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2006.06.11

ろけっと・つりー

ラリー・ニーブンの「ノウンスペース」シリーズのSFに、ロケット・ツリー(stage tree)という木が出てくる。幹の中に燃料を蓄え、惑星の気象条件が変わってきたりすると、燃料に点火し、宇宙空間に飛び出して、他の惑星に種子を運ぶ。

ニーブンはこの空想上の木を描くにあたって、きっと何千年もかけて成長する米西海岸のセコイア杉とか屋久杉のことが頭にあったんじゃないかと彼のSFを読んだ当時、思ったのだけど、植物園を訪れると、事実はSFよりも奇なりというのに驚く。

Bankon

板根(ばんこん)という根を持つこの木はまるでISASかNASDAに展示してあるロケットそのものだ。幹の中に燃料を詰めて点火したら、本当に飛んでいきそうだ。

Bankon2

写真のこの木は「セランガン・バツ」というフタバガキ科のサラソウジュの仲間で、マレーシアのカリマンタン島中央部にあったものだという。熱帯雨林の高木はまっすぐで長い幹をもっているため、幹の四方から平べったい板状の根を伸ばす木が多いのだという。根に近づくにつれて胴体部分がテーパーリングされて、本物のロケットみたい。

現実には木のてっぺんには枝があって葉っぱがあるから、「打ち上げ」前になんらかの形で頭でっかち状態を解消しないと空力的に安定しないのだけど、種子が堅い殻の中で何年も守られて、山火事になると初めて殻が弾けて種子が育つ、なんていう植物も実際にあるから、空想のロケット・ツリーの生態をあれこれと想像してみるのも楽しい。

しかしそれにしても秒速7.9kmというのは工学的チャレンジなのだなぁと改めて思う。V2ロケットからじつに60年余。この間、本質的に革命的と呼べるような出来事はないように感じる。ロケット工学が聖杯伝説にならないように、誰かもっと革新的なアイデアを思いつかないかな。ダビンチの時代にパラグライダーなんて考えられなかっただろうし。

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Comments

おはようございます。
昨日はお疲れ様でした。(^^)v
Star Seedは、星野之宣の「2001夜物語」にもでてきますね。
こっちは、炭酸ガスレーザーによるパルス航行ですけど。

どもです。星野之宣さんですか。存じ上げませんでした。調べてみるとJ.P.ホーガンなんかの作品もカバーしているハードSFアニメ作家なんですね。今度、読んでみたいと思います。

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