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2008.12.30

ホーム・カミング

母親が入院したとの報せを受けて、急遽予定に入れてなかった帰省をすることになった。深夜、ハンドルを握って東名・名神をひた走る。長距離ドライブを想定して選んだ堅めのサスペンションの愛車が、数年ぶりの本来の性能を取り戻して心地良い振動を路面から伝えてくる。

帰省の季節だというのに、高速道路に渋滞の影はない。六甲山を貫くトンネルに向かう頃には、前にも後ろにも他の車がいない独占状態になった。自動車産業の不況はこんなところにまで影を落としているのか。

道路公団が民営化されるニュースは耳にしていたけれど、恥ずかしいことに、いつからどんな会社になったのかを、まったく認識していなかった。ということは、ここ4年ほど、車で帰省したことがなかったということか。

役人の論理ではとても導入できなかったETCの深夜割引や平日昼間割引が当たり前のように実施されているのを見て、溜飲が下がる。そういえば、豊橋付近に関所のように設けられていた通行券の検札所も、きれいさっぱりなくなっていた。時代は21世紀。

15年ほど前、サンフランシスコの金門橋を初めて走った時は、口をぽかんとあけて、「昔の日本はよくこんな国と戦争をする気になったな」と呆れたものだけれど、今、誰もいない明石大橋を渡りながら、口をぽかんとあけて、「戦争に負けた国がよくここまで技術力を蓄え、社会資本を整備することができたものだ」と呆れてしまった。

この瞬間にも、ゼロ戦を作った企業のモジュールが宇宙を飛んでいる。これも21世紀。

スイスでは、年の始めに4千円ほどのステッカーを買って車のフロントガラスに貼り付けておけば、スイス国内の高速道路は1年間走り放題。かつてジュネーブからツェルマットまでドライブした時、アルプスのどてっぱらに延々と作られたトンネルを走りながら、永世中立国の国防と物資の輸送について考えさせられた。

今、日本の各地に張り巡らされた高速道路とトンネル網を見るにつけ、日本の国力がスイスの比ではないことを実感する。

立派なトンネルを走っていると、小学校時代の同級生の顔が浮かんでくる。ふるさとと都会を結ぶトンネルを掘る仕事についていた。今ごろどうしているのだろう。

日本は政治家のための国でも役人のための国でもない。あなた達一人一人が、この国を育ててきたのだ。

ふるさとに活力を。

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