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2004.01.17

ハッブルがいない宇宙なんて...

スラド経由。

asahi.com: ハッブル望遠鏡、07年に寿命? NASAが補修見送り

14日にブッシュ大統領が発表した新宇宙政策の影響が早くも宇宙科学政策に影を落とした格好だ。NASAは2010年に退役することとなった現行のスペースシャトルの残りのミッションを、宇宙ステーションへの人員と物資の輸送のミッションに最優先に割り当てるという。

これは寝耳に水の話ではなくて、コロンビア号事故調査委員会(CAIB)が今後のスペースシャトルの飛行の安全対策として、軌道上でのシャトルの損傷の確認や耐熱タイルなどの補修を義務づけるよう勧告をした時点である意味、予測できていたことだ。ブッシュ大統領の演説の影響では無い。NASAの決断だ。

5thstar管理人日記: オキーフ長官の決断

とはいえ、ハッブル宇宙望遠鏡が現代宇宙物理学に貢献してきたキラ星のごとく輝く成果の数々と、それを陰で支えたスペースシャトルでの宇宙飛行士の船外活動によるメンテナンスのミッションを考えると、非常に複雑な思いにとらわれてしまう。

ハッブルの後継機となるジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡の打上げは2011年という。

大気の影響を受けない宇宙望遠鏡を抜きにしては現代宇宙物理学はもはや考えられない。人類の宇宙に対する「知」はこの15年間で過去150年間にも匹敵するほど進展した。ハッブルとスペースシャトルのコンビが築き上げた黄金時代にも黄昏がくる、ということか。

日本の一部の人々の間で取りざたされている、月面天文台の今後の推移に注目したい。しかし一国主義には陥らないでね。宇宙開発ならいざしらず、科学に国境は無い。

[1/20追記] 福原さん経由の情報。National Geographicがハッブル宇宙望遠鏡のいい記事を書いています。ハッブル存続の署名活動をやっているサイトがあるんですね。ドメイン名取得がすばやい。

[1/24追記] 私の24日の記事にspiegelさんのもっと辺境から戯れ言: DEEP IMPACT MISSIONからトラックバックをいただいたので見にいったら、HST物語が紹介されていました。一見、華やかに見えるアメリカの宇宙開発も、その裏では激しい死闘が何十年にも渡って繰り広げられていたのですね。ハッブル誕生秘話、今こそ一人でも多くの人に読んでいただきたいと思います。特に、日本で宇宙科学の最先端を担っている人々。まだまだ努力の余地(というか、いまだ試みていないアプローチ)があるのではありませんか?

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