ひまわり後継衛星がまた無保険
東京新聞:ひまわり後継衛星 また『保険』なし
気象衛星ひまわり5号の後継機で来月打ち上げ予定の運輸多目的衛星は1999年11月に打上げに失敗した衛星の代替機。この時も、保険をかけていなかったことが随分と議論になった。今回の衛星は製作に163億円をかけているが、また保険をかけないで打上げる、という。
打ち上げに使うH2Aロケットは2003年11月の情報収集衛星の打ち上げ失敗の後の再開第一号となる。このため、記事によると、保険料が衛星価格の15%から30%に高騰、という。
う〜ん、微妙な話だ。保険料が30%というのは随分高い。しかし、気象衛星、という、国民の生活の安全を保障する衛星を、保険無しでまた打上げるというのはいかがなものか。庶民の感覚的には、保険料10%までならやはり税金を投入して国民の貴重な財産を担保すべき、と、思う。
それにしても30%とは保険会社に随分と足下を見られたな。関係者の努力不足and交渉力不足だ。国民の財産のリスク管理をなんと心得ているのかな。
この記事では宇宙工学アナリストの中冨信夫氏が「保険料の問題だけでなく、保険に入るには(保険会社の)審査があり、技術的なデータを開示しなければならない。失敗続きのH2、H2Aロケットの信頼性にかかわるデータを公開したくない事情も国にあったのでは。」とコメントしている。けど、この人、ウラを取らずに適当な憶測をしゃべることでも有名なので、話半分に聞いておかなくちゃね。東京新聞、どうしちゃったんだ。
しかし、気象衛星のような重要な衛星のリスク管理の基本はやっぱり中野不二男氏がその著書でいうように「予備機を同時に製作しておく」こと、じゃないのかな。
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