マーズ・ポーラー・ランダー発見は間違い
1999年、火星に着陸を試みて消息を絶ったNASAの火星探査機「マーズポーラーランダー」。5月5日の記事でNASAが再捜索を試みる、と書いて、追記で「お手柄!かな...」と書いたのだけど、その後の捜索で、パラシュートや機体だと思われていたのは実は火星表面の模様だったらしい。
Mars Global Surveyor Mars Orbiter Camera: Mars Polar Lander NOT Found
The Planetary Societyのブログ経由の情報。
解説を読むと、5月6日に書いた追記がいろいろ勘違いをしていたことに気づく。まず、Sky and Telescope誌のwebサイトに載っていたプレビュー記事の写真は1999年12月から2000年1月にかけて撮影されていたもので、この時、写真の領域は二酸化炭素の霜で覆われていた。
火星表面のある一点にカメラの狙いを定めて衛星全体をピッチ軸とロール軸で姿勢制御しながら撮影をするcPROTO (compensated Pitch and ROll Targeted Observation)というテクニックを駆使すれば、極めて解像度の高い写真を撮ることができるが、この操作は極めて難しいらしい。今年4月の撮影は露出があわなくて失敗。7月、8月、9月と撮影の試みを続けて、9月27日に撮影に成功。
新しく撮られた画像では、探査機と思われていた輝点が消失している。5年前の画像の輝点はどうもピクセルのノイズだったようだ。
cPROTOのテクニックは探査するべき地点が決まらないとできないので、候補地点が無くなった今となってはこれ以上の捜索はできないようだ。現在火星に向かっている新探査機、マーズ・ルコネサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEの活躍が待たれるとのこと。
難しいものですね。
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