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2004.11.30

JAXA新理事長のかじ取りは?

Space Fighter Now経由:

東京新聞にJAXAの新理事長、立川敬二氏の抱負が載っている。

宇宙開発ビジョン示す 〜JAXA・新理事長 立川敬二さんに聞く〜

昨年10月1日に旧NASDA、旧ISAS、旧NALが合併してJAXAが発足してからというもの、この巨大で複雑な宇宙航空の研究開発の日本の総本山をどのようにかじ取りしていくかについて、前理事長の山之内秀一郎氏のビジョンは、部外者にはついぞうかがい知ることができないものだった。関係者に話を聞くと「理事長はいい人だ」という話が漏れ伝わってはくるものの、その実態はついに外部からは見えなかった、と言ってもいいだろう。

山之内氏と比べると、立川氏のこのインタビュー記事はずいぶんわかりやすい。

——宇宙開発委員会の委員の三年間、JAXAをどうみていたか。
財政が厳しく、予算削減を心配していた。その中でどう宇宙開発を進めるかが、大きな関心で、重要な課題。H2Aロケットも輸送手段で最終目的ではない。衛星、探査機を打ち上げることに意味がある。目に見える成果を出さないといけないと思っていた。
「H2Aロケットも輸送手段で最終目的ではない。」

じつに当たり前のことだけど、今までのNASDA内部の組織力学ではなかなか言えない一言だったのではないだろうか? 外部からやってきた理事長だからこそ、の、台詞のように思える。

——独自の有人宇宙活動については?
米国の十分の一の予算で何ができるか、特徴をはっきりさせることが重要。今は他国にお願いすることでよいと考える。日本が進んでいる(無人の)ロボット技術でできることがたくさんある。ただ、日ごろの研究開発はすべて有人につながるので、初めからやらないというのではない。
難しい課題をさらりとかわしている。具体的なかじ取りはこれから。外部からやってきた人物だけに、組織内をどううまくまとめていくかが課題。リーダーシップを存分に発揮されることを期待してます。

2004.11.28

プロフィール写真を変えてみました

ココログに引っ越してきて以来使っていたT-38のプロフィール写真を、ン十年前の写真に入れ替えてみました。HONDA Wing 400 Customで筑波サーキットを走る管理人、です。

宇宙開発とはあんまり関係ない気もするけれど、管理人にとっては、バイク、というのは、当時、自分の行動範囲を広げて日本各地に放浪の旅に出ることを可能にしてくれる魔法の道具、だったわけで... ある意味、自身の行動力の原点、となった、とも言えるかな。

高校を卒業するまでは「バイクなんて不良の乗り物」なんて思っていた自分が、大学に入って、バイク好きの友人達と出会い、はては自分でバイクの整備をしたり、750ccの免許まで取ったり、と。

「人生って一寸先も見えないから、闇といっても官能的な闇ね」と言ったのは、どの小説家だっけ...

2004.11.27

宇宙関連TV番組情報 2004.12

受験仲間のMさんからのテレビ情報です。

*****

11/28 日 21:00〜22:00 NHK教育 N響アワー 宇宙の音に耳をすませば
      ホルスト「組曲"惑星"から"木星"」ほか ゲスト 毛利衛
http://www3.nhk.or.jp/omoban/main1128.html#11
新潟地震の影響で放送が延期になっていたものです。

11/28 日 25:40〜26:31 NHK総合 史上空前の論文ねつ造・
       誰も見抜けなかった最先端科学の"成果"
http://www.nhk.or.jp/hensei/ch1/20041128/main_24-29.html
宇宙とは関係ない番組ですが、10月にBSで放送された ベル研究所で起きた事件のドキュメンタリーです。

11/30 火 21:15〜21:58 NHK総合 プロジェクトX 初の太平洋横断中継
       ・衝撃のケネディ暗殺
12/ 1 水 24:15〜25:00 NHK総合 プロジェクトX 初の太平洋横断中継(再)
http://www.nhk.or.jp/projectx/

12/11 土 19:00〜19:45 NHK教育 サイエンスZERO 宇宙の起源に迫れ
       最先端を走る素粒子物理学
12/14 火 24:00〜24:45 NHK教育 サイエンスZERO 宇宙の起源に迫れ(再)
http://www.nhk.or.jp/zero/

12/19 日 13:05〜15:00 NHK BSハイビジョン 地球大進化・46億年・奇跡の旅1(再)
12/19 日 15:00〜17:00 NHK BSハイビジョン 地球大進化・46億年・奇跡の旅2(再)
12/19 日 17:00〜18:50 NHK BSハイビジョン 地球大進化・46億年・奇跡の旅3(再)
http://www.nhk.or.jp/daishinka/

12/20 月 26:50〜27:35 NHK教育 サイエンスZERO(再)
12/21 火 26:50〜27:35 NHK教育 サイエンスZERO(再)
12/22 水 26:50〜27:35 NHK教育 サイエンスZERO(再)
12/23 木 26:50〜27:35 NHK教育 サイエンスZERO(再)
放送内容は不明です。

12/25 土 21:00〜22:15 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅7
12/26 日 23:25〜24:25 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅1(再)
12/27 月 23:00〜23:55 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅2(再)
12/28 火 23:00〜23:55 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅3(再)
12/29 水 23:00〜23:55 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅4(再)
12/29 水 24:05〜25:00 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅5(再)
12/30 木 23:00〜23:55 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅6(再)
12/30 木 24:05〜25:20 NHK総合 地球大進化・46億年・人類への旅7(再)
http://www.nhk.or.jp/daishinka/
最終回の第七回と、再放送の一挙放送です。

12/31 金 12:00〜12:50 NHK教育 小柴昌俊博士の楽しむ最先端科学 宇宙論(再)
専門の科学者が、高校生に向かって話しかけるという形式の番組でした。

12/31 金 21:30〜23:00 NHK教育 アニメ プラネテス スペシャル
人気の高いエピソードの再放送や、制作スタッフへのインタビューが放送されるそうです。

以下はスカイパーフェクTVの無料放送。

サイエンスチャンネル
12/ 5 日 17:00〜17:29 765ch 宇宙の日ふれあいフェスティバル2004
12/12 日 16:00〜16:29 765ch 宇宙の日ふれあいフェスティバル2004
http://www.jaxa.jp/pr/science_ch/index_j.html
若田さんのトークショーなど。

*****

Mさんまいどどうも。

2004.11.25

Thanksgiving

今日はThanksgiving。

そういえば、George Winstonのアルバムに"Thanksgiving"という曲があったっけ...

アメリカでは11月の第4木曜日がThanksgiving Day、その翌日がAfter Thanksgiving、で、休日。土日とあわせると4連休になる。家族や親戚が一同そろって集い、七面鳥やパンプキンパイを食べ、一年の収穫に感謝する。日本人にとっての正月の帰省ラッシュと同じ現象がアメリカではThanksgiving Weekendに集中して発生する。ピルグリム・ファーザーズの故事に由来するアメリカ人にとっては大切な行事。

数日前、ある用件で山崎ご夫妻にメールを送ったら速攻で返信が返ってきて、驚いた。思わずヒューストンの現地時間を計算すると午前4時。う〜む。期せずしてリアルタイムのメール交換。今年のThanksgivingはローナ・オニヅカさん宅で七面鳥を食べるという。なんかちょっと安心した。

ローナさんは日系人として初めて宇宙を飛んだハワイ出身の宇宙飛行士エリソン・オニヅカ氏の未亡人。エリソン・オニヅカ氏は1986年1月28日、スペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故で帰らぬ人となった。

その後、ローナさんは日米の宇宙開発のいろいろな活動を側面から支える重要な人として、いろいろな場面で活躍している。向井万起男さんの著書にも登場するし、先の最終選抜でもある重要な役割を果たした。

ローナさんがいるおかげで日本人宇宙飛行士とその家族が安心して活動できる、という、その貢献度ははかりしれないほど大きい。

山崎さん、よきThanksgivingを!

2004.11.23

宇宙飛行士の死生観

Space Fighter Now経由:HASTICニュースレター第19号

この中の

「第5回太陽・地球・生態系と時間治療医学研究会/宇宙医学
シンポジウム http://chrono.umin.jp/」を報告する。

文責は矢野昭起氏(北海道立衛生研究所)。

最後を締められた齋藤惇生先生の講演は、世界のヒマラヤ登山史に異色の輝きを放つ京大・学士山岳会の活動について解説されたものであった。...(中略)... 世界最高峰エベレスト初登頂に賭けた先陣争いの物語、その中で、多くの優秀な登山家が命を落とした歴史にも言及し、自らの後輩である京大学士山岳会員の遭難死についても淡々とした口調で語られた。...(中略)... 有人宇宙飛行に旅立つ宇宙飛行士の心中を察する時、彼らもヒマラヤの超高所登山に向う登山家に共通する生死観を持っているかもしれない。筆者はその事を講演の中で考えていた。

そう、宇宙飛行士の死生観は、登山家のそれと似ているかもしれない。NASDAの選抜過程の中でも、ヒマラヤ登山に模した心理シミュレーションがあった。まさにわが意を得たり、かな。

black_knight氏に同意。このML、どこかわけわかんないけど面白い。

2004.11.20

眞鍋かをりさんにお会いしました

manabe.jpg

某所で眞鍋かをりさんにお会いすることができました。「写真、撮ってもいいですか?」と聞いてみたら快諾していただいたので、たまたま持ち合わせていたケータイのカメラでぱしゃり。しかし解像度悪すぎ。誰が写ってんだかわかんない。でもしっかりカメラ目線で撮れた。う゛ぃ。

知人の車のエンブレムを見て「これ、なんのクルマ? わかんなぁ〜い」と、わざわざ車の後ろに回り込んで車種を確認したり、そこらに転がっている本を目ざとく手に取って「うひゃぁ! 難しい!!」とすっとんきょうな声を上げるあたりは、なかなかの行動派、と、お見受けしました。人間、なにごとも好奇心ですよ、うん。

ゆっくりお話する時間が無かったのが残念ですが、どこかでまたお会いできた時は、ぜひ。

2004.11.14

サイエンス・フロンティアつくば開催

9月の記事で紹介したサイエンスフロンティアつくばが本日開催された。

SFT2004.jpg

江崎玲於奈氏のオープニング挨拶の後、向井宇宙飛行士、NASA/JPL前所長のBruce Murray氏などの講演。NASAの惑星探査に長くかかわってきたMurray氏の言葉にはやはり重みがある。

向井さんにご挨拶申し上げたのだけど、若田さん宅のパーティでお会いしたことは、ご記憶ではなかったみたい。なんだか6年前にお会いした時よりも若くなってはつらつとしているように見える。

MukaiEsaki.jpg

小耳に挟んだところによると、コロンビア号の事故が無ければ向井さんは3度目のフライトに参加することになっていたようだ。事故のためにスペースシャトルの科学ミッションが無くなったので、ストラスブールの国際宇宙大学の客員教授を勤めることに決めた、とのこと。

長沼氏の講演も、ねらい通り、非常に面白くて、的川先生もかなり印象に残ったご様子。いや、なかなかよいシンポジウムでした。

TV局の取材が入っていたようだったから、いずれどこかの番組で取り上げられるかも。

[追記11/19] JAXAのサイトにこのシンポジウムのまとめが載っています。

http://www.jaxa.jp/pr/event/2004/20041117_tsukuba_j.html

「宇宙の生命は地球生命の理解を超えた存在かもしれない」.....う〜む、そうまとめるかぁ〜。

2004.11.11

シャトル飛行再開のリハーサル

シャトル飛行再開 (Return to Flight) のリハーサル訓練がヒューストンのジョンソン宇宙センターで始まった。

NASA: NASA Begins Rehearsals for Return to Flight

NASAは有人宇宙飛行の前にはこれでもかこれでもか、と、ありとあらゆる困難な事態を想定した訓練を繰り返す。ある意味、パラノイアとでもいえるほどにいろんなシチュエーションの訓練を積み上げていく。宇宙飛行士にとってはこの訓練を乗り切ることができれば本番はむしろあまりにもスムーズであっけなく感じるほど、の、ものらしい。

その訓練がいよいよ始まった、ということは、のぐっちゃんこと野口宇宙飛行士のフライトへの準備もいよいよ佳境に入った、ということ。当然のことながら、期待が高まる。

*****

ところで、野口さんと若田さんは、先のゴードン・クーパー宇宙飛行士の追悼記念式典で、フライバイという独特の飛行で死者を追悼する4機のT-38のうちの2機に分乗したんですね。8人の宇宙飛行士のうちの2人が日本人とは! なんと名誉なこと!!

Fly-by
Credit: NASA/JAXA

映画「紅の豚」の1シーンを思い浮かべてしまうのぐっちゃんが、なんとも飛行機乗り、だぜい。

2004.11.10

猫は無重力飛行機の中で踊るか?

放物線を描いて飛ぶことで機内に40秒間ほどの無重力状態を生じさせることのできるNASAの実験機KC-135が先月で引退したことは少し前の記事に書いた。

そのKC-135の機内で1985年頃、一匹の猫が無重力を経験した、いや、経験させられていた、というビデオがネット上に出回っている、という。

Florida TODAY紙の記事で、その動画を見ることができる。

NASA's flying feline floating around Internet

画像では猫を飛行機の壁に投げつけているようにしか見えないが、猫の視覚情報が着地体制に結びつくかどうかを調べているのか...

動物愛護団体が見たら目をむきそうな画像だけど、あと、猫にはちょっと可哀想だけど、面白いくらいクルクルと回っている。

2004.11.06

JAXA理事長が交代

JAXA現理事長の山之内秀一郎氏が健康上の理由で11月14日に退任、NTTドコモの取締役相談役で宇宙開発委員会の非常勤委員の立川 敬二氏が15日よりJAXAの新理事長に就任することが決まったとのこと。

asahi.com: 宇宙機構理事長に立川敬二NTTドコモ相談役
ITmedia: ドコモ立川氏、今度はロケット開発へ JAXA新理事長に就任
impress WATCH: ドコモの立川氏が日本の宇宙開発事業のトップに就任
JAXA組織一覧・役員: 理事長交代のお知らせ
JAXA: 理事長談話

管理人は山之内氏も立川氏も知らないので特にコメントはない。けれど、「健康上の理由」となっているとはいえ、任期半ばにしてずいぶん唐突な理事長交代、という印象が否めない。海外の研究機関などであれば、"Director Search Committee"なるものを設置して、相当期間、次期理事長の候補者選びをするところだろう。JAXAは国策遂行機関であって研究機関ではない、と言われればそれまで、だけど。

立川氏の手腕はこれから時間をかけてじっくりと拝見させていただくとして、誰がどのような経緯で理事長選びを行なったのかを知りたい、と思う。

宇宙関連ニュース

メモ

松浦晋也のL/D: 北海道ロケットに関する防衛副長官の発言を考察する
TPS/Jメール: YMコラム 北海道で感じた日本の相克
スパイ衛星をスパイせよ!

航天機構 - lifeblog: ソ連の独自コンピュータ技術の衰退
ペレストロイカとコンピューター

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