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2005.12.31

2005年の宇宙ニュース

今年は日本の宇宙開発関係者にとって明るいニュースが続いた一年といってもいいでしょうね。NASAの探査機も頑張ったしSTS-114も無事終わったし。野口さんが紅白にでてる...

NASA/JPLが「The Year in Images: JPL 2005」をFlashで提供しているのを見ると、人類は太陽系に進出したなぁとしみじみした気分になる。ミネルバのイトカワ表面からの画像が見たかった...

今年はSTS-114が終了した8月以降、宇宙ニュースをちゃんと追いかけていなかったので偏りがありますが、5thstar管理人的独断と偏見の十大ニュース。

■野口宇宙飛行士、宇宙へ
7月26日、野口宇宙飛行士がディスカバリー号のSTS-114ミッションに搭乗、2週間の宇宙滞在で3回の船外活動。7名が失われたコロンビア号の事故から2年半ぶりにスペースシャトルが宇宙に戻ってきた。しかし打ち上げ時に外部燃料タンクの断熱材の破片が機体をかすめ、NASAは9月に予定していた次のアトランティス号の打ち上げの延期を決めた。

■はやぶさ、タッチダウン
JAXA/ISASの小惑星探査機「はやぶさ」が9月に小惑星イトカワ近傍に到着、11月に数回の降下を行った。11月20日には30分ほどイトカワ表面に着地、月以外の天体から離陸した初めての探査機となった。26日には2回目のタッチダウン。はやぶさはその後、スラスターが不調となり、姿勢制御を失って通信が途絶した状態が続いている。サンプルを地球に帰還させるためには2007年春までに通信を回復し、探査機の状態を復旧させる必要があるが、通信回復の見込みは70%とのこと。大きな岩がごろごろと転がっているイトカワ表面の様子は予想外で小惑星の起源と進化の謎の解明が大きく進展すると期待される。NASAの「Astronomy Picture of the Day」にも選ばれた。小惑星とランデブー、タッチダウンを繰り返す人類初めての試みは世界中の宇宙愛好家からも注目を集め、松浦晋也氏のブログに掲載された準リアルタイムの記者会見の模様ボランティア達による翻訳世界からリンクされた。

■ホイヘンス、土星の衛星タイタンに着陸
NASAの土星探査機カッシーニから分離したESAの小型探査機ホイヘンスが1月14日、土星の衛星タイタンに着陸した。人工の探査機が到達した天体としては月,火星,金星,木星,小惑星エロスについで6番目。メタンの川や湖など、地球と似たような地形の画像を送ってきた。

■ディープインパクトの衝突体がテンペル第1彗星に命中
7月4日、NASAの探査機ディープインパクトの銅製の衝突体がテンペル第1彗星に命中した。

■ひまわり6号打ち上げ成功
ひまわり5号が気象衛星としての運用寿命が尽きて、アメリカの気象衛星に頼る状態が続いていた日本の気象衛星としてひまわり6号が2月26日、H-IIAロケットで無事に打ち上げられた。ひまわり6号は太平洋上の航空機の航空管制を行う運輸多目的衛星としての機能も担っている。

■X線天文衛星「すざく」打ち上げ成功
JAXA/ISASのX線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)が7月10日、M-V型ロケットで打ち上げに成功した。2000年2月に打ち上げに失敗したASTRO-Eの後継機。衛星は順調に飛行し、観測機器も正常に稼働していたが、目玉の観測機器の一つだったXRSを冷却する液体ヘリウムが散逸し、8月8日に観測不能になった。XRS以外の機器は順調。

■神舟6号打ち上げ成功
10月12日、中国は二人乗りの宇宙船、神舟6号の打ち上げに成功した。17日に115時間半の飛行を終え、帰還。

■Cosmos One打ち上げ
惑星協会のソーラーセイル衛星 Cosmos One が6月21日、ロシアの潜水艦から打ち上げられたが、3分後に消息を絶った。打ち上げに使用したVolnaロケットの1段目のターボポンプが不調になり、予定より早く燃焼が終わったのが原因。

■CAMUIロケット、宇宙へ
北海道大学の永田晴紀助教授が中心となって開発しているCAMUIロケットは順調に燃焼試験を続けているが、米国Rocketplane社がRocketplaneの上段にCAMUIロケットを搭載して小型衛星打上げビジネスに参入する計画とのこと。民間主導の宇宙開発の動きが慌ただしくなってきた。

■ディスカバリー号打ち上げ延期
世の中的には大きなニュースではないけれど、5thstar的には重大問題だったのが、7月13日(米東部夏時間)に予定されていたディスカバリー号の打ち上げ延期。外部燃料タンクの残量センサーのトラブルで打ち上げ2時間前に延期が決まった。のぐっちゃんの打ち上げを見ようとフロリダに集結した5thstarメンバーは涙をのんで帰国することに。

スペースシャトルの飛行回数削減が取りざたされて、国際宇宙ステーションが今後どうなっていくのか、予断をまったく許さない状況ですが、振り返ってみれば今年は明るいニュースが多いですね。来年もよろしくお願いします。

2005.12.27

はやぶさとF1

世界三大スポーツイベントといえば、オリンピック、FIFAワールドカップ、そしてF1レース、といわれるらしい。

管理人自身はF1レースのファンというわけではないのだけれど、自動車レースを文化の域にまで高めてしまう欧米、特にヨーロッパ各国のサポーター達の懐の深さにはなんとなくうらやましいものを感じてしまう。

F1レースは何を目的として開催されているのだろう。F1レースを応援する人々はF1のどんな側面を支持しているのだろう。レーサーの華麗なるドライビングテクニック? ピットクルーの一糸乱れぬチームワーク? メカニックの求道的で職人的なマシンチューニング? ワークスチームが開発する夢のような究極のモンスターマシン? あるいはそれら全ての要素がコース上で絡み合って人間の闘争本能をかき立てるレース展開?

それらの楽しみ方のどれもがきっと正解なのだろう。F1とは奥の深いスポーツであるらしい。

日経新聞の清水正巳編集委員が「研究の失敗に寛容な風土はできるか」と題した、はやぶさの評価に関する論評記事を公開し、いくつかのブログでさまざまな反応が見られた。その中でも松浦晋也氏のブログ記事がISASサポーターの視点を代表するものとしてよくまとまっていると思える。

清水氏はまず

日本の小惑星探査機「はやぶさ」による小惑星イトカワの探査ほど、成功したのか、失敗したのか分からないプロジェクトはない。
と記事を切り出す。この文章が記事全体のトーンを決めてしまっているともいえるが、自身の言葉で科学技術を
科学技術の研究開発には新発見やイノベーションにつながる発明、そして一つ一つの技術を組み合わせ、全体システムをつくりあげるような技術開発プロジェクトがある。前者は未知の世界の挑戦という性格があり、失敗なしに成果を挙げるのは至難の技である。一方、後者は着実にシステムをつくることが前提であり、出来上がったシステムが動かなかったり、目標を達成できなかったりすれば失敗であり、無駄な研究開発ということにもなる。
と定義し、はやぶさについては
つまり、前者では失敗は許容され、後者では失敗は許されないということになる。はやぶさは後者になるが、
と断じている。この認識がそもそも事実誤認だというのが松浦氏の認識であり、管理人も同意する。

それ以外にも両者の主張には根本的な認識のずれが見られる。この議論を見ていて、「F1レースの価値を理解しようとしていない人にF1の何がすごいのかを説明しようとしているサポーター」という図式を思い浮かべてしまった。そもそもF1レースに参戦する価値があるのかないのかという段階で議論がすれ違ってしまっているのではないのか。

JAXAの「今日のはやぶさ」のページにも掲載されている500点満点ミッション達成度自己採点表が、はやぶさミッションの意義を理解しようとしない人に対して誤解のきっかけもしくは批判の手がかりを与えてしまっている、ということに、この表を作った人は気づいているのだろうか? また、はやぶさが工学試験衛星であることが社会の中にどのように受け止められているのかを気づいているのだろうか?

F1にも宇宙開発にも詳しくない管理人が個人的偏見でこのミッション達成度の表をF1レースに勝手に焼き直してみるとこうなる。

新型エンジンでラップタイム記録
                              50点
新型エンジンで予選通過
                              100点
ポールポジション獲得
                              150点
前年チャンピオンをバックストレートで抜く
                              200点
決勝レースでトップを走る
                              250点
コースレコード達成
                              300点
決勝レース優勝
                              400点
グランプリワールドチャンピオン
                              500点

あなたならはやぶさチームがどこまで達成したら満足しますか?

ところで、F1レースと宇宙開発には一つ重要な違いがある。F1がワークスやサポーターの民間資本によって運営されているのに対し、宇宙開発は国民の税金によって賄われている。また、宇宙開発の意義にも科学的探究や未知の世界の探検の側面がある一方で気象衛星や地球観測衛星など人間の社会活動を支えるという実用的な側面も求められている。

税金を払っている納税者の一人一人の利害をワークスの株主に例えると分かりやすいかもしれない。ワークスはなぜ巨額の資金を投資してF1レースに参戦し続けるのか。株主はその投資に対してどのような理解を示しているのか。

F1の関係者はF1を愛しているからこそF1に参戦するのだろう。ワークスはF1に参戦することの意義をワークスなりに判断しているのだろう。関係者はレースの結果を見せることでこそ株主にアピールすることが出来るし、ワークスには株主に対する説明責任がある。

日本でF1グランプリが開催される時代が来るなんて、管理人の時代錯誤な感覚からすれば夢のようだ。

2005.12.23

MicrosoftがGoogleプロジェクト?

ふと気がついたら、Microsoft本社のIPアドレスからブラウザ名「Google 0.9」なんていうアクセスが繰り返されている。ぐぐって見ると、

SALT: Alien visitations?
Argonautical Ramblings: Quickie

なんていうところで先月末あたりから話題に上っている。

Microsoftって、最近「打倒Google」を社是にしたんじゃなかったっけ? ブラウザ名「Google 0.9」って、エラクまたシニカルな... コードネームかなんかかな?

暗黒物質の塊

世の中、こういう新しい発見があるから、生きていくのって楽しくなるんだよねぇ。

すばる望遠鏡: 暗黒物質の巣で育つ銀河の雛たち

夜空を見上げると見える無数の星たち。しかし「無数」とはいっても人間の目で見える星の数は全天でたかだか6千個程度にすぎない。ガリレオは当時最先端の科学機器だった望遠鏡で人類初の天体観測を行って、天の川がもっと暗くてたくさんある星の集まりであることを見つけた。しかしそれらの星の集まりもたかだか数光年から10万光年。天の川もまた、それこそ無数にある銀河系の一つにすぎない。

その無数の銀河系たちは、ミカンを入れるネットが幾重にも重なっているような網の目の構造となって宇宙空間を覆い尽くしている。

一方、宇宙には天体望遠鏡とか電波望遠鏡とかX線望遠鏡とかでは観測できない「正体の分からない物質」があることが、銀河系の中の星の回転速度や、銀河系の群れの中で銀河が動いている速度の観測などからわかっていた。光らない物質なので「ダークマター」と名付けられているが、望遠鏡などで観測できる物質(恒星など)の10倍以上もある。いいかえれば、人類は宇宙に普遍的に存在している物質のうちの10分の1以下しかまだ観測することができない。

そのダークマターが宇宙全体の中でどのような分布をしているのかに手がかりを与えてくれるのが今回のすばる望遠鏡の最新成果。図3を見ると、任意の二つの銀河系の間の距離を測った時にその分布の度合いが80万光年を境にくっきりと異なっているのが見て取れる。つまりこの観測からは暗黒物質の塊のサイズを特徴づける数値として「80万光年」という答えがあらわれるようななんらかの物理的過程が存在することになる。

ところでこの図で使われている「2つの銀河間の距離」の分布を示す「相関関数」はアメリカの天文学者ピーブルスが1969年に考案したということになっているが、神戸大学の松田卓也先生によれば、木原、東辻、三好らによる銀河分布の相関に関する研究のほうが先駆的なものらしい。

今回のすばる望遠鏡の成果が世界的にどのように受け止められるのか(というか、この分野ですでに長年その傾向が見えていたものを裏打ちしたものなのかどうか)門外漢である管理人にはわからないのですが、関係者の皆さん頑張ってください。

日本の科学史を英語でまとめる科学史家が必要、ということなのかな。それにしてもすばる望遠鏡はすごい。

Appendix F

これもSpacefighter Now経由:

NikkeiBP: 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」第60回 野口総一宇宙飛行士とNASAの事故調査問題を語る

中央公論2月号に立花隆氏と野口宇宙飛行士の新春特別対談が載るそうだ。そのインタビューの席上、チャレンジャー号とコロンビア号の事故の背景が現在日本を騒がしている耐震強度偽装問題と共通のものがあるところまで話が弾んだそうだ。のぐっちゃんがどこまで踏み込んだ発言をしたのかが注目される。

ところでチャレンジャー事故の原因究明を行った事故調査委員会がまとめた報告書にAppendix Fと呼ばれるファインマンの個人的見解が添付された。これがまさしくチャレンジャー号とコロンビア号の事故原因の背景となったNASAの官僚体質をファインマンが喝破し、簡潔明瞭に糾弾した名文書なのだが、ファインマンのこの優れた洞察は残念ながらNASAの体質を変えるまでに至らず、コロンビア号の悲劇を再び招くことになる。

恥ずかしながら管理人自身はこの文書のことをコロンビア号の事故があるまで知らなかった。事故直後にネットの議論でこの文書の存在を知り、5thstarサイトを立ち上げて、現在に至る。ちなみに5thstarリンク集の冒頭の引用句はファインマンのこの文書からきている。のぐっちゃんの命を危険にさらすな、というのが、5thstarサイトからオキーフ長官(当時)に向けて伝えたかったいちばん強いメッセージだった。

STS-114の打ち上げを見ようとした経験からいえば、NASAの体質は残念ながら今もなお変わっていないと思う。

ところで立花隆氏がとうとう「きっこの日記」に言及した。それはともかく、プロのジャーナリストが憶測を簡単に文章にするってところがなんだかブログっぽい。^o^

2005.12.22

日本製の宇宙服

SpaceFighter Now経由:

SankeiWeb: 和製宇宙服、開発GO 宇宙機構、月面活動用
東京新聞:日本独自でハイテク宇宙服 技術力結集 重さ20キロ目標

JAXAが「オールジャパンの技術力を結集し」、月面でも活動できるようなハイテク宇宙服を開発する検討を始めたとのこと。米国製の宇宙服が120kgあるのを、20kg程度まで軽量化し、2018年からの米国の月面有人探査に参加することをめざすのだという。JAXA有人宇宙技術部長の柳川孝二氏がコメントしている。

うん、おもしろい! 宇宙服の技術を自国で持てば、活用範囲は幅広い。酸欠や有毒ガスが心配な地下深くの工事現場や海中の工事現場、有毒ガスが充満した火災現場、などで活躍する可能性がある。ねらいどころとしては悪くない。日本が得意なロボット義手なんかの技術と組み合わせれば、大気圧でぱんぱんに膨れ上がるような手袋を使わなくても繊細な作業の出来る宇宙服が完成するかも。

この記事でJAXAが発したメッセージは少なくとも三つ。1) JAXAは有人宇宙活動の技術を持ちたい。2) JAXAは米国の月面探査に参加したい。3) 軽い宇宙服を開発することで相対的に小さなロケットでも有人宇宙活動に参入する可能性が広がる。

NASAとしては器材が軽くなればそれだけ他の貨物をたくさん運ぶなりロケットに余力が生じる。開発費を日本に押し付けて計画に余裕が生じるのはおいしい話。日本としては「小さな宇宙船」とも呼ばれる宇宙服の最新式技術を身に付けて世界をリードしたい。バーターとしてはなかなか。

この話が実現すれば、月面探査にもし日本人が参加することになった時、宇宙飛行士選抜の応募条件のうち、身長149cm以上という項目はかなりの確率で緩和されるだろう。そのかわりT-38にも乗せてもらえなくなるのかな... 必要なくなるしね...

このような話が有人宇宙技術部からでてくるようになったってことは...

松浦さんのいうところのチキンレース、日本が先に動きそうな予感... なんの根拠もないですが。

2005.12.19

「天から送られた手紙」キャンペーン

江本勝という人が「水は答えを知っている—その結晶にこめられたメッセージ」という本を書いて、これが全国の学校の道徳の時間でいわゆる「水からの伝言」として授業に取り入れられ、問題となっているらしい。

kikulog: 「水からの伝言」関係の批判文書

おおもとの本は読んでいないのだけれど、菊池さんのところで紹介されている絵本を見て脱力した。

SpiegelさんのところでAERAに批判記事が出る、という記事を見かけたので買って読んでみた。菊池さんや田崎さんの努力には頭が下がる思いなのだけれど、たんなる糾弾では世の中は変わらないだろうなぁ、という無力感もまた、同時に感じた。オウム真理教事件の時に科学者として前途有望なはずの若者が事件に深くかかわっていた時にも感じたショックではあるけれど、「シンプルで力強い(かのように見える)説明」に人間の心がすりよっていくという本性は、ガリレオの宗教裁判の昔からまったく変わっていない。ある種の絶望感のようなものを感じてしまう。

しかしその一方で、「子供の心って、そんなに"ヤワ"なのか?」という気持ちもある。敬けんなキリスト教信者の家庭に生まれ育ってなおかつ立派な科学者になった例は探せばいくらでもあるだろうし、管理人自身、小学生の頃に雑誌「子供の科学」に載っていたオカルトものの記事をドキドキしながら読んでいた記憶があるけれど、ついぞオカルト世界には傾倒しなかった。いろいろな本を手当たり次第に読み続けていけば、次第に自分の中に「これは正しい」「これはあやしい」という価値観のようなものが醸成されていく。

「水からの伝言」の授業を受けた生徒には、心の栄養が騙よってしまわないように、いろいろな本をどんどん読んでもらう、というのはどうだろうか。たとえば中谷宇吉郎先生の(1900〜1962)「雪は天から送られた手紙である」という有名な言葉を記した著作とか。

まずは全国の道徳の先生がたに中谷先生の著作を読んでもらうキャンペーンを始めるのが近道かも。ということで、

「天から送られた手紙」キャンペーン

というのはいかが?

中谷先生の没後50年まであと7年

宇宙関連TV番組情報 2005.12

受験仲間のMさんのテレビ番組情報。

*****

12/19 月 25:25~25:55 日テレ 先端研 アジア人初の民間人宇宙旅行予定者を紹介
12/25 日 8:00~ 8:30 BS日テレ 先端研 アジア人初の民間人宇宙旅行予定者を紹介
http://www.ntv.co.jp/sentanken/
http://www.dice-k.com/0102/41.html
ライブドア元取締役の榎本大輔さんです。

12/19 月 26:35~27:20 NHK BS2 サイエンスZERO 小惑星探査機 はやぶさ(再)
12/20 火 24:00~24:45 NHK教育 サイエンスZERO 小惑星探査機 はやぶさ(再)
http://www.nhk.or.jp/zero/
12/17の再放送。

12/29 木 19:00~21:00 NHK総合 2005ニュースハイライト
12/29 木 19:00~21:00 NHK BSハイビジョン 2005ニュースハイライト
12/30 木 7:20~ 8:50 NHK総合 2005ニュースハイライト(再)
野口さんの話題も出るでしょう。

1/ 2 月 21:00~22:54 BS-i 人類、月に立つ 1, 2
1/ 3 火 21:00~22:54 BS-i 人類、月に立つ 3, 4
1/ 7 土 19:00~20:54 BS-i 人類、月に立つ 5, 6
1/ 8 日 19:00~20:54 BS-i 人類、月に立つ 7, 8
1/14 土 19:00~20:54 BS-i 人類、月に立つ 9, 10
1/15 日 19:00~20:54 BS-i 人類、月に立つ 11, 12(終)
http://www.bs-i.co.jp/main/dorama/show.php?0161
BS-iでの再々放送。ハイビジョン放送です。

1/ 9 月 25:00~25:30 テレ東 ロケットボーイズ(新)
http://brain.newswatch.co.jp/BNS/so-net/news/14999/
hochi2005121300063.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/geinou/news/20051214k0000m040053000c.html
「2005年のロケットボーイズ」という小説のドラマ化だそうです。
未確認ですが、関東ローカル放送かもしれません。

2005.12.17

ココログ2周年

ふと気がつけば2005年もあと2週間。月日が経つのって早いですね。

今日でココログを使い始めてから丸2年。プロフィール写真を変えてみました。

考えてみればニフティとも17年のおつきあい。細かいことをいえばいろいろとあるけれど、生き馬の目を抜くdog yearの競争のなかで、ニフティはそれなりにうまくやってきたほうだと思う。AppleやGoogleのような発想のきらめきはないけれど、Yahooやライブドアや楽天のようなアグレッシブさはないけれど、国内や海外に出かけた時の安心感はなにものにも変えがたい。理系白書風にいうならば「この国を静かに支えるプロバイダ」というところか。昼夜の別なく働いておられるSEの皆さま、ほんとうにご苦労様です。^o^

のぐっちゃんも無事宇宙を飛んだし、このサイトの目的も達成されたと思うのだけれど、これからもなんとなく思ったことをだらだらと書いていきます。よろしくです。m(__)m

[追記] そういえば本家Typepadのダウンにはまいったぜ。orz
kazuhitoさん経由でこんな記事をみつけた。へぇ。

[追記2] こんなブログも始まってるし。ひぇ〜〜〜〜。2005年12月12日は人類史の記憶にとどめられる日となるか。(w

「録画ネット裁判」抗告棄却

管理人が初めて海外に長期滞在した頃はインターネットなんて便利なものはなかった。(そういえば「Internet」という言葉の初出っていつだ? 本家Wikipediaにも載ってない...)

[追記] ちょっとぐぐってみたら1974年のCerfKahnのTCP/IPの論文が最初のようだ。もっともこの論文では「Internet」ではなく「Internetwork」だったようですが...

当時は海外で日本の情報を得ようと思ったら恐ろしく面倒だった。短波ラジオを買ってきてゾルゲなみの努力をしてNHKの海外向け放送を聞いたり、米国の地元UHF局が週に一回放送する日本からの海外向け番組を見たり、一月遅れで配送されてくる日本の新聞の海外版を同僚と何人かで共同購読したり。現地の日本人向けスーパーがある区画には日本のドラマなどを録画したビデオをレンタルする店があったりした。このレンタルって今から思えばかなりグレーな存在だな...

「録画ネット」という、パソコンとインターネットで海外から日本に置いてあるテレビパソコンで録画した番組を見ることができる、というサービスを提供している有限会社エフエービジョンに対して、NHKと在京民放5局からサービス停止を求める仮処分の申し立ての申請が東京地裁に起こされ、認められたことから、エフエービジョン側が異議申し立てを行ったが東京地裁で敗訴、知財高裁に上告したが、11月15日、抗告が棄却されたという。最高裁への抗告があるかどうかは未定とのこと。

ITmedia D LifeStyle:「録画ネット裁判」で明らかになったタブー

世の中の流れとテクノロジーの進化に逆らうよりも、それに順応することでビジネスチャンスを拡大するだけの才覚がないのであれば、それは企業努力が足りないと普通の会社なら評価が下される。
 放送という聖域を外部圧力で解体されるよりも、自らの手で解放していくほうが、長い視点で見た場合には得策だろう。ただ不利益になるかもしれない、というイメージだけで旧態制度にこだわることの愚かさは、音楽業界ですでに証明されたではないか。
asahi.com: TBS、来週前半に楽天と提携協議初会合へ

来週前半にTBSと楽天の業務提携委員会の初会合が開かれる見込みとのこと。

在外邦人に選挙権が認められてから7年。選挙権とはいいつつも比例代表区への投票しか認められていなかったのが、今年9月14日には「在外邦人の選挙権の制限は違憲」とする画期的な最高裁判決も出た。とはいっても過去3回の選挙における在外邦人の投票率は2.5%程度だったとか。いっそのこと「在外邦人区」を設けて、在外邦人の権利を守るための国会議員枠を設けたらどうだろうか。有権者数約72万人というから、それなりの大都市に匹敵する。

楽天とTBSの交渉のゆくえを在外邦人の観点から注目してみたい。

2005.12.16

はやぶさふらっしゅ

2chのはやぶさスレで一つ前の記事をほめていただいてちょっとうれしかったのだが、それより感動したのがおとなりのエントリの875さんが紹介しているふらっしゅ。

はやぶさ、帰って来い…

選曲センスからみて、管理人と同世代の人ですね。^^;

それにしても、絵作りのうまさ、歌詞のパロディのセンス、そしてなによりテロップの正確さと記述のうまさ、「素晴らしい」という凡庸な言葉では表現できないほどすごいです。じーんときます。

あまりにもすごいので、さだまさしさんを誰か説得して、いろんなところでひろく活用して欲しいと思った。現代の小学生に見せたい。

2005.12.15

Hayabusa in Salvation Mode

Today (14th) JAXA/ISAS hold a press briefing on Hayabusa. As usual, a space journalist Shin-ya Matsuura recorded the briefing on his blog. A collaborative translation is available on Wiki. Thank you Mishima, nao, HideoFukumori and hir for the real time efforts to make this information available to the World!

On the 8th, around 13:15 JST, the signal from Hayabusa gradually started to fade out. It lost the communication to the Earth on the 9th. JAXA/ISAS speculates the spacecraft is now in coning motion, exceeding the nutation angle. The reason for the loss of the attitude control is thought to be a discharge of the leaked propellant by about 8 to 10 cc. It gave the enough erroneous torque to surpass the recently established Xenon neutralizer attitude control scheme, and the spacecraft went out of control.

Hayabusa team needs to switch from the nominal operation to the salvation mode. They need to re-establish the communication before anything can be done. The spin dynamics of the spacecraft is such that the rotation will eventually converge around the Z-axis of the spacecraft.

The spin axis, once stabilized, must be in a certain angle between the Earth and the Sun, to regain the functionality. Probability for the spacecraft to stablize itself into such an angle is 60% by December 2006, and 70% by Spring 2007. The figures in JAXA press release gives the allowed region of the spin axis through December 2005 to March 2007. Starting the return leg in Spring 2007 will bring back the spacecraft to the Earth in June 2010.

The status of the thruster system was not recovered on the 8th. The new attitude control by Xenon gas will enable the return leg, though the operation of the ion engine becomes much more complex. The detail data on the second touch down attempt on November 25 is still not retrieved from the spacecraft.

If Hayabusa succeeds to come back to the Earth in 2010, it would become more than 7 years journey, well beyond its 4 years designed life span.

I agree with the Planetary Society Weblog.

The data they have returned already is invaluable and unmatched in the study of the small but potentially deadly population of bodies in near-Earth space, and their experience in controlling a spacecraft in the vicinity of such a tiny body is unique. They have accomplished a lot -- they deserve credit for that.
Thank you Emily. I myself feel kind of proud as a Japanese for their great achievement. Now I think it's about time to move on to the next step. JAXA should bring the asteroid mission to the forefront of Japanese space exploration, and design the improved spacecraft based on this invaluable experience. The team is, after all, only one of its kinds.

We should closely keep eyes on what they would have learned from this endeavor. Great achievement, yet lots have to be improved by next time. The very review process defines their future. The world is watching.

2005.12.13

携帯フルブラウザ「Scope」

管理人は携帯のフルブラウザを使わない世代なので、この問題には気づいていなかったのだけど、

秋沙のココログ既知ログ: 携帯フルブラウザ「Scope」の情報漏洩問題.

を読んでみて、改めて「今年は組込機器のセキュリティ元年なのだなぁ」と思った。うちのサイトにも携帯フルブラウザでアクセスしてくる人がちらほら見受けられるようになったし。

まとめサイトを読んでみた感想。プログラマーズファクトリの対応姿勢にももちろん問題があるけれど、もっと根深い問題は、携帯電話を含むすべての組み込み機器のセキュリティに対応するべき日本の公的機関の対応があまりにも遅れているということ。

パソコンの場合はOSやアプリケーションを開発しているメーカーが主にアメリカだったから、アメリカのセキュリティ対応機関に調査と対応をまかせてしまって、日本はもっぱらその情報を翻訳していれば、仕事の大部分は片づいていた。オープンソースの場合は世界中の一流の技術者が放っておいても勝手にピアレビューをしてくれる。

しかし携帯電話や日本独自の組込機器の場合はそうはいかない。日本で独自に各製品の脆弱性を洗い出し、対応策を設計できる技術者と組織の育成が急務だ。

JPCERTIPAの体制は充分か? これらの組織の中枢にいる人物はおそらく管理人と同世代だろうから、携帯などのセキュリティに対する危機意識がまだ薄い可能性が高い。もっと感性の若い人間が中枢に座って組織改革をする必要があるのかも。

2005.12.12

月とコロッセオ

ColosseoMoon

西暦72年、ローマ皇帝ヴェスパシアヌスによって建設が始められた円形闘技場、コロッセオ。

2千年近い時の流れをただじっと見つめるかのように遺跡のむこうから月がのぼってきた。

ColosseoMoon2

太陽系45億年の歴史の前では人間の営みは脆く儚い。

Colosseo

しかしなお、人間には「文明」という力がある。

Saturnus

人間はあと何千年、「人間」のままでいられるのだろうか。

2005.12.08

Bullets were not engaged?

JAXA/ISAS held a press briefing on the 7th on the status of Hayabusa. A space journalist Shin-ya Matsuura's blog records the statements by JAXA, followed by the Q&A session. English translation is available on his blog.

Current situation is very complex and confusing.

Remember that Hayabusa's high gain antenna is fixed at the top of the spacecraft. It needs to be in the 3-axis attitude control with a reaction wheel and thrusters to be in contact with the Earth. Currently JAXA is trying to understand the status of the thruster systems, so they cannot download the entire data to analyze what happened on the 25th, the second touch down attempt to Itokawa. Communication with the medium gain antenna is intermittent due to inappropriate orientation of the spin. The low gain antenna is the only reliable channel until it regains the attitude control, but it carries only 8 bps of data rates. The angle of the spin axis is slowly approaching to nominal and they get 256 bps every minute in 6 minutes with the medium gain antenna.

On the 27th JAXA noticed low thrust, the spacecraft was coming back to Itokawa. So they issued a series of commands to resume the spin-oriented control and to move away from the asteroid. They are now speculating that the spacecraft lost its orientation for some reason, possibly due to one thruster of the pair not working because of the frozen propellant pipe. By analyzing the telemetry obtained today (7th), solar panel lost its power and it caused the battery to become empty.

They also speculates they lost the propellant by about a few kilogram into the interior of the spacecraft. The temperature went down due to the possible vaporization. The leak had been confirmed in the operation on the 26th, to the upper side of the spacecraft. On the 30th they confirmed the downward thrust and the spin velocity was also reduced. They theorize the vaporization of the propellant inside the spacecraft caused these effects.

The power loss on the 27th caused a major confusion. The absolute time data in the data handling unit (DHU) and the partition information of the data recorder (DRAM) are all gone. The downloaded data for the activation of pyrotechnic indicates the projectile for the sampling was not engaged on the 25th. On the other hand they successfully replayed the commands sent from the Earth during the descent to the asteroid. They found a command to disable the system of the projectile engagement was among them. The reason is now being analyzed but they are now 80% confident that the bullets were NOT fired during the touch down maneuver.

The data is difficult to understand. On the 20th, their first attempt of touch down, the spacecraft stayed on the surface of Itokawa for about an hour. However the temperature of the projectile engagement system is higher on the second attempt than the first. This suggests the projectile may have been engaged. It's not consistent. They need imagery data to understand more detail. The partition table was lost, so they are not certain what kind of data they are now looking at. They will try to download all the scientific data before Hayabusa begins its return leg.

On the 2nd of December they tried to restart the chemical thruster system. A small thrust was generated but the full thrust was not achieved. On the 3rd, the angle of the high gain antenna, Sun and Earth became larger, to 30 deg. They started a new software to control the attitude by using Xenon gas of the ion engine. On the 4th they started the new attitude control with Xenon and on the 5th the angle was reduced to 10 to 20 degrees. On the 6th Hayabusa is away from Itokawa by 550 km, and they restarted the only remaining reaction wheel at 1,000 rpm.

They are now planning the return leg of the spacecraft. The journey will start not before the 14th of December. Starting on the 14th or 15th will bring the spacecraft back to Earth in June 2007. A new attitude control scheme with Xeon gas of the ion engine gives some hope on the successful return. However this option requires the operation of the ion engine to take longer. Alternative schedules are to stay in the current orbit for another three or three and a half years. They are trying their best for the return in June 2007, by recovering the thruster system by 14th or 15th.

The trouble of the chemical thruster was narrowed down to malfunctioning latching valves. Hydrazine was leaking. On the 2nd they sent commands to open the latching valves in the systems A and B but they did not function. Either the power system of the valves or electrical circuits are in question.

By courtesy of NASA, they are using 70m DSN for two hours each day until tomorrow (8th). They will ask for 34m parabola for another week.

2005.12.03

Hayabusa Hangs On

No official information from JAXA yet.

JIJI press issued an article. Prof. Matogawa replied to a query from media saying JAXA will complete taking necessary data by December 5, and will try to analyze the cause of the malfunction and resume the recovery operation.

Yomiuri says in its editorial that they acknowledge the great achievements of Hayabusa so far, and asking JAXA to plan ambitious exploration missions for Moon, Venus, Mercury and beyond, by "learning" lessons from this "failure" in the thrusters!

Prof. Matowaga says in his column on the Planetary Society of Japan web site that Hayabusa experienced a power down in some of the equipments during 27th to 28th, possibly due to inappropriate orientation of the solar panels of the spacecraft during that period. JAXA/ISAS needs to turn on these equipments one by one. High gain antenna is not available, so he predicts it would not be before Monday that JAXA/ISAS will receive major parts of data.

According to an anonymous posting on Japanese BBS "2ch", Cassini StatusReport(11/22-11/30) supposedly said:

Friday, November 25 (DOY 329):
MUSES-C requested additional Goldstone coverage to support their asteroid touchdown. The Cassini Program was contacted by the DSN schedulers regarding this situation. After discussion it was determined that RSS would be willing to release the end of the DSS-26 Cassini track without significant impact to the RSS ORT or Gravity Science experiments underway today. This worked for all parties involved.

According to another source, JAXA/ISAS used NASA Goldstone DSN for 1 1/2 hours in the evening of November 30. No further reservation of DSN is seen at this moment. JAXA/ISAS is now communicating with Hayabusa with the low gain antenna, and intermittently with the medium gain antenna. The spacecraft is now in "near safe-hold mode", the rotation axis is slightly off the designed axis, which makes the communication with the medium gain antenna difficult due to inappropriate orientation of the spin. But they do receive data with the medium gain from time to time. Hayabusa needs to leave Itokawa by "mid-December". After that, the reentry angle to the Earth becomes much steeper than nominal, and it makes the sample of the asteroid and the return capsule more vulnerable. The status of the thrusters is not disclosed at this moment.

Next press briefing by JAXA/ISAS is not likely on or before December 5.

2005.12.02

Hayabusa vs Potato

Nice comparison! One pixel per meter.

Gonzablog: Scaling figure: Itokawa vs Hayabusa

(^o^)

No updates on Hayabusa. A PDF file in Japanese is available on JAXA page. This file was used by JAXA to report the touch down maneuver to the Space Development Committee under MEXT, on Nov. 30.

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