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2009.11.10

日本人宇宙飛行士Twitterを始める

Twitterというサービスが始まってから3年半。管理人がその名を初めて聞いたのがたしか2年半くらい前。その1年後にはIDも作ってみたけど、なにが面白いのかを理解しないままにさらに1年が経ち、そうこうしているうちにオバマが大統領になり、ハドソン川に旅客機が不時着し、NASAの宇宙飛行士が宇宙からの初Tweet(つぶやき)をし、イランの選挙でTwitterを用いた情報戦が勃発し、Twitterが世の中に与えるリアルタイムの情報のパワーというものがだんだんと強大になってきているなぁと実感できるようになった今日この頃。

管理人自身もこの3月から@5thstarのIDでぼちぼちとつぶやくようになって8ヶ月、シャトルの打上げやらH-IIBの打上げやらHTVのドッキングやらをぶつぶつつぶやくうちに、興味の似通った人たちがお互いにお互いをフォローし合うようになって、TL(Time Line)と呼ばれる独特のつぶやきの流れの中で情報を共有するようになりました。

そんなある日、管理人のIDを新しくフォローしてくれた人のフォロー先リストを見てみると、@Astro_Soichiと@Astro_NaokoのIDが!

じつはその一ヶ月前から、あるチャンネルを通じて日本人宇宙飛行士に「ぜひ宇宙からつぶやいてみませんか?」と働きかけていたのです。宇宙初つぶやきを実現させたMike Massimino宇宙飛行士のIDが@Astro_Mikeであるように、NASAの公認宇宙飛行士Twitterは@Astro_XXXXというIDを取るのが一般的。別人である可能性も考えたけれど、時期やその他もろもろの状況証拠から、野口聡一宇宙飛行士と山崎直子宇宙飛行士のお二人のIDに間違いない、と判断して、

URL訂正:日本人宇宙飛行士の初つぶやき?! 野口聡一宇宙飛行士と山崎直子宇宙飛行士のTwitter(と思われる)はこちら。直子さんの初つぶやきは4時間ほど前。http://bit.ly/2wJobt http://bit.ly/131J2u

とつぶやいたのが9日の正午過ぎ。その後数時間で、お二人をフォローする人が100人を超える状況に。

先ほど、そのとあるチャンネルから回答があり、@Astro_Naokoさんが間違いなく山崎直子宇宙飛行士のものであることが確認できました。野口さんのほうも確認はまだですが、つぶやきの内容やタイミングから見るかぎり、間違いなくご本人のものでしょう。

で、お二人の記念すべき初つぶやきはこちら。

Astro_Soichi
Hey, I am in! Beautiful launch of ARES IX today :-)
8:59 AM Oct 29th from web

Astro_Naoko
Hi I joined you! 皆さん、こんにちは。訓練の様子などお伝えしていきますね。宜しくお願いします!
about 18 hours ago from TwitBird iPhone

ネットが組織の壁を低くして個人の存在感をリアルタイムに伝えるようになった時代。お二人が宇宙で何を感じるか、ぜひ日本語で自由な感想をつぶやいてほしいものです。宇宙開発を見守る人の共感や感動は、生身の人間の、その場その時のつぶやきから得られると思うから...

2009年は、宇宙開発においても情報の流れがさらに一段と加速した年になりましたね。もはや待ったなし。

2009.11.07

パズルの軌跡

「パズルの軌跡 穂瑞沙羅華の課外活動」読了。

Kiseki

映画にもなった機本伸司氏のデビュー作にして第三回小松左京賞受賞作「神様のパズル」の続編、という位置づけ。できの悪い物理学専攻の綿貫基一がやっと会社に就職したのもつかの間、やっかいな相談事に巻き込まれる。

前作で天才美少女で飛び級の大学生だった穂瑞沙羅華は、訳あって普通の女子高生としての日々を送っている。“ネオ・ピグマリオン”という怪しげな会社の社長からある依頼を受けた綿貫は、前回の事件以来、半年ぶりに沙羅華の家を訪れるのだが...

以下、ネタバレ注意。

***

「神様のパズル」のスピンオフ的位置づけである「神様のパラドックス」に出てきた樋川晋吾も脇を固めて独特の味わいを出している。が、ストーリー的には独立しているので、前二作を読んでいなくても特に問題にはならない。

読後感は、なんだろう、いささかとも戸惑ってしまう。これはSFではない。中で登場する科学技術はほぼ既存のもので、その気になりさえすれば実際に実現できてしまう。かなりマッドでゴスロリだけれど。

それと... ストーリーとは直接の関係はないが、設定の細かい部分でなぜかこのブログで多少なりとも触れてきたネタとも、かなりかぶる気がする。じつは著者はこのブログをちょくちょくチェックしているのではなかろうか、と、疑いたくなるほどだ。おらの頭の中を覗くなぁ〜(爆

それだけではない。このブログには書かなかったけれど、海外出張の際にこれまで2回ほど、飛行機の中で隣りの席に座った日本人の若者が私費を投じてこれから参加しようとしている自己啓発セミナーがいかに素晴らしいものであるか、延々何時間も説得をされた経験がある。この本の前半200ページほどを読んでいると、その時の若者達のなにか取り憑かれたようにしゃべる表情が思い起こされてきて、なんとも憂鬱な気分になった。機本氏がこの作品で掘り起こしたテーマは、日頃あまり話題になることはないが、まぎれもない現実の日本の姿の一つなのだ。

くだんの飛行機で乗り合わせた若者たちにビッグバンから始まる宇宙開闢の物語を延々と聞かせてあげたら、目を輝かせて食いついてきたので、管理人にもじつはそれなりのビジネスチャンスはあるのかもしれない...などと妄想するのはおいておいて、「自分とは何か」「宇宙とは何か」が裏テーマとなっている本作品は、まぎれもなく機本氏の真骨頂が発揮されている。

物語の後半は「007」シリーズのボンド役のようなアクションを出来の悪いワトソン役の「綿さん」がコミカルにこなしていく、のだけれど、ストーリー展開的にはおおむね予測できてしまう。沙羅華と綿さんの今後のシリーズ化に期待できそうなラストが救いと言えば救い。

どちらかといえばかなり地味めな作品だけれども、この作者の提示する問題意識は、じつはこのブログの裏テーマともかなりかぶる気がする。かつ、他の作者が提示しているのを見たことがない。ということで、星三つ。★★★☆☆

つばさ

出張で乗った飛行機の主翼たち。行きも帰りも似たような席だった www


しなる主翼 - YouTube動画
日本海上空で軽い乱気流に突入した時の動画。翼がよくしなる。

Img_0050
圧縮された空気が主翼上面で局所的に雲の層を作る

Img_0057
シベリア上空の夕日
(画面上方の起点は窓ガラスのフレア)

Img_0211
ヨーロッパ上空

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