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2006.02.25

JAXAの次世代宇宙服アイデア募集

以前、ニュースで取り上げられたJAXAの次世代宇宙服開発に関してJAXAがアイデアを募集するとのこと。Space Fighter Now経由。

JAXA: 次世代先端宇宙服研究・開発に係るアイディア募集

アイディア応募(提案)条件を読んでみると、「アイディアを提案される方は法人、研究機関、教育機関等の組織に所属されている方に限定」とか「提案者は、当機構による前記利用又は公開に対して、著作者人格権及び著作権を行使しないもの」とか「提案者が提示した内容に基づいて当機構が新たに知的財産価値のある創造物を独自に創出した場合、機構は当該創造物に関する全ての権利を保有するもの」とか、なかなか厳しいものがあるなぁ。どんな人がこれに応募するメリットがあるのだろう、と、アイデア提案フォームをよく読んでみると、

問4 宇宙服に利用可能な、又は利用できるかもしれないと思われる特許その他の、技術に関する知的所有権をお持ちでしょうか。(必須)
[ ] 所有している [ ] 所有していない
という欄があって、ああなるほど、と思った。応募したいと考えるのはJAXAとこれから取引をしたいと思っている民間会社の人、かな。

有人宇宙技術部長の柳川孝二氏がいうところの「オールジャパンの技術力を結集し」って、つまりこういうことなんですね。

消防庁とか防災研とか海洋研究開発機構とか地下工事を請け負う大手ゼネコンとかともっと長い目でブレストしてコラボすれば、日本の技術力の底上げとマーケット拡大につながるのに。残念。

2006.02.24

そういえば...

いわれてみればたしかに去年の秋くらいから、こんなところとかあんなところからのアクセスが途絶えている。

しかしそれにしてもこの記事の最後の文章、まぢですか!

2006.02.22

CBSドキュメント

今週末のCBSドキュメントでは、アームストロング船長の回想がとりあげられるらしい。

2/25 (土) 1:55~2:50
TBSテレビ
アポロ11号船長の回想▽金利400%ローンのからくり▽天才QB トム・ブレイディー

緊急脱出装置

松浦さんが内之浦から「カブのように、セブンのように」という記事をエントリされている。

雑誌「サイエンスウェブ」3月号に、日本独自の有人宇宙構想についての記事が掲載されたとのことで、開発凍結になった無人ミニシャトル「HOPE」とほぼ同型の5人乗りミニシャトルに関する構想らしい。

この構想に対する松浦さんの感想にはおおむね同意だけど、細かいつっこみを一つ。

 対して、ソ連/ロシアの「ソユーズ」宇宙船は、打ち上げのどの時間帯でも緊急脱出手段が存在する。緊急脱出用ロケットモーターが、人が乗るカプセル部分のみをロケットから分離できるのだ。射点上でロケットが火災を起こして、カプセルが緊急分離し、宇宙飛行士が生還できたこともあっった。
 有人宇宙輸送システムとしては、打ち上げのどの段階でトラブルが起きても「とりあえず死なない。ケガは負っても生還できる」というシステムは必須だろう。
アメリカの場合、マーキュリー計画とアポロ計画には緊急脱出用ロケットがあって、ジェミニとスペースシャトルにはない。この点でマーキュリーとアポロは人命を尊重しているように思っていたけれど、じつはそれほどでもないらしい。

今月はじめ、ディスカバリーチャンネルが「アポロ11号月面着陸の秘話」という番組を放映した。人類初の月着陸となったアポロ11号の打ち上げ直前、じつは液体水素を補給するバルブから燃料漏れを起こしていて、技術者が悪戦苦闘していた、とか、月着陸船パイロットのオルドリンとかフライトディレクターのジーンクランツのインタビューがあったり、当時の模様をリアルタイムに見ていた世代にしてみると垂涎もののウラ話集。宇宙飛行士選抜を体験した身として当時を振り返りながら見てみると、いろいろとじっくり考えさせられる場面があった。クルーは燃料漏れの問題を知らされなかったらしい。へぇ。

その中にこんな話がある。宇宙飛行士たちは何が起きても緊急脱出システムが作動するので安全だと考えていた。オルドリン自身が「生還の可能性は99%と考えていた」と番組のインタビューで答えている。ところがミッションの1年前、1968年7月に作成されNASAの少数の幹部のみが閲覧した極秘文書 NASA-CR-95441 "BREAKUP PROBLEMS"では「脱出は不可能」と記されているとのこと。画面にチラッと映った文書からは

... Saturn V engine shutdown sequence during any high-G
...ch vehicle breakup (and probably explosion)
...al compression loads which tend to offset the
という文字列が読み取れる。アポロ11号のシニアサイエンティストDavid Baker博士は番組のインタビューに対して以下のように答えている。
訓練期間にクルーが教わった脱出方法はすべて虚偽だったのです。打ち上げ後2分半以内に事故が起こった場合、脱出は不可能でした。飛行を中止するシステムが危険を感知して脱出カプセルが発射されるまで2秒かかります。第1段階でエンジンの1機が故障した場合、0.5秒で宇宙船は爆発します。つまりクルーが脱出する時間はなく、一瞬にして炎に包まれるのです。
なんとも映画「カプリコン1」を地でいくような恐るべき極秘情報が公開されたものだ。

では、アポロ計画の緊急脱出装置は無用の長物だったのか? 管理人は個人的にはそうは思わない。たしかに宇宙船が一瞬の間に炎に包まれるのは事実かもしれない。しかしアポロ司令船の底部には、帰還時の大気圏再突入に備えて耐熱パネルが装備されている。爆発の際の巨大なGに耐えることができて、宇宙船をパラシュートが安全に作動する高度まで運んでくれる緊急脱出用ロケットが作動すれば、生還の確率はかなり高くなる。

チャレンジャー号の事故の際、外部燃料タンクの爆発で機体はこなごなになったが、コックピットは比較的原型をとどめたまま、約2分後に海面に激突した。宇宙飛行士の何人かは爆発の衝撃のあともしばらくは意識があったと見られている。

コロンビア号の空中分解の際も宇宙飛行士たちは自分たちがどのような状況に置かれているか、分解の瞬間からしばらくの間、意識があったと考えることができる。宇宙飛行士はチャレンジャー号の事故の教訓から、コックピットからパラシュートを使っての緊急脱出の訓練も受けてはいるが、コックピットがもし急速に回転していたりすると、Gを受けるので脱出行動は困難だったかもしれない。しかし地上に降り注いだ破片の損傷状況から考えれば、コロンビア号の教訓であの状況から生還するための手段を講じることは不可能ではないと思える。

宇宙飛行士とはどのような状況に置かれても最後の瞬間まで生還の努力を怠らない人種だ。逆にいえば、生還の努力ができない人間には宇宙を目指してほしくない。少なくとも現時点では。有人宇宙飛行は、飛行機の歴史にたとえればまだ1920年代から1930年代のように思える。サンテグジュペリの「夜間飛行」の時代。

緊急脱出用ロケットだけが生還の手段ではない、と、管理人は考える。チャレンジャーとコロンビアの事故から技術者はいろいろなことを学んでほしい。技術者と宇宙飛行士の間に信頼関係があれば、システムはよりシンプルで堅牢性の高い設計ができる。既成概念にとらわれることなく、机の上に縛り付けられることなく。命を賭けた人間との対話をしてほしい。

F1レーサーの事故からの生還率は劇的に改善している。

2006.02.21

フォーブスの勇み足?

kikulog経由

田崎晴明(学習院大理): 「フォーブス日本版」の記事について

「どうも、見出しをつけるシステムにも問題があるようです。」という言葉に同感。記者さんはこのケースに関して言えば、板ばさみ、かな? 編集者はだれ?

2006.02.20

アトランティス号が2008年に退役

Space Fighter Now経由

Spacetoday.net: Atlantis first shuttle to be retired
Florida Today: Atlantis' days numbered

現存する3機のスペースシャトルのうち、一番二番目に古いアトランティス号を2008年に退役させ、部品を残り2機のディスカバリー、エンデバーの補修に用いるとのこと。

アトランティスは主に軍用ミッションに使われていたから、もうシャトルでの軍用ミッションはないってことですね。

アメリカの巨大な軍産複合体は次にどこに活路を見出すのか... NASAの舵取りは...?

Florida Today: Griffin defends science budget

ISS完成のために科学ミッションの予算を削るとグリフィン長官が述べたのは、一種の人質策みたいな感じですね。

2006.02.18

JAXAのWebサイト

覚え書き@kazuhi.to: JAXAのWebサイトリニューアルが公開調達に

さすがkazuさん、どんな事態が発生するか、読み切ってますねぇ...

でもNASAだってJSCとかJPLとかKSCとか、細かく読み込んでいくと「統一ブランディング」って意外にあやしいですよ。

いっそのことWikiで提案...(嘘

2006.02.13

野口聡一・立花隆 新春特別対談

東大の全学自由研究ゼミナール『先端研究現場へ行こう』のサイト「サイ」に野口宇宙飛行士と立花隆氏の新春特別対談が載っている。

SCI(サイ):宇宙から帰還して思うさまざま

のぐっちゃん、なかなか名言を残している...

ヤンキース松井選手が大リーグで活躍することで日本人に大きなカタルシスがあるように、日本人が宇宙で活躍することによるカタルシスもあるはずですから。
なにしろ自分が生まれて以来見てきたすべての人々、すべての生命、すべての景色、すべての出来事は、目の前にある旧態(球体?)で起きたことなのですから。地球と一対一で対峙しながら考えたことは、見渡す限りの星空の中で生命の輝きと実感に満ちたこの星は地球しかないということでした。それは知識ではなく実感です。天啓と呼んでもいいかも知れない。それが私にとっての人生観の変化と言えるものかも知れません。
こんなこともしゃべってる。へぇ...
はい。チャレンジャー事故とコロンビア爆発の間には一七年の時が流れているんですが、あのレポートを見ると、そのまま組織としての判断が硬直化したままのような印象でした。
ところでこのサイト、なんかWikiを使ってるっぽい。参考にしよう...

2006.02.10

Deutschgate?

NASAがゆれているようだ。第一報はSpacefighter Now経由で朝日新聞の記事。記事によれば、ゴダード宇宙研究所のジェームズ・ハンセン博士が地球温暖化の研究成果の発表に関して当局から圧力を受けているとNew York Timesに述べたとのこと。

ヒューストンクロニクルの記事によると、この事件は複雑な展開を見せている。

Huston Chronicle: NASA pledges 'open and full communications'

この言論抑圧?騒ぎの渦中でGeorge Deutsch氏が火曜日、辞任したとのこと。記事によればDeutsch氏はインテリジェントデザイン論者らしい。ビッグバン宇宙論を「一つの仮説に過ぎない」と述べるような人物で、テキサスA&M大学の学歴を詐称したという問題がとあるブログで告発されたらしい。この人物は2004年のブッシュ大統領の再選の際に自らの学歴を詐称したとのこと。

全体像が見えないけれど、Deutsch氏がcensorshipの中心人物なのか? "Deutschgate "なんて名前までついてる... もう少し調べてみないとなにがどうなってるのかよくわからない...

[追記 2/13]

FloridaTodayに続報。

FloridaToday: NASA denies censoring environmental scientist for stand

ジェームズ・ハンセン博士というのはNASAゴダード宇宙研究所の所長らしい。博士によるとNASAの広報担当でpolitical appointee(政治的任命?)のGeorge Deutsch氏が他の職員に対して、博士がインタビューを受けるのを妨げるよう命令したという。博士は温暖化ガスの過剰が地球の温暖化を招いていると強く主張しており、ホワイトハウスとは異なる立場をとっている。

The Bush administration has been a target of criticism in the past for naming under-qualified people to high-level positions and for trying to suppress dissenting views.
「ブッシュ政権は資質に欠ける人物をハイレベルの職に就かせて政権と異なる意見を抑圧することで以前から批判の的となっている。」ということらしい。

インテリジェントデザイン論とは、生物の進化や宇宙の成り立ちに「知性」による摂理があると信じることで進化論やビッグバン宇宙論に異議を唱える立場の概念。月に人間を送り込み、太陽系の果てまで探査機を飛ばす実力のあるNASAの広報にインテリジェントデザイン論者が居座ってブッシュ政権の意志をNASAに押し付けていたとはなんとも歴史の皮肉。日本語のWikipediaはこちら

2006.02.08

NASAのシャトル予算

しばらく宇宙関連ニュースから離れていたけれど、ひさしぶりにFlorida Todayを見にいったら、NASAの予算の記事。

FloridaToday: NASA must shift $3B to shuttles

NASAのマイク・グリフィン長官が国際宇宙ステーションを完成させ、ハッブル宇宙望遠鏡を修理するために必要となるスペースシャトルの残り1617回のフライトを遂行するためには科学ミッションや次期有人宇宙飛行計画(CEV)の予算からシャトルに予算を振り向けることが不可避だと述べたという。昨年、CEVの予算を「10セントたりとも」削減しない、と述べたのは、議会向けのメッセージだったのか。FloridaTodayによればシャトルに振り向けられる予算は30億ドル(約3500億円)の見込み。

"Yep. I wish we had not had to do it, but that's what we had to do," Griffin said.

だそうで。

また、CEVによる有人飛行を「2010年から2014年に行うことをまだ計画している(NASA still plans to fly people...)」とのこと。つまり、シャトルに予算を振り向けて、予算がないことを理由にCEVの有人初飛行が2014年以降になるというオプションを認めたということだ。

いいかえれば、ISSをなにがなんでも「完成」させる、という、NASAの国際協定遵守の姿勢をグリフィン長官自身が色濃くにじませたことが行間から読み取れる。これは新しい変化だ。

科学探査から20億ドル、CEVから15億ドルを削減。JPLの人々がだまっちゃいないだろうな...

あと16回のミッションか... 年3回のフライトとして5年。年2回なら8年。全て7人乗せたとしてのべ112人。ルーキーのための切符は多くてものべ20人くらいか。日本はあと3人。切符争奪戦が厳しくなりそう。がんばって全員無事に飛ばせてね>JAXA

[2/9 追記]

産経新聞によると、NASAはスペースシャトルを2010年の退役までに計18回打ち上げて、「きぼう」を含めてISSを予定通り完成を目指すと文科省に連絡してきたとのこと。

産経新聞:宇宙ステーション予定通り建設 計18回で、NASAが連絡

文科省によるとNASAの2007年度のISS関連予算は前年度比3.3%増の約18億1000万ドルという。

記事にあるように、NASAが従来日本に伝えてきていたISS計画縮小の見直し案を覆した形。これはグリフィン長官の就任時の意向と異なるので、ちょっと意外な気もするけれど、NASAは「外圧」を予算獲得にうまく利用したということなのかな...?

Nikkei Net: 米シャトル後継機、2010年にも完成目指す・NASA長官

グリフィン長官の同じ記者会見がベースだと思うけれど、こちらはCEVの完成目標を2010年に前倒ししたことにスポットをあてている。でも「目指す」というのは長官が就任直後から言ってることだしね。問題は「still plans to」という表現から何を読み取るかだと思う。「still」のニュアンスがくせもの。どういう文脈でこの回答がでてきたのか。

[追記2/18]

惑星協会が議会に対して「Statement of The Planetary Society to the U.S. House of Representatives Committee on Science」というステートメントを出してる。

2006.02.06

はやぶさ翻訳

Rogue Engineerさんが「小惑星探査機「はやぶさ」関連情報の翻訳 ― その1: 11月26日「イトカワ」への着陸」で「小惑星探査機「はやぶさ」にまつわる情報の英語への翻訳に関する顛末」をまとめておられる。管理人も彼の翻訳作業にはすごく助けられたし、あのとき感じた独特の興奮や義務感や困難やプレッシャーを共有できるのは、同じ時期に翻訳を試みた人間ならでは、という気がする。なので、管理人の視点からもあの頃のことをすこし振り返っておきたい。

以前にも書いたけれど、はやぶさミッションに海外からの注目が集まっていることに管理人が気付いたのは、昨年11月12日のはやぶさのリハーサル降下で「ミネルバ着地せず」という記事を書いたときだった。アクセスログを見ていると、海外の宇宙関連の掲示板でGoogleやBabelfishの機械翻訳を介してこのブログにリンクを張って、はやぶさの最新情報を得ようとしているのが手に取るようにわかった。アメリカやヨーロッパはもとより、北京、ペルー、セントペテルスブルグなど、予想もしてなかった国や地域からのアクセスが相次いでいた。そのなかでも特に高度な情報が集まりつつあったのがUnmanned Spaceflight.comのこのスレッド。Babelfishが「ミネルバ着地せず」を「Minerva it does not land」と翻訳して、やっと事態を把握している様子が見て取れた。と同時に機械翻訳の限界で詳細がつかめずにフラストレーションをためている様子もわかった。

で、最初のタッチダウンとなった11月20日。日曜日だったので、ベッドの中でノートパソコンをひろげて「そろそろタッチダウンかな」とのんびりした気分で情報収集を始めた。寺薗さんがISAS公式ブログで「何らかの理由により上昇に転じた模様」という一報を出した後、続報がなかなか出ず、混乱している様子が見て取れた。「JAXAは英語でも情報発信すればいいのに」とじれったくなったけれど、舞台裏のマンパワーの少なさも想像がついたので、松浦さんのブログでISASが9時から記者会見を開く、という記事を見た瞬間、「松浦さんが記者会見の模様を中継してくれる。これを翻訳できるのはボランティアしかいない!」ということに思いいたった。

10時半ごろの的川先生のコメントを松浦さんがアップしたのを待って、それまでの経過とともに最初の記事を11時50分ごろ、アップ。その後、松浦さんのブログの更新を追いかける形で昼食もそこそこに夕方まで更新を続けた。

効果はすぐに現れた。13時台には世界中から550ページビュー。絶対数は多くないが、地図上の分布がミネルバのときよりも確実に増えている。英語からさらにいろんな言葉に翻訳されて世界に伝わっていく様子も見えた。ロシア語、フランス語、スペイン語、イタリア語、フィンランド語、など。ISASの記者会見で的川先生や川口プロマネの一言一句が世界中の天文・宇宙ニュースサイトにその日のうちに掲載されるなんて、前代未聞? 翻訳作業の責任重大さに思わず身震いした。

問題はその後だった。世界からリンクされたのはいいけれど、平日は仕事があるので翻訳ができない。2回目のタッチダウンではやぶさがまた世界から注目を集めるのはあきらか。のりかかった船からは下りられない。どうしよう。

案ずるより産むが易し。松浦さんのブログをたどって、他にも海外の掲示板に情報を提供する日本人が現れた。naoさんやzundaさんやRogue Engineerさんも松浦さんのブログのコメント欄で翻訳作業を始められた。

2回目のタッチダウンとなった11月26日。朝から松浦さんのブログの翻訳作業を始めたものの、この日は昼から出かけなければならなかった。帰宅してから松浦さんの記者会見の記事を見ると、Rogue Engineerさんがすでに川口プロマネの解説の部分を翻訳しておられたので、残りを翻訳してアップして、就寝。翻訳作業をしてくれる人が他にも現れたことで、ずいぶん安心できた。

12月14日のJAXA/ISASの記者会見では三島さんが用意された翻訳用Wikiが活躍した。ネット上にボランティアが分散している場合、Wikiで下書きを集めてまとめていくというのは、共同作業に向いている、と、その着眼点に感心した。

微妙なニュアンスが含まれる一問一答をリアルタイムで翻訳するのは緊張する作業だった。しかしもとをたどれば、JAXA/ISASが世界で初めてのことに挑戦したからこそ、ここまで世界から注目を浴びたのであって、はやぶさチームの苦労に比べたら、管理人の数週間の緊張など取るに足りない。

世界で初めてのことに挑戦する気持ちを忘れないでほしい。その気持ちが真摯であれば、応援してくれる人は、必ず現れる。

2006.02.03

宇宙関連TV番組情報 2006.2

ディスカバリーチャンネルで放送された復活へのカウントダウンを見てみた。STS-114のいいサマリーになっている。おそらくこの手のSTS-114を扱った番組の中ではベストのできばえだろう。これまでの放映では見たことがなかった貴重な映像が満載だ。ディスカバリーがジャンボジェットの背中に乗ってケネディ宇宙センターに帰還するところとか。のぐっちゃんのご家族も写ってた。

宇宙ステーションの下方180メートルでディスカバリー号が360度の宙返りをするシーンは、何度見ても惚れ惚れする。コリンズ船長の完璧な操縦を見ると背中に思わず鳥肌が立つ。

打ち上げの瞬間は歌舞伎町にいたのでよく聞き取れなかったけど、タワーをクリアした直後に流れる、ミッションの性格をあらわす一言を初めてしみじみと聞き取ってみた。

... and lift off! of Space Shuttle Discovery,
beginning Ameriaca's new journey
to the Moon, Mars and beyond!

ううむ。こんなことをしゃべってたのか。STS-114のミッションをぜんぜん反映してないじゃないか。なんて政治的なメッセージなんだ。

ところで操縦といえば、宇宙ステーションへのドッキングをシミュレーションする簡単なパソコンゲームがJAXAiにある。

docksim

上下左右と前後の6方向の姿勢制御ロケットを噴射してシャトルを宇宙ステーションに制限時間内に燃料をなるべく消費しないようにしてドッキングさせるゲーム。ソフトウェアとしてはとくに凝ったところもなく他愛のないつくりだが、やってみるとこれが意外にリアリティがある。なかなかよくできている。

ところで受験仲間のMさんからのいつものテレビ番組情報。

*****

2/ 2 木 26:01~29:00 NHK教育 宇宙から見た地球/地球ウォッチ
宇宙へ挑戦/太陽系グランドツアー
星空紀行/人類月に立つ・アポロ計画
宇宙関係の古い映像を解説無しで流す番組です。
録画しておくとBGVにいいかもしれません。

2/ 3 金 22:25~22:50 NHK教育 ビジネス未来人 北の町工場 宇宙を目指す
http://www.nhk.or.jp/miraijin/

2/15 水 9:30~11:00 NHK BSハイビジョン ETV特集 集中アンコール
新・科楽教育のススメ
出演 毛利衛 江崎玲於奈
http://www.nhk.or.jp/bs/navi/hobby_fw.html
2005年4月9日にNHK教育テレビで放送された番組の再放送です。

2/22 水 19:00~19:45 NHK教育 地球ドラマチック 激突!いん石の落下について
http://www.nhk.or.jp/dramatic/
海外のドキュメンタリー番組です。

2/24 金 25:55~26:50 TBS CBSドキュメント
アームストロング船長が語る月面着陸 ほか

以下はケーブルテレビやスカパーで見られるチャンネルの番組です。

ディスカバリーチャンネル
2/ 1 水 21:00~23:00 321ch スペースシャトルDAY
http://japan.discovery.com/specialpg/speintro.php?id=20
野口さんのインタビューも流れるそうです。

2/ 3 金 22:00~23:00 321ch 次世代のテクノロジー 4
http://japan.discovery.com/episode/epiintro.php?id1=850687&id2=000000
火星探査用の宇宙服 ほか。

ファミリー劇場
2/13 月 7:30~ 8:00 361ch まんてん(新)
http://www.fami-geki.com/recommendnext/index.html
NHKで放送された、女性主人公が宇宙飛行士を目指すドラマ。毛利さんも出演
されましたね。月曜から土曜まで毎日放送、再放送は土曜16:00~18:00。

*****

Mさんいつもありがとう。

zeitgeist

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