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2005.12.23

暗黒物質の塊

世の中、こういう新しい発見があるから、生きていくのって楽しくなるんだよねぇ。

すばる望遠鏡: 暗黒物質の巣で育つ銀河の雛たち

夜空を見上げると見える無数の星たち。しかし「無数」とはいっても人間の目で見える星の数は全天でたかだか6千個程度にすぎない。ガリレオは当時最先端の科学機器だった望遠鏡で人類初の天体観測を行って、天の川がもっと暗くてたくさんある星の集まりであることを見つけた。しかしそれらの星の集まりもたかだか数光年から10万光年。天の川もまた、それこそ無数にある銀河系の一つにすぎない。

その無数の銀河系たちは、ミカンを入れるネットが幾重にも重なっているような網の目の構造となって宇宙空間を覆い尽くしている。

一方、宇宙には天体望遠鏡とか電波望遠鏡とかX線望遠鏡とかでは観測できない「正体の分からない物質」があることが、銀河系の中の星の回転速度や、銀河系の群れの中で銀河が動いている速度の観測などからわかっていた。光らない物質なので「ダークマター」と名付けられているが、望遠鏡などで観測できる物質(恒星など)の10倍以上もある。いいかえれば、人類は宇宙に普遍的に存在している物質のうちの10分の1以下しかまだ観測することができない。

そのダークマターが宇宙全体の中でどのような分布をしているのかに手がかりを与えてくれるのが今回のすばる望遠鏡の最新成果。図3を見ると、任意の二つの銀河系の間の距離を測った時にその分布の度合いが80万光年を境にくっきりと異なっているのが見て取れる。つまりこの観測からは暗黒物質の塊のサイズを特徴づける数値として「80万光年」という答えがあらわれるようななんらかの物理的過程が存在することになる。

ところでこの図で使われている「2つの銀河間の距離」の分布を示す「相関関数」はアメリカの天文学者ピーブルスが1969年に考案したということになっているが、神戸大学の松田卓也先生によれば、木原、東辻、三好らによる銀河分布の相関に関する研究のほうが先駆的なものらしい。

今回のすばる望遠鏡の成果が世界的にどのように受け止められるのか(というか、この分野ですでに長年その傾向が見えていたものを裏打ちしたものなのかどうか)門外漢である管理人にはわからないのですが、関係者の皆さん頑張ってください。

日本の科学史を英語でまとめる科学史家が必要、ということなのかな。それにしてもすばる望遠鏡はすごい。

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