スペースシャトル耐熱タイルの修理方法
HoustonChronicleに、
NASA not sure that fixes can be made during flight, but the agency sees no delay for liftoff
という記事が出ている。直訳すると「軌道上の修理の成否に疑問符、NASAは打ち上げ日程に変更なしと」
スペースシャトルの耐熱タイルなどが打ち上げ時に損傷を受けた場合、軌道上で宇宙飛行士が宇宙遊泳で修理をして安全に帰還する方策を確立すること、というのが、昨年8月にコロンビア号事故調査委員会の勧告のひとつ。これを受けてNASAが開発してきた耐熱タイルの修理方法が実用に耐えるかどうかを評価する進捗状況報告書が16日に開催されるReturn To Flight Task Groupで議論される。
耐熱タイルを修理するための補修剤は2液混合型で、修理の直前に混ぜ合わせてペースト状にする。真空中でこの操作を行うと、窒素ガスが発生して、ペーストの中にスポンジ状の気泡が発生する。この気泡が大きすぎると、再突入の際の熱に耐えられない、という。
一方、コロンビア号の事故の直接の原因となった、主翼前面を守るカーボンファイバの耐熱パネルにひびが入った場合、炭素とシリコンでできた合成フィルムを貼り付けることになっている。コロンビア号の場合、外部燃料タンクから脱落した断熱材の衝突でできた15cmから25cmの長さのひびが致命傷となったと考えられているが、現在の補修方法でカバーできる長さは10cmまで。
これらの修理方法を採用するかどうか、NASAは来年1月中に結論を出すという。
一方、FloridaTodayにはこんな記事が。
Danger to limit KSC spectators
訳すと、「ケネディ宇宙センターの打ち上げ見学が危険防止のため制限される?」
打ち上げ中に爆発事故があった場合、政府賓客や招待客などの特別見学席や、NASAの作業員などに危険が及ぶ可能性が考えられるという。
来年5月から6月に予定されている野口宇宙飛行士の打ち上げを見に行けるかどうか、管理人的にはスケジュール調整が微妙だけど、かりに見学が制限されることにでもなったら、切実な問題だ。今のところ、NASAの敷地外のココアビーチなどからの見学には影響が及ばないようだけど。
FloridaTodayの記事にはこの見学制限を受け入れるべきかどうかのアンケートが掲載されている。
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ところでNASAのReturn To Flightサイトに、野口宇宙飛行士ほか、STS-114のクルー全員の訓練風景の写真集が掲載されている。
心なしか、野口宇宙飛行士が非常に目立つ形でフィーチャーされている。映画の一シーンみたいで、とてもかっこいい。
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