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2004.12.03

ビールは放射線から体を守る?

日本アイソトープ協会が発行している「ISOTOPE NEWS」の11月号に「ビールは放射線から体を守る?」という記事が載っている。執筆は東京理科大薬学部の物部真奈美氏と放射線医学総合研究所の安藤興一氏。記事によると

...お酒を飲むことにより原爆被ばく後の病体がよくなったという事例がいくつか書いてある。他にも、昔から放射線技師など放射線作業従事者の間でお酒は放射線被ばくに効くのではないかという噂はあり、また、チェルノブイリ事故の起きたウクライナでもそのような噂があったと聞いたことがある。
むむむ、と思って記事を読み進むと、筆者達はマウスにビールなどを1ccずつ飲ませて30分後に放射線を照射し、30日後の生存率を調べている。

実験データのグラフを読み取る限り、ビールを飲ませた群は、他の対照群よりもあきらかに生存率が高くなっている! X線照射の場合、30日後に生存率が50%となる被ばく量は、ビールを飲んだ群が約7.8グレイ。生理食塩水を飲んだ群とノンアルコールビールを飲んだ群が約7.2グレイ。5.5%のエタノールを飲んだ群が約7.6グレイ。生存率のカーブは急なので、このわずかな違いが被ばくによる生死を分ける鍵となる。炭素線を照射した群ではさらに顕著な差が見られる。

記事ではビールに含まれるシュードウリジンという物質が放射線で誘発される染色体異常を減少させることが確認されたことも書かれている。また、ビールに少量含まれているメラトニンにも放射線防護活性があることも知られている、とのこと。他にもポリフェノールをはじめ、いろいろな抗酸化物質が含まれていると言う。これらの抗酸化物質とエタノールが共存することで体内への吸収が促進されるという仮説が提唱されている。

そういえばうちの祖父(故人)は、まだ医療用のレントゲンの放射線規制が緩やかだった頃、文字通り水でも浴びるように毎日仕事で放射線を浴びていた。けれど、お酒もまた大酒呑みで、浴びるように飲んでたな。家族が心配して一升瓶を隠すと、薬用エタノールを飲んでいた。身体がお酒を必要としていることを本能で感じとっていたのだろうか。

なんという実験結果だろう。いままで祖父のことをただの大酒呑みとしか思ってなかったけど、ちょっと尊敬。

この研究が進めば、宇宙放射線対策のために宇宙ステーションにもお酒を持ち込むことが正式に認められるようになったりしてもしかして。ロシアの宇宙飛行士はミールの時代にすでにウォッカを持ち込んでいた、という噂があるけどね...

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