« May 2006 | Main | July 2006 »

2006.06.24

憲兵隊の靴音が聞こえる

宇宙開発とは関係ないけれど(関係なくもないか)ネット上にこういう論調が存在するのを見ると、ほっとする。

阿部重夫編集長ブログ:FACTA online:村上叩き第二幕3――戦犯

法の執行の恣意は司法の信頼を損ねるという意味で、市場取引の信頼を損ねるゆえに罰せられるインサイダー取引より、ある意味でもっと重大である。

そう、真のトリックスターはほりえもんでも村上氏でもなくて東京地検であると思う。限られた人員でよくやっているとはいえ、彼らが限られた人員であるという事実に基づいて選択する戦略そのものが、日本をだめにしていくと感じる。今回の恣意的な対象選択は後の世に禍根を残す。怖い時代だ。

2006.06.21

Tシャツリユニオン再び

5thstar Tシャツの版がまだ残っているうちに、と、色違いの第2弾Tシャツを作った。注文主に手渡すためのリユニオンを開催。体調が悪いのでそうそうに引き上げたけど。

国際条約の批准と国内法の整備の間に横たわる複雑な事情を聞いた。おもしろいというか複雑というか。たばこ規制枠組条約なんて知らなかった。へぇ。WADAと三種目の話も面白い。

別の人からこの件のうらの事情もいろいろと聞いた。立場によってものの見え方が異なるのは当然としても、そうだったのか。やっぱり。なかなか難しいものだねぇ。しかしねぇ、JAXAiで流れてたパラボリックフライトのビデオ映像、ありゃなんだ。真剣に?実験をやってる研究者がいるかと思えば、その裏から若い女性二人がきゃっきゃあはしゃぐ声が流れてくる。場面が変わってその声の主とおぼしき女性がみょうな衣装を着てぎこちなく座席に座っていて、ゼロGでものを取りこぼす。あれは広報用に使っていいビデオではないと思うぞ。50歩100歩というか、パラボリックであれが成り立つならたしかにサブオービタルのビジネスもありうるのだろう、と、思った。いまやバブル期だね。

メディアが榎本氏の扱いについてどうするかを苦慮しているらしいことも知った。なるほど。どのレベルの記者を現地に派遣するのかというのは確かに難しい問題だ。つきつめていえば個人の観光旅行なんだしね。

2006.06.19

Winnyの功績?

久々に住基ネットねたを見かけた気がする。

Openlaw日誌:Winnyで結審延期

リスクを認識するまでに,これほど時間と審議と被害とが必要だったとは....
同感...

2006.06.11

ろけっと・つりー

ラリー・ニーブンの「ノウンスペース」シリーズのSFに、ロケット・ツリー(stage tree)という木が出てくる。幹の中に燃料を蓄え、惑星の気象条件が変わってきたりすると、燃料に点火し、宇宙空間に飛び出して、他の惑星に種子を運ぶ。

ニーブンはこの空想上の木を描くにあたって、きっと何千年もかけて成長する米西海岸のセコイア杉とか屋久杉のことが頭にあったんじゃないかと彼のSFを読んだ当時、思ったのだけど、植物園を訪れると、事実はSFよりも奇なりというのに驚く。

Bankon

板根(ばんこん)という根を持つこの木はまるでISASかNASDAに展示してあるロケットそのものだ。幹の中に燃料を詰めて点火したら、本当に飛んでいきそうだ。

Bankon2

写真のこの木は「セランガン・バツ」というフタバガキ科のサラソウジュの仲間で、マレーシアのカリマンタン島中央部にあったものだという。熱帯雨林の高木はまっすぐで長い幹をもっているため、幹の四方から平べったい板状の根を伸ばす木が多いのだという。根に近づくにつれて胴体部分がテーパーリングされて、本物のロケットみたい。

現実には木のてっぺんには枝があって葉っぱがあるから、「打ち上げ」前になんらかの形で頭でっかち状態を解消しないと空力的に安定しないのだけど、種子が堅い殻の中で何年も守られて、山火事になると初めて殻が弾けて種子が育つ、なんていう植物も実際にあるから、空想のロケット・ツリーの生態をあれこれと想像してみるのも楽しい。

しかしそれにしても秒速7.9kmというのは工学的チャレンジなのだなぁと改めて思う。V2ロケットからじつに60年余。この間、本質的に革命的と呼べるような出来事はないように感じる。ロケット工学が聖杯伝説にならないように、誰かもっと革新的なアイデアを思いつかないかな。ダビンチの時代にパラグライダーなんて考えられなかっただろうし。

2006.06.03

Web 2.0時代のJ1ビザ

いや、「あなたがいうところの『Web 2.0』の定義ってなんですか?」とつっこまんでください。あんまり深く考えてないんで(汗

Spiegelさんところで「2ch もフリーライドはご法度なのか」なんていう記事をみかけて、元のスレッドも読まずに「ふーん、そんな観念論じゃなくて、2chにロイヤリティを支払う道筋をWeb 2.0的に確保すればすむ話じゃん?」などと簡単に考えていたけれど、今という時代にはもっといろいろ面倒くさい問題が発生しうるということがあるらしい。

はやぶさ翻訳の時にJSpaceという翻訳Wikiサイトを立ち上げられたmisshieさんがアイオワ大学に研究留学されて、ブログを始めていらっしゃるらしいのだけれど、その中で興味深い記事を見つけた。

みっし~のアイオワ研究留学 blog: Google AdSense導入断念?

サーバーは日本にあるものの、web広告から収入を得るのは、たしかにアメリカ在住中にDS2019に記載された大学以外からのお金をアメリカの企業から受け取ることになります。これが「不法就労」とみなされるか否か。
ふむ。確かに今の時代ならではの難しい問題ですね。追記によると、
その後も調べた結果,やはりF1/H1B/J1などの学生・就労ビザ保持者がAdSenseをはじめとするWebからの収入を得ることは不法就労とみなされるおそれがあるようです.
Google Ansersに弁護士の意見へのリンクを含めた 詳細な解説があります.
とのことで、難儀ですね。関係ないけど、学生時代、どうやって米国内でクレジットカードを作るか、というブートストラップ問題で頭を悩ませたことを思い出してしまった。

世界各地のアフィリエイト経済の規模が無視できないくらい拡大してくると、南北格差問題とか外為法とかいろんなところが動き始めそうだな。梅田先生の描く理想社会は本当に実現するのか? Google社員ってやっぱりチャレンジャーだなぁ。つくづく。

お金といえば、JAXAのこの動きには非常に危機感を持って外野席から眺めているけれど、誰も諌言しないのだろうか。税金を使っている機関としての自覚に欠けているように感じる。管理人の記憶間違いかも知れないけれど、榎本氏がかつて「10円でもいいから宇宙で何か仕事を請け負ってやってみたい」という発言をしていたのを見かけたような記憶がある。検索したけれど見つからなかった。記憶違いならいいけれど、もし本当にそういう展開を考えているのなら、自覚が足りない。

関係ないけど、Dice-K.comをしばらく見なかった間に結構面白い記事が並んでいますね。これとかこれとか。これを読んだ後で読んでみるといろいろと考えさせられてしまう。要注意のポイントとか...

宇宙探査に係る国際ワークショップの報告

JAXAのこのページでリンクされているPDFの報告書、簡潔だけどじつに興味深い。必見です。

NASA 主催の「探査」に関する国際ワークショップ、欧州宇宙機関および イタリア宇宙局主催の「探査」に関する国際ワークショップに参加し、米国並びに関係国の動向等の情勢把握につとめた結果について、報告する。
興味深いのは各国の動向を報告子がまとめたくだり。
・フランス:第1優先が火星、第2優先が地球接近天体であると述べた。月の科学的価値は火星より低いという判断を示した。国際協力を期待する反面、国際宇宙ステーション(ISS)での例を挙げて、場合によっては独自に無人ミッションを進める可能性も示唆した。
・ドイツ :投資の意味でもISS を「探査」の第一歩として使うべきと述べまた、探査はまず無人で進めるべきとした。
会議の所感については
抽出された「探査」のテーマ・目的としては、科学意義は当然ながら、経済面(商業性)、セキュリティ・国際協調が上位に挙げられ、米国と我が国における認識の差異を認識された。
とあるけれど、日本語になってない。「認識された」の主語は誰やねん。
5.今後の予定
NASA の提唱する統合探査戦略は、12 月 Houston での第2 回ワークショップにて提示される予定であるが、実際にはより手前で草案がまとめられ、各国に提示されることになる模様。なお、今年については、NASA がリードして国際協力を定義・構築する形になるものと思われる。
これは大変。大きな話が進みつつある。日本のマスコミとか松浦さんとか、もっと食らいついてほしい。

次のシャトル打ち上げは7月

個人的にとても忙しくなってしまったというのもあるけれど、STS-114の成功以来、気が抜けてしまって、シャトルの情報をフォローする気になかなかなれない。昨年7月、フロリダのホテルの部屋のテレビでウェイン・ヘールの記者会見を生々しく見てしまったから、というのもあるかもしれない。シャトルがなんか遠い憧れの存在ではなくて、自分も一緒に乗り込んでミッションの一部始終を体験したかのような気分になってしまった。一種の燃えつき症候群?

CNN.co.jp: シャトル打ち上げ7月に、問題点排除とNASA �

ディスカバリー号の次の打ち上げは7月1日から19日の予定。あのSTS-114からなんだかんだいってもう1年も経ってしまった。

9.11以来、アメリカは変わってしまったね...

「はやぶさ」がサイエンス誌の特集に

SpaceFighter Now経由:

チェコの空:「はやぶさ」サイエンス三昧

はやぶさが撮ったイトカワの写真がアメリカの科学誌「サイエンス」の表紙を飾っている。すごい! おめでとうございます。日本人が筆頭になるScience論文が同時に7本も出版されたとのことで、まさしく快挙ですね。小惑星探査におけるこの優位をぜひ保ってください。日本は資源小国なので、国家戦略としても重要な意義がある。

JAXAの広報の巧拙について早速誤った認識が広まりかけているようですが、「サイエンス誌の縛り」というのは、はやぶさの研究者チームが論文の投稿先をサイエンス誌にすることに決定した時点で発生したものであり、それ以前の縛りははやぶさの研究者チーム自身が自らに課していたもののはずです。間違っていたらどなたかご指摘ください。

これは紫綬褒章ものですね。しかるべきスジの人、ご検討ください。

zeitgeist

MyBlogList

無料ブログはココログ