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2011.07.26

油井さん大西さん金井さん宇宙飛行士認定おめでとう!

JAXAからプレスリリース。

国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士の認定について

2008年の宇宙飛行士選抜試験を経て、2009年2月25日に宇宙飛行士候補者として選ばれた油井亀美也さんと大西卓哉さん、それと日本の宇宙飛行士選抜史上初めて補欠合格として同9月8日に候補者に追加で選ばれた金井宣茂さんの三人が、二年間にわたるNASAの宇宙飛行士養成クラス(ASCAN)での訓練を無事に終えて、本日、晴れてJAXAの正式な宇宙飛行士として認定された。

この代の宇宙飛行士は、白崎ドクターの本や管理人が書いた「宇宙飛行士になるには」シリーズを読んできた世代なだけに、我がことのように嬉しい。( ´ ▽ ` )ノ

一時帰国している、という噂を聞いていたのは、この記者会見に出るためだったんだね。

スペースシャトル退役直後という劇的なタイミングだけど、しっかりメディアトレーニングも積んでインタビューに応えてくれるのだろう。

長かったね、おめでとう。

でも本当に長いのはこれからだよ。

また米国での暮らしがしばらく続くことになるのかな。お身体に気をつけて、頑張ってください。

2011.07.23

パイオニア・アノマリーの謎が解けた?

惑星協会からのメールで、パイオニア・アノマリーの謎が解けたらしいことを知る。

Pioneer Anomaly on the Verge of Solution - What We Do | The Planetary Society

パイオニア・アノマリーとは、NASAの惑星探査機パイオニア10号と11号がそれぞれ木星と土星の探査を終えて太陽系の外に向かって飛行を続けている際に、探査機が太陽の重力で減速される効果よりもわずかに強く減速されている事が探査機との通信の電波を解析した結果わかったことをいう。

パイオニア・アノマリー - Wikipedia

これはすごく小さなズレだけれど、ドップラー効果による解析なので、ほんのわずかなズレでも重力理論との比較が極めて精密にできる。1980年にNASA/JPLのJohn D. Andersonが初めて指摘して以来、30年にわたっていろいろな可能性が検討されてきた。重力理論がほんのわずか間違っている可能性、太陽系内に未知の天体がいてその重力の影響を受けている可能性、などなど。

惑星協会が会員から寄付を募って、1970年代の古いコンピュータの磁気テープをフォーマット変換して打ち上げ直後からのドップラー効果の詳細な変化を解析した結果、この減速の大きさは時間と共に減少している事が明らかとなった。

つまり、謎の減速は打ち上げ直後の方が強くて、時と共にだんだん理論値とのズレが少なくなっているという。

この減速の様子を説明するもっとも有力な説は、パイオニアが搭載している原子力電池の崩壊熱によるものらしい。

NASAの深宇宙探査機には、プルトニウム238の崩壊熱を熱電素子によって電力に変換する原子力電池が搭載されている。その熱はパイオニアのパラボラアンテナの裏面(地球から見て)などから宇宙空間に放出されるが、その放出のエネルギーがパイオニアを減速させているらしい事が今回の解析で明らかとなった。パイオニアの熱流量のコンピュータモデルをシミュレーションして突き止めたとのこと。

パイオニアは探査機全体を自転させて姿勢を安定させる「スピン制御」を行いながら太陽系の外に出た初めての探査機なので、この種類のドップラー効果の測定に適している。その後のボイジャーやガリレオ、カッシーニなどはフライホイールによる三軸制御で姿勢を保っているために、ドップラー効果の測定には誤差が大きく、解析には不向きという。

1970年代のSF映画に出てくるようなコンピュータの磁気テープを再解析することが可能になったことが今回の成果につながった。

管理人もこのデータのフォーマット変換にかかる費用に寄付をしたので、惑星協会からのお礼のメールで顛末を知ることができた。

解析チームとチームをまとめたSlava Turyshevさん、おめでとう&おつかれさま。

2011.07.22

スペースシャトル最後のミッション終了

7ヶ月半ぶりのブログ更新。

日本時間21日18時57分、スペースシャトルアトランティス号が無事、ケネディ宇宙センターに帰還した。


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Credit: NASA

1981年4月12日にコロンビア号が最初のミッションに飛び立ってから30年の有人宇宙往還機の歴史の幕が閉じた。

管理人にとって見れば、自分自身が宇宙飛行士になることを夢見て可能性にチャレンジした、思い出深い宇宙船。いろいろな想いが交錯する。

NASAテレビで帰還の様子をTwitterの宇宙クラスタのみんなと一緒に見守っていたら、嬉しいハプニングが。@lizard_isanaさんが作ったISSとシャトルの現在位値表示プログラムGoogleSatTrackがなんと、NASAのヒューストンのミッションコントロールセンター、のメインスクリーンに大きく表示されたのだ。

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Credit: NASA

宇宙開発についてはアマチュアプログラマである@lizard_isanaさんが作ったGoogleSatTrackがなんでNASAで使われたのかについては、おそらくこの話が関係している。

> インターネット上で好きなアプリを作ったら、スペースシャトル打ち上げ台まで行けてしまった話|jp.blogs.com: http://bit.ly/qS7RTF

管理人はこのブログを始めたころから@lizard_isanaさんとは何度かコメントのやりとりがあったのだけど、このシャトル打ち上げの時に初めてお目にかかって、以来友だちになった。

そのGoogleSatTrackがシャトル引退の重要な場面でNASAのメインスクリーンに使われただなんて、我がことのように嬉しい。

昨夜はTwitter上で@lizard_isanaさんを祝して乾杯した。おめでとう!

そしてぼくたちは次の未来へ。

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