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2009.04.28

Planetary Blog

あのEmilyさんが第二子Sanayaちゃんを無事出産されたとのことで、めでたい。

で、かねてより予定されていたEmilyさんの出産休暇中のゲストブロガーの顔ぶれが彼女の最新ブログ記事で明らかとなった。

そう、不肖、管理人も、Emilyさんからの依頼を受けて、惑星協会のブロガーのピンチヒッターを務めさせていただくことに。ここの日記のような超マイナーブログと違って、読者数が圧倒的に多いから、緊張する。

とはいえ、日本の宇宙開発の現状を世界に発信するまたとないチャンス。

さて、何を書こうか。

記事ネタ募集中です。

2009.04.27

失われたテクノロジー

カーナビや携帯電話に搭載されて、いまや現代社会に不可欠となった感のあるGPS。アメリカが宇宙用セシウム原子時計を搭載した最初のGPS衛星を打ち上げたのは、いまから32年前の1977年だという。人工衛星は地球から受ける重力場が地上より弱いので、一般相対性理論の効果によって時計が早く進む。GPS衛星の軌道の高度では秒速約8kmで特殊相対性理論で時計が遅れる効果よりも一般相対性理論の効果の方が勝るらしい。

1977年といえば映画「STAR WARS」の年。Disney ProのB級SF映画「The Black Hole」が封切られたのが1979年だから、世の中の一般相対性理論への理解はまだ半信半疑といった時代。そういえば都筑卓司さんのブルーバックスが絶好調でしたね当時。最初のGPS衛星にはなんと一般相対性理論からくる時刻の補正を入れるか入れないかを切り替える機能があったのだという。現在ではもちろん補正を入れないと計算が合わないことが常識なのだけれど。

といううんちく話を知人から聞かせてもらっているうちに、「人類が秒の単位で精密に時を刻む時計を初めて必要としたのはいつの時代でしょう?」という問いが。

答えは15世紀から17世紀の大航海時代なのだそうで。

コロンブスの新大陸発見以降、人類が初めて陸地の見えない大海原に大々的に乗り出していった時代。太陽や星の高度を測れば船の現在地の緯度はわかるけれど、経度を正確に知るためには出港から数ヶ月にわたって秒単位で正確な時を刻む時計が必要になる。イギリス議会は1714年、揺れる船舶の上でも正しい時を刻む高精度の時計を製作したものに2万ポンド(当時の数億円相当)もの懸賞金を出すことを決め、クロノメーター誕生のきっかけとなったとのこと。

将来、人類がなんらかの理由でGPS衛星を失い、半導体産業が壊滅したとしたら、当時の機械式クロノメーターの技術は取り戻せるのだろうか。

現在、国際単位系(SI)で「1秒」という単位は「セシウム133原子の基底状態の二つの超微細構造準位の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間」と定められている。この精度すら最先端の科学技術分野ではもはや不十分になりつつあるとのことで、東京大学の香取准教授が開発したさらに精度の高い光格子時計を1秒の基準の国際単位系に制定する動きが進行中なのだという。

時の流れは時として残酷なまでに早いものだと思う。わずか65年前、10代、20代の若者たちが夜空に輝くベガの輝きを頼りに敵艦めがけて突入していった時代があった。時刻の1秒の精度が達成できれば経度方向で500mにも満たない。意外な精度。科学技術の進歩や通信技術の進歩の速度の順番が少し異なっていたら、今とは違う歴史もあったのだろうか。日本が時刻の世界標準を定めるほどの技術水準を持つことに誇りを感じる。平和を謳歌しつつこの年齢まで生きてこられたことへの感謝と、この平和を次の世代へ繋いでいくことの重みについて考えてみる。

歓送迎会

5thstarメンバーの人事異動があったのを機会に歓送迎会を開いた。

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数年ぶりに再会するメンバーや広島や名古屋から駆けつけてくれたメンバーまで。18日の友の会では、5thstarから参加可能なメンバーの数がちょっと少なかったので寂しかったけれど、今回の飲み会ではひさびさに5thstarオリジナルメンバーの雰囲気を味わうことができた。みなさんお元気そうでなにより。IssacのAさんと49ersのUさんNさんもご参加ありがとうございました。またやりましょう。

2009.04.19

宇宙飛行士友の会発足

史上初!

日本の宇宙開発史上、これまで宇宙飛行士の選抜はTBSを含めると6回、NASDAとJAXAによる公募だったものは5回あった訳ですが、選抜の医学試験を受けて仲良くなった同期の連絡会の幹事がそれぞれ連絡を取り合って、過去5回公募の選抜メンバーが一同に会するパーティが18日、都内某所にて開催されました。

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1984年の第1期が「PS友の会」、1991年の第2期が「MS友の会」、1995年の第3期が「5thstar」、1998年の第4期が「Issac98」、2008年の第5期が「49ers」、それと、書類審査や一次試験で不合格となったものの、飲み会で仲良くなったり、これから宇宙飛行士を目指すという若者も含めたグループ「Astronaut2008」も。足かけ24年。退職された人からこの4月に某機関に入社して初任者研修が終了したばかりの新人まで総勢78名。おまけに特別参加のVIPたちまで。日本の元気を信じられるようなすごく濃いメンツたち。

幹事グループの幹事役をつとめていただいたIさん、ご苦労様でした。Wさんとの堅いきずなも実に感動的で、場が大いに盛り上がりました。まさにスタンディングオベーションでしたね。

初めてお目にかかった皆様、これからもよろしくお願いします。「選抜体験記」のコーナーも「Episode I」「Episode II」を欠番として置いておいたので、これを機会に皆さんからご寄稿いただけるとうれしいです。あ、もちろん「Episode V」と「Episode VI」もよろしくね。

日本の宇宙開発応援団として、日本人宇宙飛行士の友人として、ささやかながらお役に立つことができればと。

2009.04.13

サクラ

デジカメ一眼レフの性能があがって、値段も安くなってきたからなのか、桜の名所にでかけると、お約束のようにみんなカメラを持っている。あちこちのブログでもこの季節、桜の花が踊って、桜前線の北上を伝えてくる。桜の花には日本人の心を動かすなにかがあるようだ。

管理人も夏のような陽気に誘われて、デジイチを首からぶらさげてぶらぶら散歩。

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「願わくば 花の下にて 春死なぬ
  その如月の 望月の頃」
 西行

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「常よりも 春辺になれば 櫻川
  波の花こそ 間なく寄すらめ」
 紀貫之

桜の花を武士道と結びつける人もいるけれど、個人的にはやっぱり平安時代の桜とのつきあい方がしっくりくる気がする。

つくば市から土浦市を抜けて霞ヶ浦に流れ込む桜川は、あまり大きな川ではないけれど、「西の吉野 東の桜川」と並び称せられて、平安時代の昔から有名だったらしい。

櫻川磯部稲村神社の桜(天然記念物)

そういえば筑波宇宙センターにも見事な桜並木がたくさんありますね。

若田さん、日本は春です。シャトルとソユーズが帰った後の宇宙ステーションでの週末はいかがですか。

2009.04.01

はちゅねミク、月面に到達していた!

モデルロケット打ち上げ時の4Gにも耐え、無重力状態で無事にネギを振る壮大な実験に成功した、はちゅね宇宙航空研究開発機構(HAXA)ニコニコ技術部が世界に誇るばーちゃるアイドル、「はちゅねミク」がじつは月面にまで到達していたことが、宇宙空航開発研究機構(JaXa)の4月1日のプレスリリースにより、あきらかとなった。

はちゅねミクは、クリプトン・フューチャー・メディア社の音声合成・デスクトップミュージック (DTM) ソフトウェア。一部のニコニコ動画愛好者らの間で熱狂的な支持を受けており、ツインテールのロングヘアをネギに見立てたネギ踊りなどが若者文化に静かな広がりを見せ始めている。HAXAではこのはちゅねミクの可能性に早くから注目し、モデルロケット内部にはちゅねミクを搭載したネギ振り実験を、ロケット打ち上げ時の加速度や強烈な振動、無重力状態での動作確保、真空中での超高温や超低温などの過激な環境で動作試験を繰り返してきた。

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Credit: HAXA

このHAXAの技術開発力に注目したのがJaXaの2ch担当部員とも言われるTさん。某小惑星探査の実況ブログ中継では、日本初のスタミナドリンクを世界に宣伝して一躍有名になった。

Tさんの働きかけてJaXaの月探査衛星「かぐや」のリレー衛星「おきな」へのはちゅねミクの搭載が秘密裏に決定され、2007年9月14日(日本時間)に種子島宇宙センターから打ち上げられた。

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2007年当時は非公開とされた、月探査衛星「かぐや」から放出されるリレー衛星「おきな」の映像。月周回軌道でけなげにネギを振り続けるはちゅねミクの様子が鮮明に記録されている。Credit: JaXa/HAXA

おきなは2009年2月12日に運用を終了し、月面に落下したが、HAXAのこれまでの動作試験の実績から、はちゅねミクは落下時の衝撃に無事に耐え、今も元気に月面上でけなげにネギを振り続けているものと推定される。

JaXaの王川理事長は、「宇宙開発に熱意を傾注する個人の技術開発力には驚異的なものがある。JaXaではこれまで『ワンジャクサ』を標榜して、いわゆる宇宙三機関の統合を推進してきたが、これからはHAXAの個人の熱意と粘り気というよい部分をぜひ見習って、HAXAとJaXaを統合したHAJaXa(ハジャックス)の設立に向けて尽力してまいりたい」と述べたとも述べなかったとも明らかにされていない。

Happy April Fool 2009 !

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