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2004.12.12

NASAのオキーフ長官が辞任へ

FloridaToday紙のスクープ記事みたいだ。NASAのオキーフ長官が今週辞任するという。

FloridaToday: O'Keefe to quit this week

FloridaTodayによると、長官は金曜の夜、ルイジアナ州立大学からの大学総長就任の提案を受入れた、という。

ホワイトハウスは早速、NASAの次の長官を誰にするか、検討を開始した。現在、5人の候補がいる。

Ronald Kadish 米空軍中将
Robert Walker 元下院議員
Ron Sega 元シャトル宇宙飛行士
Charles Bolden 元シャトル宇宙飛行士
Robert Crippen 元シャトル宇宙飛行士

このうちRonald Kadish氏が次期長官の最有力候補とされる。この9月まで、アメリカ国防総省のミサイル防衛システム機関の責任者だった。

Robert Crippen氏は、先に引退したJohn Young宇宙飛行士とともに、スペースシャトルコロンビアの初フライトを成功させた、伝説の宇宙飛行士の一人。

それにしても、シャトル飛行再開の準備が佳境に入っているこの時期に辞任とは意外だ。NASAのじつに困難な時代を乗りきった長官として、そのリーダーシップは歴史に名を残すだろう。ご苦労様でした。

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Comments

オキーフは宇宙科学方面では評判がよくありませんね。科学的重要性、将来性にはまったく無知、無関心だったようです。
単に「行政官」としてはそれなりに有力なのかも知れませんが。
ブッシュが選ぶ後任にも期待は持てませんが。

HoustonChronicleに追っかけ記事が出てますね。

http://www.chron.com/cs/CDA/ssistory.mpl/space/2943219

長官本人からのコメントは取れなかったみたいですが... FloridaTodayは長官とどういうチャンネルを持っているんでしょうね。

で、HoustonChronicleにはnqさんの言われるようにAmerican Institute of Aeronautics and Astronauticsの科学技術政策部長のJerry Greyの

"He's a business manager, not a scientist or engineer. There are a lot of engineering decisions that have to be made in the next 10 years. He may believe he's not the right person to do that."

というコメントが載っています。

これは管理人個人の妄想ですが、NASAの予算増額を達成し、一方でロボットを使ったハッブル望遠鏡の修理に予想以上の費用がかかることが判明し、National Academy of Sciencesにシャトルを使った有人ミッションでハッブルを修理するよう求められたことで、ここらが潮時、と、考えたのかも。ちょうど、3年の任期の節目でもあるし。長官はニューオーリンズの出身でもあるし。

一方で、次期長官に科学者が就任することは非常に考えずらいですね。科学者の予算立案能力をワシントンは信頼していないし、NASAは基本的には南部州の組織だし。JPLはむしろ例外的な組織、ですね。NASAの科学的成果の殆どを出しているにも関わらず...

NASAを理解するには、アメリカの「ディープサウス」を理解する必要があるような気がしています。

JPLは、NASAといっても、CalTech(カリフォルニア工科大)がNASAの補助金で運営している研究所ですから、ゴダード、マーシャル、ジョンソン、ケネディなどとはかなり違うのでは?
 科学的成果がほとんどJPLというのは言いすぎでしょう。惑星探査はJPLが中心ですが、ハッブル、チャンドラ、WMAP、COBEなど天文関係の衛星はゴダードが中心になって各地の大学などが協力して作っているのが多いです。

また、NASA直轄のセンターでも、テキサスは、南部というより本来は「西部」ですし、フロリダは移住者が多くて南部諸州とは違いますから、本当にディープサウスといえるのは、アラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターだけなのですが、ここは、フォンブラウンなどドイツ人ロケット技術者を「戦利品」として強制移住させて作った研究所ですから、南部の伝統と本来無関係と思います。さらに、各センターの意思決定を行なう管理職の出身は所在地と無関係だと思います。

 ところで、ハッブルに対しては、(1)有人飛行による修理(2)ロボット、(3)HOP (ハッブルの後継衛星の新規建造)と3つのオプションが検討されていますが、費用対効果比を考えると第3のHOPが最も合理的で、日本の参加も検討されています。
http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/tsuneta/proj/hubbleproject/)

Hubble Origins Probeですか。面白い情報のご提供をありがとうございます。確かに満身創痍のHubbleより、同じ設計の望遠鏡を作り直したほうが合理的な気がしますね。

ただ、輸送手段としてはシャトルしか考えられそうもないのがちょっとあれ、でしょうか。プロトンロケットなら上げられるのかな...?

ところで、オキーフ長官の辞任のきっかけがシャトル修理に関する勧告ではなかったかという私の妄想ですが、それよりもっと面白い視点を知人から教えてもらいました。

それは

http://5thstar.air-nifty.com/blog/2004/12/post_5.html

がらみの問題だ、というのです。

つまり、コロンビア号事故調査委員会(CAIB)の勧告を満たすことを約束したのはオキーフ長官個人であって、NASAはCAIBに対してobligationを持たない、したがって、オキーフ氏が辞任した時点でシャトルのRTFはCAIBの勧告を満たさなくても実行に移すことが可能になる、という見方(妄想?)です。

確かに、ハッブルよりもCAIBとの絡みのほうがありそうな話ではあるな、と、思いました。

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