「ダ・ヴィンチ・コード」は原作も映画もまだ見てないけど、最近、あちこちでダ・ヴィンチ・コードに関連する番組を見かけるようになった。「シオンの議定書」という、ある限定された目的のために捏造された一つの文書が、いかにして20世紀初頭の国際政治を狂わせていったかという番組を見て、人間の精神の限界について暗澹たる気分になっていた時、このサイトを「水からの伝言 授業」という検索ワードで訪れた方がいらっしゃった。ふと興味が湧いて、隣にどんなサイトが並んでいるかを見に行ってみた。
波動注意報
教育者よ おのれの眼を磨くべし!!
などなど。なるほど、地道に活動を続けておられるかたがいらっしゃるようだ。
そこからリンクされていたある先生の日記のページを見て、「とほほ」とばかりに脱力した。
今日は授業参観&懇談会。
毎度のことながら、コレはキツイですね。
「見られている」というのはプレッシャーです。
この書き出しの調子からしてすでに「おいおい」と頭を抱えたくなるが、問題なのはここ。
題材はよくインターネットでも出ている「水からの伝言」。
水道水を同じように凍らせますが、ビーカーの下に「ありがとう」と「ばかやろう」と書いた紙をそれぞれ置いておきます。
.....
写真は勝手ながらインターネット内を検索して出し、それを印刷して使いました。
子どもたちに写真を見せるだけで大騒ぎ。
何で言葉だけでこんなに変わるの!?と言う不思議さから食い入るように写真を見ていました。
最後には、いい言葉を使いたい、というタイプの子から、家でも氷を作って実験してみたい!という理科系好きな子もいましたね。
今日の授業ですこ〜しでも、心に残る部分があればいいなと思っています
教師たるもの、「
学校における教育活動と著作権」という文化庁がまとめた資料くらいは目を通しておいてほしいものだ、なんていう小言も言ってみつつ、しかし本題、問題の本丸は、「なんで自分の頭でものごとの妥当性を考えない人物が教員採用試験で受かるの?」という基本的な疑問。
それよりも問題かもしれないのは、波動注意報のこのページの情報によると、文部科学省の資源調査分科会水資源委員会の第1回議事録(平成14年6月5日)で、ある委員の発言として
たまたま子ども向けの本で「水からのメッセージ」というとてもきれいな本があります。...(中略)... 汚いところのは崩れていたり、それを見ると本当に水という基本的なことから、こんなに同じ水でも違うことが子ども心にもはっきりわかる、とてもいい本だと思っています。
という記録がある。
委員の名前が記録されていないので、誰の発言かわからないけれど、このリストの中の誰かだ。いずれも高名な先生方ばかりなので、上記の発言が出てくること自体が信じられないのだけれど、消去法で考えれば、この人かあの人あたりか。文部科学省の活動としてこういうことが起きること自体に問題の根深さを感じる。科学技術・学術政策局政策課資源室に委員選定の経緯を問い合わせてみるのがいいのかも。サイエンスウォーカーなんて雑誌を作る資源があるなら、委員の先生方の科学リテラシーを調べる手続きをしてもいいんじゃん?
「日本の恥」というページはかなり効果があったようで、TOSSという団体のページから関連情報が続々と消えているらしい。ぐっじょぶ!
このページによると「3年前に「水からの伝言」を教材として扱わないという基本方針が出されました。」という関係者からのメールがあって、この問題は収束に向かいつつある、のかな? なんとなく「クサイものに蓋」という言葉が心に浮かぶけど...
管理人はTOSSという団体の存在を知らなかったのだけど、調べてみるとここがサイトの運営をやっているようです。なるほどねぇ、こういうラインか。
[追記] Wikipediaに「水からの伝言」と「向山洋一」氏のエントリが立ってる。
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