毛利さんの面接
昨年10月、日本科学未来館の副館長に就任した中島義和氏の「受験体験記」が日経ビジネスOnlineのTech Focusに載っている。
Tech Focus: 新米副館長、ミュージアム経営奮闘記(1)〜自動車マンから科学館へ
毛利さんの面接で勝ち残りたいと思っている人がいるなら、このコラムは必見だ。
まず館長の毛利さんから、今まで未来館に何回くらい来たか、どの展示物が一番印象に残っているか、良くないと思うものはどれかと、英語で質問の口火が切られた。まず英語力を試されているのだと判断し、私も英語で、.....と答えると、なぜそれぞれに感心したのかと理由を次々と問われた。ここは語学テストと割り切り、内容はともかくスピード勝負と間髪を入れずに思いつくまま即答した。
毛利さん、相変わらずだなぁ... (~~;)
中島氏の受験に至る心境の変化、受験を決定してからの「未来館の活動に何を期待し、どう運営していくかをテーマとした小論文(1200字以内)」のテーマ選択と執筆、面接までに臨む態度、というのは、旧NASDAの宇宙飛行士選抜プロセスそのものです。宇宙飛行士になりたい予備軍の人、じっくり読んで勉強しておきましょう。
それにしてもトヨタの渉外・海外広報業務、BMWマーケティング本部長、日本フォード専務取締役営業企画本部長、ビーエムダブリュー代表取締役社長、日本GM代表取締役を歴任ですか。すごい経歴の持ち主ですね。毛利さんとも同年代、というところがポイント高かったのかな。
残念ながら、もしJAXAが次に宇宙飛行士選抜を行うとしても、毛利さんはおそらく面接官にはならないでしょう。というか、JAXAが宇宙飛行士選抜を行う可能性自身が今後10年はほぼゼロであろうことが哀しいですが...
中島氏の
若い時、人生3分割論を知って共鳴した。いわく、人生75年と仮定して最初の25年は親、学校、勤務先、社会など周りにお世話になり、育てられ、成長する時期。次の30年は独り立ちし家族を養い、自らの目標の実現に向かって努力する時期。最後の20年は個人の欲望から解脱し、安寧なる心持ちでお世話になった社会に恩返しをする時期である、と。というお言葉、含蓄があります。爪のあか煎じて飲みたい。
しかしゼロシーリングの未来館を発展させるのは、一筋縄ではいかないでしょうね。とはいえ、毛利さん、よくやった。博物館ではないという宿命を背負った未来館ならではの人選。今後に注目です。
[追記] 昨日、某所でとある人事構想の話を聞いて驚いた。未来館上層部、どうやって改革しようか本気で模索を始めましたね。でも内容から判断する限り、現場と上層部の中間に挟まれた人間にはまだ改革の必要性の意識が薄いと感じました。さて、ほんとに今後が注目です。
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