1月に外部燃料タンクがケネディ宇宙センターに到着した時、NASAはディスカバリー号を発射台へ移動させる日を打ち上げの2ヶ月前の「3月16日」と予定していた。従来は打ち上げの1ヶ月前だった。この「余裕」が少しずつ減りつつある。
FloridaToday: Discovery's move to VAB pushed back
FloridaToday: Time frame tightens for shuttle to-do list
現在、ディスカバリー号はまだ格納庫で車輪格納扉の密閉状況の慎重な検査を受けている最中。組立て棟(VAB)への移動は早くても3月28日と予想されている。VABで外部燃料タンクと接続されるがこの作業に約1週間。発射台への移動は早くても4月4日ごろになりそう。
打ち上げ目標日はあいかわらず5月15日のまま、とされるが、打ち上げ見学組にとっては気になるニュースではある。
[3/20追記]
NASAのSTS-114のサイトにこのニュースに関連する記述が。
NASA: Space Shuttle Processing Status Report: S05-011
In Orbiter Processing Facility (OPF) bay 3, final processing work continues on Discovery in preparation for its rollover to the Vehicle Assembly Building (VAB) and attaching to its Solid Rocket Boosters and External Tank. The rollover milestone is moving to March 27 (previously March 22), due to additional work needed on wiring in the payload bay and on the main and nose landing gear doors. Because work is scheduled to end late that day, rollover could take place the morning of March 28. If the work is completed safely and correctly, the orbiter could be moved to the VAB earlier than March 27.
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先日の記事で書いた48時間訓練は、主に乗組員を訓練するためのものだったが、今度はそこで報告されていたミッション管理会議(Mission Management Team: MMT)側の8日間連続の訓練の様子がNASA/JSCのサイトに。
NASA/JSC: Eight days a week: Mission Management Team gives its all during marathon sim
打ち上げ2日前からフライト6日目までをリアルタイムでシミュレートし、次々に起こる様々な問題に対処していく、というもの。ヒューストン、ケネディ、マーシャル宇宙センターと、NASAの本部が参加。マネージャーも大変ですね。
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一方、宇宙ステーションの姿勢を制御するジャイロスコープの一つが電源系の不良で停止した件。
FloridaToday: Gyroscope glitch discovered on space station
FlotidaToday: Fixed circuit breaker on space station fails
FloridaToday: Space station troubles will not halt shuttle launch, NASA says
HoustonChronicle: Setback won't deter shuttle mission
4つあるジャイロのうち1つは2002年に故障しており、今回の野口さんのミッションで交換予定。今回また一つ故障したことで、予備が無くなった。さらにあと一つ故障すれば、ロシア側のサービスモジュールの姿勢制御ロケットを噴射してステーションの姿勢を保つ必要が出てくるが、こうなると野口さん達の船外活動に影響が出るのではないかと心配する声もある。NASAは上の記事を読む限り、「大丈夫」と言っているようだけど。
今月28日に予定されているリロイ・チャオ達の船外活動では、故障したジャイロの電源系の修理は行わないことに決めたようだ。STS-114で修理することにするのか、その次のアトランティス号のミッションで修理することにするのかは未定。
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コロンビア号事故調査委員会(CAIB)の勧告をNASAが遵守しているかどうかを監査する独立調査委員会Return To Flight Task Groupの次回の公開ミーティングが3月31日午前8時30分(米東部時間)に開催される。
NASA: Return To Flight Task Group Schedules Public Meeting and Briefing
このミーティングの様子はNASA TVで放映される。日本と違って「お手盛り総会」ではないので、ここでいろんなことがひっくり返る可能性も残されている。
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