっと人間的にみて安心することができる。

地球には大気があり、風がある。それと同じように、地球には海があり、潮の満ち引きがある。毎日まいにち2回ずつ、満潮と干潮がやってくる。私たちが暮らす大地だって、あまり目立たないけれど、やっぱり毎日2回ずつ、数十センチ、上がったり下がったりを繰り返している。

オーストラリア東海岸に広がる世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフのサンゴは毎年1回、満月の夜に一斉に産卵するという。月の光を感じて発現する体内時計の役割に関係する遺伝子が見つかった、というニュースがしばらく前に流れた。満月の夜は干満の差が激しくなる。その激しい潮の流れに卵をゆだねて、生育範囲をできる限り拡大しようとするサンゴの生き残り戦略が、遺伝子の中に埋め込まれているのだろう。

ウミガメは、満月や新月の満潮時にも波がかからない砂浜の波打ち際に卵を産み落とすという。卵に波がかからないように、そして孵化した赤ちゃんガメが海まで辿り着けるように。地球上の生物にとって、潮の満ち引きは、種の生存と繁栄に欠かすことができない大きな影響を与えている。

この干満の莫大なエネルギーは、月が地球の周りを回って、重力で引きつけあってお互いの角運動量を交換し合っているところからくる。月も地球もその大きさの割にはお互いに近すぎる距離にいるために、お互いの自転を潮汐で縛り合って、その反作用として、月と地球の距離は毎年4センチほど遠ざかっている。月はとうの昔にその自転を地球にロックオンしてしまって、あのおなじみのウサギの模様の面をいつでも地球に向けて地球の周りを回っている。

この、お互いにつかず離れず(離れてるって!)お互いを縛り合って干渉し合う二つの天体がこれだけ近い距離にいるというのは、太陽系の中の他の惑星を見ても異例のことだ。太陽系形成の初期に原始地球に火星ほどの大きさの惑星がぶつかって、地球の周りに破片をまき散らし、その一部が集まってできたのが現在の月、だということらしい。

では、惑星同士がぶつかって月を形成するような現象は、宇宙全体ではどれだけあるのか。NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡を使って調べた結果がプレスリリースで公表された。

NASA/JPL: Astronomers Say Moons Like Ours Are Uncommon

生まれてから3千万年ほど経った恒星を400個ほど調べたところ、惑星衝突の証拠とも言える細かいチリをまとっている恒星は1個しかなかったという。このことから、地球と月のような惑星の衝突によって生まれた「濃密な関係の衛星」を従えている惑星は全体の5パーセントから10パーセント以下しか存在しないだろう、という。

・海の水が蒸発しても水蒸気を宇宙空間に逃がさないほど地球の重力が強く、
・海の水が液体でいられるほど、熱すぎず、寒すぎず、
・海の水に干満を与えるお月様がほどよい近さにいて、

なんというはかりしれない偶然の産物として、地球上の命は生まれたというのだろうか。

高校生の頃、なにかの映画を見に行ったら、「ラストコンサート」という、とてもマイナーな映画が同時上映されていた。失意の中年ピアニストが、病に冒された少女との不思議な交流の中で立ち直っていくという、ストーリー的にはちょっとあれげな映画だったけれど、フランスのノルマンディー南部にある修道院モンサンミシェルの映像がとても美しかった。なぜか忘れられない映画の一つ。「30年前のセカチュー」か。なるほどね。

そのモンサンミシェル、ラッパ状のサン・マロ湾の奥深くに位置するので、干満の差が15メートル以上もある。浅瀬になっているため、引き潮で18kmほどまで遠ざかっていた波打ち際が、満潮になると猛烈なスピードで押し寄せて、島を孤立させてしまう。かつては波に飲まれて命を落とした巡礼者が数多くいたという。

かぐやのハイビジョン映像を見て、改めて思う。
月はその存在によって、この地球に命の恵みを与え続けている。

46億年の歴史に、ありがとう。

地球は美しい星だ。

2007.10.29

ホームズ彗星みえた

かぐやだ嫦娥だと騒いでいる間に、その探査機たちがいるお月様のすぐお隣のペルセウス座では、ホームズ彗星が大変なことに。

ASTRO CALENDAR:ホームズ彗星が爆裂
ASTRO CALENDAR:「かぐや」も「嫦娥」もぶっとばしたホームズ
ASTRO CALENDAR:どこまで明るくなるか、ホームズ彗星
ASTRO CALENDAR:ファーストクラスに
関崎海星館の快晴日記:10/27大増光したホームズ彗星を確認しました!
関崎海星館の快晴日記:10/28ホームズ彗星と速吸の瀬戸

台風も通過したので、双眼鏡と9cmの反射を手に外に出てみた。月明かりが邪魔して、肉眼ではっきりとは見えなかったのだけど、双眼鏡で見ると一発でわかる。すごい。 昔の中国辺りなら皇帝が交替するほどの天変地異ですね。40万倍も増光するなんて、いったいどんな異変が...

望遠鏡の接眼部にデジタル一眼を手持ちでくっつけてシャッターを切ってみたけど、さすがに写らない... orz

画像処理ソフトで思いっきりコントラストを強めてみたけど、まるで心霊写真... orz orz

Comet Holmes

なんかぼやーと写っているのがわかりますか?

ちなみに同条件、同倍率で写した火星がこちら。手ぶれでぼけぼけですが、見かけの大きさの違いが鮮明に。

Mars

爆発の瞬間を間近で見てみたかったなぁ...(マテ

にしても、写真撮影の機材、もっとなんとかしなきゃ... orz

2007.06.30

ツングースカのクレーターが見つかる?

Sky&Telescope誌に速報。

SkyandTelescope.com: Has a Tunguska Crater Been Found?

ツングースカの爆心地から8kmほど離れた場所にあるCheko湖の湖底調査をしたイタリアのチームによると、隕石クレーターなどに特徴的な地質構造があきらかになったらしい。

ツングースカに落ちたのが隕石だったのか彗星だったのか、これで決着がつくことになるのでしょうか。

2006.08.25

ホルストの株価が上がる日

以前から議論があったとはいえ、冥王星が惑星でなくなることがとうとう正式に決まった。

毎日新聞: 太陽系惑星:冥王星を除外 賛成多数で最終案採択 IAU
朝日新聞: 冥王星外し、惑星数8に 国際天文学連合が新定義

天文台の渡部先生、日本のメディアにひっぱりだこですね。ホルストのCDの売り上げが増加すると見た。New Horizonは売り、かな? ^^;

個人的には冥王星のこの激白に座布団3枚。前哨戦とあわせてどうぞ。^o^

[追記] 今朝の「特ダネ!」でインタビューされてた夏休みの自由研究の中学生のコメントには笑っちゃったけど、それを見ていて気がついた。ドメイン名「The Nine Planets」って大暴落やんけ。南無。

2005.12.23

暗黒物質の塊

世の中、こういう新しい発見があるから、生きていくのって楽しくなるんだよねぇ。

すばる望遠鏡: 暗黒物質の巣で育つ銀河の雛たち

夜空を見上げると見える無数の星たち。しかし「無数」とはいっても人間の目で見える星の数は全天でたかだか6千個程度にすぎない。ガリレオは当時最先端の科学機器だった望遠鏡で人類初の天体観測を行って、天の川がもっと暗くてたくさんある星の集まりであることを見つけた。しかしそれらの星の集まりもたかだか数光年から10万光年。天の川もまた、それこそ無数にある銀河系の一つにすぎない。

その無数の銀河系たちは、ミカンを入れるネットが幾重にも重なっているような網の目の構造となって宇宙空間を覆い尽くしている。

一方、宇宙には天体望遠鏡とか電波望遠鏡とかX線望遠鏡とかでは観測できない「正体の分からない物質」があることが、銀河系の中の星の回転速度や、銀河系の群れの中で銀河が動いている速度の観測などからわかっていた。光らない物質なので「ダークマター」と名付けられているが、望遠鏡などで観測できる物質(恒星など)の10倍以上もある。いいかえれば、人類は宇宙に普遍的に存在している物質のうちの10分の1以下しかまだ観測することができない。

そのダークマターが宇宙全体の中でどのような分布をしているのかに手がかりを与えてくれるのが今回のすばる望遠鏡の最新成果。図3を見ると、任意の二つの銀河系の間の距離を測った時にその分布の度合いが80万光年を境にくっきりと異なっているのが見て取れる。つまりこの観測からは暗黒物質の塊のサイズを特徴づける数値として「80万光年」という答えがあらわれるようななんらかの物理的過程が存在することになる。

ところでこの図で使われている「2つの銀河間の距離」の分布を示す「相関関数」はアメリカの天文学者ピーブルスが1969年に考案したということになっているが、神戸大学の松田卓也先生によれば、木原、東辻、三好らによる銀河分布の相関に関する研究のほうが先駆的なものらしい。

今回のすばる望遠鏡の成果が世界的にどのように受け止められるのか(というか、この分野ですでに長年その傾向が見えていたものを裏打ちしたものなのかどうか)門外漢である管理人にはわからないのですが、関係者の皆さん頑張ってください。

日本の科学史を英語でまとめる科学史家が必要、ということなのかな。それにしてもすばる望遠鏡はすごい。

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