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2005.07.29

外部燃料タンクの断熱材

先程ひらかれたNASAの記者会見の模様がCBS Newsに。

CBS News: Shuttle Mission STS-114 Status Report

ディスカバリー号の外部燃料タンクから打ち上げから約130秒後に剥離した断熱材の破片は、その高度での大気が薄かったためにディスカバリー号にぶつからなかった、という。剥離したタイミングがあと数十秒早ければ、コロンビア号の時と同じく壊滅的なダメージを与えていた可能性がある、と、NASAの技術者が認めた。

特に打ち上げから81秒後の空気力学的に負荷が最大となる瞬間に剥離していれば、破片が大気で減速しながらシャトルにぶつかるので、ぶつかる瞬間の両者の相対速度が最大となり、ダメージがもっともひどくなる。タイミングがずれると破片の軌道が変わり、ぶつかる場所も変わってくる。今回の打ち上げでぶつからなかったのは幸運だった。

今回剥離したのはケーブルトレイや燃料パイプを空気力学的に保護するPALランプ(Protuberance Air Load)と呼ばれる部分。形状が複雑なため、製造工程を機械化できず、職人が手で吹き付ける。コロンビア号事故調査委員会の勧告の第一項目が「外部燃料タンクからのオービターに危害を加える可能性のある物体の剥離を無くすこと」だったので、NASAはこのPALランプをやめてケーブルトレイなどをむき出しにすることも検討したという。

風洞実験の結果、シャトルが音速の壁を越える時に、PALランプがないとケーブルトレイなどを保護できない、という解析結果が出て、断熱材の吹き付けを従来通り行うことを決定した。その決定が間違っていた、と、シャトル計画部長のビル・パーソンズが昨日の会見で述べた。その模様がこれ。

毎日新聞:<ディスカバリー>NASA計画部長「我々は間違っていた」

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Comments

 そんな紆余曲折があったとは知りませんでした。ぎりぎりまでエンジニア同士の討論が繰り返され、そして苦渋の決断、しかしそれが裏目に、というストーリーが見えました。
 まだ運が左右するところのある有人宇宙飛行、今回のRTFでしっかりとデータをとって、今後につなげてほしいものです。

NASAの幹部が「打上げは間違っていた」なんて発言をすると
乗組員の士気が下がらないか心配です。

「打上げは間違っていた」とは言っていません。(新聞記事は短い内容なので誤解をしやすいですね)
PALランプのリスクも十分理解して、改善したつもりであったが、まだ不十分だった(もう少し思いきった改善が必要だった)ということです。

ちなみに、軌道上のクルーは、こんな損傷を抱えていて帰還に不安はないかというインタビューが初回から3件も続き、うんざりしているように見えます。ETには問題はあったけど、オービタの損傷はこれまでのミッションよりかなり少なく、クルーは心配していません。NASAのマネージャも同じような説明に追われています。
(志気を下げているのは、インタビューする人のような気が・・・。応援しているぞ!という気持ちが伝わるような話しをしてあげて欲しいな)

7/28の管理人さんの日記に上手く書かれているように、今回は打ち上げ直後からこんなに映像がたくさん得られて状況が分かってしまったので記者の方々が心配しておられるわけですが、今までは(分かっていなかっただけで)もっと酷かったと言う方が正しいわけですよね。

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