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2003.12.31

去りゆく2003年

2003年は宇宙開発関係者にとってきつい一年だった。来年は明るい年になりますように。

この一年を振り返って、5thstar的「今年の十大ニュース」。

コロンビア号空中分解
2月1日、スペースシャトル・コロンビア号が大気圏再突入時に空中分解し、交信が途絶。テキサス、アーカンソー、ルイジアナ各州の住民が、大きな音を聞いたほか空で炎を目撃。西海岸からテキサス、アーカンソー、ルイジアナにかけての広い範囲に破片が落下する。宇宙飛行士リック・ハズバンド、ウィリアム・マックール、マイケル・アンダーソン、デビッド・ブラウン、カルパナ・チャウラ、ローレル・クラーク、イラン・ラモンの7名全員が死亡。

新生JAXA発足
10月1日、宇宙開発事業団(NASDA)、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)が統合されて宇宙航空開発研究機構(JAXA)が発足。

中国が初の有人宇宙飛行に成功
10月15日、中国が初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功、ガガーリン、ジョン・グレンから42年ぶりに世界で3番目の有人宇宙飛行技術を保有する国となった。

コロンビア号事故調査委員会報告
8月26日、コロンビア号事故調査委員会(CAIB)が報告書を公表。コロンビア号が再突入時に空中分解した原因は、打ち上げ後81.7秒に外部燃料タンクから落下した断熱材の破片が左翼前縁を直撃し、耐熱タイルに穴が開いたためと特定。調査委員会が勧告する再発防止策は外部燃料タンクの製造工程の見直しから軌道上での耐熱タイルの修理、NASAの安全軽視の組織文化の見直しなど多岐にわたる。248ページの報告書をNASAは77,935部コピーし、本部と10ヶ所すべての事業所の全職員に配布。シャトルの事故を再発させないための報告書だが、提言のうち85項目がNASAの他のプロジェクトにもあてはまるという。印刷と郵送の費用だけで約2,800万円。

野口宇宙飛行士がシャトル飛行再開時のメンバーに
4月26日、NASAのオキーフ長官がコロンビア号事故後初のフライトとなるSTS-114のメンバーを発表。3月1日に打ち上げ予定だった野口宇宙飛行士も選ばれる。打上げは2004年9月12日から10月10日と想定されている。シャトルの耐熱タイルが損傷した場合の軌道上での修理方法などを確立する。

SpaceShipOneが音速の壁を突破
「2005年1月1日までに民間資金だけで3人乗りの宇宙船を高度100kmまで打ち上げ、無事に帰還させ、同じ宇宙船で2週間以内に再度打ち上げる」ことを初めて達成したグループに賞金として1千万ドルを与える「Xプライズ」に7カ国27チームがエントリー、競争が白熱。ライト兄弟の初飛行から100周年にあたる12月17日、スケールド・コンポジット社の「SpaceShipOne」が高度15,000mからの飛行でマッハ1.2を突破。設計者は1986年に無着陸・無給油で世界一周を達成した軽飛行機「ボイジャー」を設計したバート・ルタン。

ガガーリン宇宙飛行士訓練センターでの訓練
古川、星出、角野の3宇宙飛行士が「ソユーズ宇宙船の運航技術者の資格の取得」のため、7月7日から9月26日までガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練。

NASDAプレスリリース
ISS計画においてソユーズ宇宙船は、ISSへの搭乗員の輸送手段として活用されているとともに、当面唯一の緊急帰還機であることから、ソユーズ宇宙船の運用技能を有していることは、ISS搭乗宇宙飛行士の技量として、高く評価される。
「きぼう」船内実験室がNASAに到着
国際宇宙ステーションの日本の実験モジュール「きぼう」の与圧部が5月2日に横浜港を出港、同30日にNASAケネディ宇宙センターに隣接するポートカナベラル港に到着。

第18回世界宇宙飛行士会議
10月12日から17日にかけて日本科学未来館で第18回世界宇宙飛行士会議が開催。14カ国64名の宇宙飛行士が参加

5thstar.orgオープン
コロンビア号事故の弔意と請願を受験仲間で起草。ガガーリンの人類初の宇宙飛行とスペースシャトル初飛行の記念日の4月12日に弔意と請願の英語版を米国大統領とNASA長官に、日本語版を総理大臣、文部科学省大臣、NASDA理事長に送付。4月30日、webサイト http://www.5thstar.org/ を開設。

*****

野口聡一宇宙飛行士からの年頭所感が21時現在、もうJAXAのwebに掲載されている。数時間早いぞ... 大晦日の勤務ご苦労様です > web関係者さま ^^;

「日本の「匠」の心意気を持った宇宙飛行士としてがんばりたいと思います。」
その心意気やよし! 来年もよろしくね。

NASAの火星探査機と米国のスパイ機関

今月から来月にかけて、日本、欧州、アメリカの4機の火星探査機が相次いで火星に到着する。日本のJAXA/ISASの火星探査機「のぞみ」は 1998年7月の打上げの後、紆余曲折を経て今月14日に火星に最接近の後、太陽を周回する人工惑星となった。

欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機ビーグル2号も25日に火星に着陸したと思われるが、信号を傍受することができず消息を絶ったままとなっている。ビーグル2号のチームは現在、火星軌道周回中の母船であるマーズエクスプレスが軌道を修正して、1月4日に更新可能な距離にまで降りてきた時に交信が出来ることに期待をつないでいる。[
時事通信, AP(SPACE.com)]

日本と欧州は今回が初めての火星探査の試みになる。アメリカとロシアは1960年代からそれぞれ火星探査機を送り込んでいるが、それぞれに失敗を積み重ねてきた歴史を持っている。

*****

4年前の1999年、NASAが火星の南極への着陸を試みて消息を絶ったマーズポーラーランダーという探査機について、一週間ほど前のSPACE.comに興味深い記事が載っていた。

1999年12月3日、火星の南極への軟着陸のために降下したマーズポーラーランダーが消息を絶った。1ヶ月後、NASAはミッションの失敗を宣言。その2年前から火星軌道を周回していた別の探査機、マーズグローバルサーベイヤーに搭載されたカメラを使って捜索を始める。捜索、といっても、カメラの解像度はポーラーランダーの大きさ(2m)ぎりぎり。NASAはNational Imagery and Mapping Agency (NIMA)に画像分析とポーラーランダーの捜索を依頼した。NIMAとはアメリカの国家保安のために地球表面の画像情報の解析を行う機関。つまりスパイ衛星の画像分析を扱うところ。

2001年3月にNASAとNIMAの共同報告書がまとまった時、NASAとNIMAの見解は大きく分かれる。NIMAはマーズポーラーランダーの着陸機本体とカバー、耐熱版、とおぼわしき3地点のピクセルを見つけた、と主張、NASAはNIMAの「発見」は、カメラのピクセルのノイズではないか、と判断。

決着は2005年に打ち上げ予定のマーズルコネサンスオービターに搭載された高解像度カメラHiRISEの映像が得られるまで持ち越し。HiRISEでは直径1mの物体まで見分けられるという。ただしHiRISEがポーラーランダーの捜索に使われるかどうかは他の科学的観測のための時間との兼ね合いとのこと。

NASAとスパイ機関との関係も面白いが、「1ピクセル分の画像データから情報をどこまで絞り出せるか」というのは興味深い問題。同じ地点を数枚、違う光線の状態で撮影できれば、火星表面のアルベド(反射率)の違いから、それぞれのピクセルが隣とどのように異なる振る舞いをするかがわかる。NIMAには岩石と人工物のアルベドの違いを解析するデータベースでもあるのだろうか。んでもって、そういうデータベースを使って地球上の全ての地点を日夜解析しているのだろうか。

なんの根拠も無いけれど、NIMAが提示したポーラーランダーの運命、つまり、探査機はどうにか軟着陸に成功して、その後、何らかの理由で通信が確立できなかった、は、案外正しいのではないか、という気がなんとなくする。

記事の最後にポーラーランダーを製作したロッキードマーチン社のSteven Jollyのコメントが載っている。「もしそうだとしたら、一体全体なんであいつは動作しなかったんだ?」

*****

[04/1/10 追記]

火星表面のどこに探査機がいるか分かっている場合、軌道を周回するマーズグローバルサーベイヤーが姿勢をその地点にあわせて修正することにより、50cm程度の大きさのものまで識別できる手法を開発したという。

SPACE.com: Orbiter Photographs Viking 1 and Pathfinder Landers on Mars' Surface

残念ながらビーグル2号やマーズポーラーランダーはこの手法では探せないとのこと。

2003.12.30

みどり2号の事故原因調査

JAXAの地球観測衛星「みどり2号」が10月25日に太陽電池パネルの発生電力が突然低下して、機能停止に陥った件。

旧NASDA、旧ISAS、旧NALの宇宙三機関が統合して「新生JAXA」が発足してから4週間、というタイミングでこの事故が発生した。先代のみどりは6年前の1997年6月30日に太陽電池パネルが破断して運用停止に陥っている。

みどり2号の機能停止の原因については、ちょうどそのころ発生した大規模な太陽フレアとの関連も取りざたされたりしたが、その後、宇宙開発委員会の調査部会で事故原因の調査と対策の検討が進んでいる。

JAXAが10月27日に発表したプレスリリースを見ると、事故発生当時、太陽電池パネルからの発生電力が3分間の間に段階的に低下していく、という非常に特徴的な症状を示していて、私も素人ながら11月4日の日記で原因を推測してみたりした。結論からいえば、この時の私のさまざまな推測はどうやら完全に的外れだ。

12月15日に宇宙開発委員会第7回調査部会が開催された。JAXAが提出した調査資料がみどり2号のプレスリリースのページで公開されている。


  • 環境観測技術衛星(ADEOS-II)「みどりII」の運用異常に関する機械的挙動の検討状況について(PDF 196KB

  • 地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)「みどり」軌道上事故を反映した環境観測技術衛星(ADEOS-II)「みどりII」太陽電池パドル(PDL)の設計変更と検証試験について (PDF 233KB)

  • 地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)「みどり」軌道上事故の環境観測技術衛星(ADEOS-II)「みどりII」への反映について(PDF 610KB

  • 添付資料(図表集)(PDF 2.2MB)

また12月24日には第51回宇宙開発委員会が開かれ、この時の資料も掲載された。

  • 「みどりII」の太陽電池パドルに関する開発時の試験・検査について(PDF 2.82MB

  • 「みどりII」運用異常に関する機械的挙動の検討状況について(その2)(PDF 57KB) 

  • 報告 添付資料(図表集)(PDF 598KB

まだ様々な調査が進んでいる段階なので、私のような素人があれこれ口をはさむすじあいはない。が、調査部会は現在、太陽電池パネルの様々な機械的故障を念頭において調査を進めているように見受けられる。

私が驚いたのは15日の資料(PDF)の「図2ー1 事象Aと事象Bの推定姿勢角の差」と「図2ー13 太陽電池パネル温度(ブランケット温度)の1,2回帰(4,8日)前との比較」。地球の影から太陽のあたる場所に出てきて、太陽電池パネルの温度がマイナス80度からプラス30度付近まで急上昇するタイミング(事象A)で一度、衛星が赤道面を通過して温度がほぼ最高のプラス50度近くまで上昇したタイミング(事象B)でもう一度、衛星の姿勢が微妙にぶれている。電力低下事故はこの事象Bのタイミングで起きた。

この時点の報告書にははっきりと原因を特定するような表現はないものの、「図2ー16 部分破断とした場合のあり得る場所」を見ると、太陽電池パネルのブランケットが破れたシナリオと、ブランケットと隣のブランケットをつなぐヒンジの部分が破断したシナリオの二つが有力候補として検討されているように見える。
性懲りもなく私の邪推だが、この調査の状況からすると、太陽電池パネルの一部分が3分間かけて、プチプチプチ、と破断していくことによって、衛星に微妙な回転モーメントが発生したのではないか。だとすると、これは太陽電池パネルの構造的問題だ。パネルの部分的破断のシナリオから回転モーメントが計算できてデータとの照合ができるだろう。今後の調査の進展に注目したいところ。

24日の資料(PDF)でも、製造試験中の様々なトラブルがレビューされているが、28ページに1999年11月の太陽電池パネルの熱真空試験後にヒンジ部分に亀裂が発生した事象が報告されており、同様に1999年12月(30ページ)にはパドル組み立て作業中にブランケットの一枚に亀裂が発生している。この他にも大小様々な地上での障害がまとめられている。

11月4日の日記でも書いたように、みどり2号の太陽電池パネルは25mプールの2コース分ほどもある巨大なものだ。近くで見るとその巨大さに圧倒される。しかし先代のみどりは地球を一周する約90分ごとマイナス80度からプラス50度までの過酷な熱膨張と収縮のサイクルに耐えることができず、打上げから10ヶ月ほどで太陽電池パネルが破壊されている。みどり2号も奇しくも10ヶ月後に太陽電池パネルのトラブルに見舞われた。原因はまだ特定されていないものの、調査部会は構造上のトラブルを追求しているように見受けられる。

特定のメーカーが非難される話もちょっと耳にするけれど、それだけで済む問題なのだろうか。公開された資料の一部を読んでみて感じる個人的な感想は、この巨大な太陽電池パネルは、まだR&D段階だ。実用の一歩手前、というところか。そのような段階の衛星に海外の研究機関の観測装置などを引き受けられる状態だったのだろうか?

ジャーナリスト松浦晋也氏によると、みどりやみどり2号が現在のようなプロジェクトになった背景には、アメリカのスーパー301条が強く関係しているらしい。

太陽電池パネルは本来、人工衛星にとって最も基本的な部品のはず。いわば枯れた技術、であるべき。宇宙開発委員会は、利用者・受益者の観点に立って、プロジェクトの企画段階にまで立ち戻って、プロジェクトの進め方や政治的要因や時代背景にまで踏み込んだ、しっかりとした調査をしてほしい。需要の無いところに技術は育たない。責任者のはっきりしない「おみこし型経営」だけはこれからのJAXAではあってはならないと願う。

一時期、みどり2号関連のwebページの更新が少なくてちょっと心配したけれど、以前より詳しく資料が掲載されるようになってひと安心。

2003.12.29

自作スタイルシートの覚え書き

ココログに引っ越してきて以来、@nifty謹製の「ライン:ネイビー」というスタイルシートを使ってきたけれど、これだと、青地の背景に白いゴシック体の文字がちょっときつすぎる。眼が疲れる。

ということで、styles.cssをちょっといじって文字色を変えて、アップロードしたら、ちょっと雰囲気が変わった。しめしめいい感じ。

と思っていたら、誰かからコメントが入ったり、新しい記事を書くたんびに、上書きされてしまうのね、styles.css。そうかみんなが騒いでいたのはこの仕様のことか。

ということで、ココログ内でのスタイルシートカスタマイズのあるべき姿について、ちょっと調べてみました。

詞織: 自作スタイルシートの適用

どうもこれがいちばんお手軽らしい。

body要素内でlink要素使うのは邪道
という問題はあるけれど、ま、いいか。

トモダチのトモダチ:Javascript を利用してスタイルを変更する(2)

これだとXHTMLの文法違反は避けられる。でも、これって、スタイルシートじゃないよなぁ... 悩みは深し。

もっといい方法があったら教えてくださいまし

いちばんいい解決策は@niftyがスタイルの設定のページに

「記事投稿のたびにスタイルシートを上書きしない(上級者向け設定)◎はい ○いいえ」

という項目を追加してくれることだと思うぞなもし。

あるいはユーザー自作のスタイルシートのアップロード(上級者向け設定)を許してくれるか。

At your own risk! ってやつね。

*****

[2004/1/1 追記]

まちゃみさんのページ
http://ftokyo.cocolog-nifty.com/sysop/2003/12/55.html

でIE5.5での見え方を教えてもらったので、スタイルシートの修正をやってみた。

◆IE 6.0でIE5.5の見え方の確認

まちゃみさんのページ
http://ftokyo.cocolog-nifty.com/sysop/2003/12/55_1.html
insomniaさんのページ
http://insomnia.jp/days/archives/e20031230_0157.html

を経由して、娘娘飯店しるきぃうぇぶさんのページ
http://www.remus.dti.ne.jp/~a-satomi/bunsyorou/Doctype-Switch_situation.html

Internet Explorer 6.0 (Win) について
* DOCTYPE 宣言の出現以前に半角空白または改行以外の文字が存在する場合、有無を言わさず Quirks モードとなってしまうようです。という事は XML 宣言のあるXHTML の場合は、上記理由でQuirks モードとなってしまうという〜。なんじゃそりゃ。
という記述を発見したので、ローカルに保存した自分のページの一行目の

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD ..... >

の手前に <!-- dummy --> を追加したら、IE6.0で無事?「本文の下にふっ飛ぶ右サイドバー」を再現することができました。なんじゃそりゃ〜>Microsoft

◆なんちゃってデフォルトスタイルの変更

@nifty謹製のスタイルシートにあまり手を加えたくないので、とりあえず必要最低限の応急修理。

詞織さんのページ
http://siolli.cocolog-nifty.com/blog/2004/01/post_1.html
を参考に。

「本文の下にふっ飛ぶ右サイドバー問題」

#container {
    line-height: 140%;
       margin-right: auto;
     margin-left: auto;
     text-align: left;
     padding: 0px;
     width: 800px; <---- ここを 802px; に変更

IE5.5では領域のボーダーの解釈が標準と異なるということなので、スタイルに「ライン」を選んでいる人は、左右のサイドバーの両脇にある1ピクセルのラインの分だけ全体の幅に余裕を持たせるわけですね。

「背景が暗いスタイルではカレンダーの見え方が最悪になる問題」

スタイルシートに

th, td {
     color: #nnnnnn;
     }

を追加。「#nnnnnn」の文字色は、本文の文字色などに合わせておく。

例えば

.content {
     padding: 15px 15px 5px 15px;
     background-color: #000011;

     color: #cccccc; <---- この部分

HTMLソースを見ると、カレンダーが

<div id="right">
<div class="sidebar">
<div id="calendar">

などで修飾されているけれど、どうもIE5.5ではこの部分がナマの<TH>とか<TD>と思われているみたい。ということで、文字色を本文で使っているのと同じものに合わせてみた。みなさんが試される時は必ずいろいろなブラウザで動作確認してください。

「引用文のフォントサイズ」

.content blockquote {
     line-height: 150%;
     font-size: x-small; <---- この部分を追加
     }

これは好みの問題だけど、私は引用文のフォントサイズを本文より小さくさせたかったので、こうしてみました。

*****

[2004/1/12 追記]

フルカワマサユキさんの記事
を拝見して、macstyles.cssの中身をstyles-5thstar.cssに取り込んでみました。新着記事一覧の文字化け問題が解決するのか、って思ったけど、そうではなくて、サイトのコメント欄にMacOS XとIE 5.2の組み合わせで入力すると文字化けしてしまう問題、なんてのがあったんですね。

私のこの問題のほうは、どうもクィック投稿の内容にUTF-8とShiftJISで矛盾する文字が紛れ込むか紛れ込まないか、というのがポイントらしい。MacOS X版Mozillaの設定あるいは仕様の限界のような気もするけれど、追求する気力が無いので、もうしばらく様子を見ることに...

話は変わってRSSリーダーの問題。これもフルカワマサユキさんのところで話題になってる。私自身はRSSリーダーを使わない人なので、この問題にはindifferentなのだけど、もともとは@nifty御社がスタイルシート変更の自由度をユーザーに与えなかったこと、と、ココログユーザーの数が、これまでの日本のblog界を凌駕しかねない勢いであることからくる既存のRSSリーダー開発者との葛藤が問題の根本であるわけで、私は個人的にフルカワさんの立場を支持するであります。いつもありがとうです。

そもそもMozillaの前のNetscapeの前のMosaicがなんであの時代にあれだけシェアを伸ばして世界征服することができたかというと、清濁合わせ飲む度量の寛さがポイントだったわけで...

2003.12.28

イラン南東部地震の救援金情報

イラン南東部で26日未明に発生した地震の被害者が2万人に達する可能性がある、という。

日本のマスコミの義援金情報の動きが鈍い、と、気になっていたら、そろそろ提供されはじめた。

NHKニュース:イラン地震 NGOが現地情報
NGO団体「ジャパン・プラットフォーム」が被災者を支援するための募金の受け付けをはじめた。口座番号は郵便振替で「00120−8−140888」、口座名は「ジャパン・プラットフォーム」とのこと。

日本赤十字の救援金情報はこちら

犠牲者の数は5000人とも1万人とも2万人ともいわれ、いまだ全貌はつかめていないという。

2万人といえば、小型の都市一つがまるごと無くなってしまうほどの、想像を絶する数字だ。1945年3月10日未明の東京大空襲による死者・行方不明者が約10万人。長崎の原爆の死者が約7万人。

地震発生から2日。今も夜間には氷点下になるがれきの下に閉じ込められて、緩慢な死を待つだけの状態の犠牲者がいるのだろうか。

ダイヤルQ2や、銀行口座がオープンすれば、電話やネットバンキングで募金が出来るのだが... 日本のマスコミ、特にテレビ局の今後の動きに期待。明日、郵便局に出かけてこよう。

犠牲者のご冥福をお祈りします。

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[12/28 19:20追記]
マージさんからトラックバックをいただいたので見にいったら、朝日新聞が12/27 18:05の情報としてすでに記事にしていました。

日本災害救援ボランティアネットワーク(神戸市中央区)
三井住友銀行西宮支店(普通預金7022170)
名義「NVNAD海外支援口」

CODE海外災害援助市民センター(神戸市兵庫区)
口座名「CODE」
郵便振替00930・0・330579
通信欄に「イラン支援」と書く

ジャパン・プラットフォーム(東京都千代田区)
口座名「ジャパン・プラットフォーム」
郵便振替00120・8・140888
通信欄に「イラン地震」と記入する

*****

[12/28 22:45追記]
オーボエ試聴室 別室さんのこの記事によると、日本ユニセフでも募集が始まったようです。

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[12/30 22:55追記]
tempestさん
経由でasai.comの記事

在日イラン大使館が義援金の受付用の銀行口座を設置。振り込み口座は「東京三菱銀行虎ノ門支店 普通預金口座1647375 イラン大使館」

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[1/28 追記]
大阪外国語大学ペルシャ語専攻において、支援団体のためのペルシャ語無料翻訳やその他の救援情報のページが開設されています。

http://www.osaka-gaidai.ac.jp/~mes/persian/JISHIN.HTML

NASAの近藤陽次博士

なにげにテレビを見ていたら、NASAの近藤陽次博士が紹介されていた。日本テレビの「笑ってコラえて世界へ」の「アッパレ日本人スペシャル 〜日本列島ダーツの旅〜」で。10月に放送された番組の再放送らしい。

近藤博士のご高名とご活躍ぶりは70年代の科学朝日などで知ってはいたものの、少年時代の生い立ちとかは知らなかったので、思わず番組に引き込まれて見入ってしまった。

子供の頃、星が好きで、天文学を学びたいと思う。東大受験に失敗、一浪の後、東京外語大に入学、ポルトガル語や英語などの各国語を学び、米軍基地に潜り込んでは兵士と話し込んで英会話を習得。ニューヨークに渡り、働きながらニューヨーク市立大学の夜間学部に学ぶ。全米各地の大学に手紙を書いてペンシルバニア大学の天文学科の大学院に進む。NASAのゴダード宇宙センターの部長に認められ、就職、紫外線天文衛星の打ち上げに関わる。その後、月面天文台の企画や恒星間物質の研究など。

1983年からEric Kotaniの名前でSF小説も執筆。代表作に「Delta Pavonis」など。へぇ、知らなかった。

TVレポーターの質問にさりげにとぼけてみせる飄々とした性格はなかなかのもの。早速宇宙開発Who's Whoに登録。

夢をどんどん現実のものにしていく人生が素晴らしい。アメリカならではのサクセスストーリー。

では、日本にはこのような奔放な人物がいないのか、というと、そうでもない。スケールの大きさでは故・糸川英夫博士も負けてはいないし、現代においては私の知る限りではこの人物がどのように成長していくのか楽しみだったりする。

JAXAが官僚の牛耳る世界で終わってしまうのか、技術者が夢を羽ばたかせることのできる職場に変貌するのか、スケールが大きくて元気のいい人々の今後の活躍に注目していきたいと思う。

2003.12.27

宇宙関連TV番組情報

受験仲間のMさんからの宇宙関連TV番組情報。
掲載をしばらく忘れてました。ごめんなさい。

12/28 日 18:00〜18:45 NHK BS1
    特選・プロジェクトX 宇宙ロマン・すばる (再放送)
1/ 3 土 11:45〜12:35 NHK教育
    140億年・時の旅・デジタル技術で見る大宇宙
1/ 6 火 20:00〜20:45 NHK総合
    プロジェクトX 南極・未踏の地に懸ける 第一部
1/ 6 火 21:15〜22:00 NHK総合
    プロジェクトX 南極・未踏の地に懸ける 第二部
1/11 日 23:40〜24:10 テレ朝
    素敵な宇宙船地球号
    HACCP・食の安全、ヒントは"宇宙"
1/17 土 11:00〜11:30 テレ東
    ワザありニッポンの旅 顕微鏡から望遠鏡まで
1/24 土 9:15〜10:00 NHK教育
    科学大好き土よう塾 火星

*****

1/18 日 20:00〜21:00 SkyPerfecTV 741ch
    ナショジオ・ライブ・スペシャル
    火星:生命は存在するのか
    生番組で、NASAの探査機からの映像も見られる予定?
1/11 日 20:00〜22:00 SkyPerfecTV 741ch
    宇宙スペシャル 無限銀河の中の地球
    宇宙に向けて
    地球外生命体を探せ!
    宇宙開発と遊牧の民

1/13 火 24:00〜25:00 SkyPerfecTV 321ch
    火星を目指して 火星への夢 (2001年放送?)
1/20 火 24:00〜25:00 SkyPerfecTV 321ch
    火星を目指して 人体の限界 (2001年放送?)
1/27 火 24:00〜25:00 SkyPerfecTV 321ch
    火星を目指して 火星探査技術 (2001年放送?)

1/ 3 土 28:30〜29:00 SkyPerfecTV 252ch
    宇宙開発の未来は
    スペースシャトル・コロンビア号の悲劇から
    再放送 1/4 11:30〜、16:30〜、20:30〜。

*****

おまけの話。

先日、F1レーサーのシューマッハがジェット戦闘機とスピード競争したとNHKのニュースでも放送されていました。NHKではなぜか触れられていませんでしたが戦闘機に乗ったのはイタリアの宇宙飛行士でマウリシオ・チェリさんだそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/sports/nov/o20031111_40.htm
http://www.sponichi.co.jp/car/kiji/2003/12/12/02.html

NASAのweb siteで調べてみたら、若田さんの同期の方のようです。
http://www.jsc.nasa.gov/Bios/astrobio_international.html

毛利さん他多くの方が、"Returned to home agency"となっているのにこのチェリさんだけ"Former"となっているのはどうしてなのかわかりませんが。

今回のイベントはイタリア空軍の宣伝が目的で、宇宙飛行士の宣伝ではないようですが、こんな風に有名人を呼んできて日本の宇宙飛行士の宣伝ができないでしょうかね?

*****

とのこと。Mさん、まいどどうも!

社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会

私の住基ネット関連の記事にトラックバックをいただいたので、spiegelさんのところの記事を見にいってみました。

完全なセキュリティはありません。セキュリティはプロセスです。
に同意。総務省と長野県知事のつばぜり合いの現状は、まさにこのプロセスを殺してしまう子供の喧嘩のようなものだ。技術不在の論争ほど不毛なものは無い。

spiegelさんの記事で紹介されているCSPR/Japan(社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会)のチェアマンの山根信二さんの論文
 「住民基本台帳カードをベースとした
  連携ICカード導入の技術的問題点(PDFファイル)」
を読んでみて、連携ICカードと住基ネットの「業務端末」の現状を知った。事態は私が想像していたものよりかなり深刻なようだ。

論文の末尾にある、

日本が他国に先駆けて多目的の住民スマートカードを発行できるのは、日本の電子政府/電子自治体の先進性を示すものではなく、むしろ技術的知見に基づいて積み重ねられるべきセキュリティ文化の欠如と開かれた民主制の不在を示すものである。
に激しく同意。

住基ネット関連

NHKニュース: 総務省 住基ネット安全対策へ
住基ネット調査委員会は、市町村のCSサーバー経由で個人情報が改ざんされる可能性に対して対策を講じることになったという。NHKニュースによれば、対策の骨子は(1)希望する自治体にコンピュータの安全性の診断を実施する(2)市町村がコンピュータの管理運営を委託している民間業者を対象に研修会を開く(3)各自治体に住基ネット掲載の個人情報と住民の異動届を照合するよう要請する、など。


復活したココログル
を使って、ココログ内の記事を覚え書き。Curryさん、ありがとう。

ぶろぐ@たけ: 住基ネット侵入実験
K's Diary @ cocolog: 住基ネット
もっと辺境から戯れ言: お宅の「住基ネット」は大丈夫?
薫風堂生活(偽): 住基ネットの進入実験に思う
キになる日記: 住基ネット

システムのセキュリティというのは鎖をいくつもつないだ状態のようなもので、鎖をひっぱると、いちばん弱い輪っかが切れてしまう。

毎日新聞の記事によると、麻生太郎総務相は「(センターが管理する)肝心のファイアーウオール(不正侵入の防壁)は突破されていない」と発言したという。これに対し長野県側は「不正アクセス禁止法に触れる恐れがある」として、もともと実験の対象外としていた、とのこと。ここまで議論が噛みあわないのも悲しいし無責任。

総務省は「仮にCSやCS端末を自由に操作できたとしても、操作者用ICカードによる認証がないと住基ネットの個人情報の盗み見はできない」との見解。逆にいえばICカードに記載された操作担当者の秘密鍵が入手できればいろいろできるってことだろうか? CSサーバーのケーブルを一時的に抜いたら地方自治情報センターがこれを感知し、警報が鳴り響く、ってくらいだから、操作担当者の操作ログが逐一保存監視の対象になっていたとしてもおかしくはないけれど。

住基ネットを運用しているのは総務省の外郭団体地方自治情報センター。このセンター自身の安全性評価は総務省側が民間会社に委託して実施したものだけだったっけ。公正な第三者が安全評価を実施できるように不正アクセス禁止法との関係を明確にしておく必要を感じる。

もう一つの、というか、根源的な問題は、総務省と地方自治体とのシステム構築上の責任のたらい回し、かな。総務省にしてみれば責任分界点は明確にしてあるつもりかもしれないけれど、実際に個人情報が流出してから裁判所が責任の所在を判断する、という以外に手段はないものだろうか... 住基ネットの「セキュリティの鎖」が足並みを揃える日はくるのか? 決着がつくまで10年はゆうにかかる仕事。

長野県と地方自治情報センター自身のセキュリティポリシーって、どこかで閲覧できるのかな?

*****

[2004/1/28 追記]
INTERNET Watch: インターネット事件簿: 第4回:「住基ネット侵入実験」をめぐる総務省と長野県の知られざる暗闘 佐々木 俊尚

に、今回の事件の舞台裏が詳細に解説されています。なるほど納得。まさに戦争ですね。

2003.12.26

気になるニュース覚え書き

14mの灯台が一夜にして消失

[12/27追記] SoftEtherのダウンロードが再開されました。
SoftEther のダウンロード再開のご案内


非公開になったSoftEther。その背景と今後

SoftEtherの提起する問題
経産省が要請 : 配布停止ソフト その経緯
まさか、こんなことになるとは

2003.12.25

視力回復トレーニングソフト

宇宙飛行士になるためには募集要項にもあるように、「両眼とも裸眼視力0.1以上かつ矯正視力1.0以上」であることが求められる。昔、マーキュリー計画やジェミニ、アポロ計画の時代の宇宙飛行士は、軍のテストパイロットから選抜されていたので、視力がよいことは絶対条件だった。その頃と比べると、選抜の基準はぐっと緩められたといえる。

とはいえ、日本には近視の人が多い。これは日本の住宅事情や街並や日常の風景の「狭さ」が大きく関係していると思うのだが*、この視力の検査で選抜に落ちてしまう人が意外に多い。

*: アメリカで生活していると、不思議と眼が良くなる。空気が澄んでいて、遠くまで見渡せる上に、街並が広いので、遠くまで見る必要に迫られる。

というわけで、宇宙飛行士になりたい人は、眼の健康に気をつけましょう、という話。

私は小学生のころは左右とも視力1.5だった。それが中学生になるとだんだんと落ちてきて、「視力回復センター」なるものに通ったことがある。

ひと口に「視力回復センター」といっても、いろいろなものがあるらしいのだが、私が通ったところは、毛様体を運動させ、リラックスさせる手法をとる。近眼鏡をかけて無限遠を20秒見つめ、至近距離を5秒見つめ、を5セットほど繰り返して1クール。さらに無限遠以遠を見つめ... を5分か10分ほど繰り返して、眼の体操をして筋肉をリラックスさせる。

旧日本海軍のゼロ戦の撃墜王、坂井三郎氏は、視力を良好な状態に保つために、一日一回、遠くの山のてっぺんに生えている木の葉っぱの枚数を数える訓練をしたという。レーダーがまだ実戦に使われていなかったころ、敵機よりも先に相手を見つけるのが空戦に勝つための絶対条件だった時代。

視力回復訓練が功を奏したかどうか、私の視力は悪くなりつつも、裸眼で車を運転できる程度。

この毛様体の訓練をパソコンの画面を見つめながらできるソフトが登場したらしい。

ZDnet リビング+ PCを見るほどに視力回復? 謎のソフトの実態は……

なかなか理にかなっている。これから宇宙飛行士になりたい方、視力が悪くなってしまう前に導入することをお薦めします。一度悪くなってからではなかなか治らない。歯磨きと一緒で、毎日の習慣が大事。将来パイロットになりたい人も、ね。

ところで宇宙飛行士になりたい人は、レーザーによる外科手術だけは避けるようにしたほうがよいと思う。詳しくはJAXAのFAQのページをご覧あれ。

2003.12.24

マイクロソフトと科研費特定研究

宇宙開発とは関係無いけれど、black_nightさん経由でマイクロソフトのプレスリリース文部科学省 科学研究費補助金 特定領域研究「安全な情報基盤」とマイクロソフトがコンピュータセキュリティ技術向上に向けて協力を発見!

今回、マイクロソフトはソースコード ライセンス プログラムの「マイクロソフト ソース コードアグリーメント」を通じて、「安全な情報基盤」に参加している6大学へ提供することを予定しています。これは、日本国内の大学では初めての取り組みとなります。今回、マイクロソフトは、「安全な情報基盤」と協力することで、信頼性のあるコンピュータ環境の実現、日本のセキュリティ研究に寄与します。
こ、これはちょっと聞き捨てならんなぁ。税金を使った研究が特定の企業のOSの覇権に利することがないように、関係者は厳に注意してことを進めてほしい。

セキュリティ向上になにが必要かやっと気付いたか、ゲイツ君よ... ちょっとおそ過ぎの感があるが...

12月16日の長野県知事の住基ネットの安全調査の会見記録が興味深い。会見資料はこちら。ネタ元はここの12月17日と19日の記事。ここまで詳しく中身が分かってしまえば、ちょっとその気になればすぐに...

住基サーバーにどのOSが使われているか知らないけど、CSサーバーがWindows 2000では...

[12/31修正] S.N.さんからいただいたコメントに鑑み、誤解を招く可能性のある表現を修正しました。

JAXA関連ニュース

JAXA関連のニュース記事

Yahoo時事通信: 五代宇宙開発委員が参与に=H2Aの「生みの親」
1月5日に宇宙開発委員を退任する五代富文氏が参与に。H-2A 6号機とみどり2号の事故原因究明を担当。

Yahoo読売新聞: 噴射口上部で燃焼ガス漏出か、H2A失敗で報告
今日の調査部会に報告したという。JAXAのwebにはまだ。

あと、JAXAではないけれど、ESAの火星探査機ビーグル2号がいよいよ明日、火星に着陸。Yahoo共同通信

ESAといえば、2033年に人間を火星に送り込む計画を練っているらしい。う〜ん、行ってみたいなぁ。そのころまで生きていれば、だけど。ジョン・グレンの例もあるし、ね。宇宙放射線のことを考えたら、老人を送り込むほうがよいのよ。なんちって。^^;

チェーン銀河団:70億年前の巨大銀河団形成の現場

すばるトピックス:「鎖状(チェーン)銀河団:70億年前の巨大銀河団形成の現場」

我々の銀河系からお隣りのアンドロメダ銀河までの距離の約2倍に相当します。わずかこれだけの空間に数百の銀河がひしめいています。

う〜ん、絶句。70億年前には宇宙ってもっと混雑してたのね。

2003.12.23

宇宙ステーションクルーのXマス休暇

JAXA Space Station: 国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #03-64

クリスマスには宇宙ステーションの滞在クルーもお休み。家族と水入らずのテレビ会議とか。

19日の日記で書いた宇宙ステーションの酸素補給の詳細が出ています。

エレクトロンは間欠的に運用されており、気液分離用のポンプに空気が入ったときには停止されています。この問題は膜の寿命で生じる、過去に経験済みのものと考えられています。交換品は軌道上にありますが、フライトコントローラたちは新しいものを使う前に出来るだけ長く運用を続ける計画にしています。
.....
プログレス補給船の酸素を使用することにより、エレクトロンの連続的な使用は必要なくなります。

夢を紡ぐ人びと

Lunar Embassyという会社がある。いくばくかのお金を払うと、月や火星の土地1エーカー分(約1200坪)の権利証を送ってきてくれる。日本の代理店はこちら

「じつは私、月の土地、持ってます」なんていう著名人もちらほら見かけるようになった。などという私も、この前の誕生日に妻から月と火星の土地をプレゼントされた。「月と火星にサッカー場ぐらいの広さの自分の土地がある」なんて、ちょっと夢のある話。

法律的にはどうなんだろうか。ルナエンバシー社の解説を見ると、

月の土地を販売しているのは、アメリカ人のデニス・ホープ氏。
(現アメリカルナエンバシー社CEO)
同氏は、「月は誰のものか?」という疑問を持ち、法律を徹底的に調べました。すると、世界に宇宙に関する法律は1967年に発効した、いわゆる宇宙条約 しかないことがわかりました。この宇宙条約では、国家が所有することを禁止しているが、個人が所有してはならないというは言及されていなかったのです。
とのこと。

では、個人が月や火星の土地を売買してもいいものだろうか。これにはやはり賛否両論あって、「夢のある話だからいいじゃないか」という人とか、「人の夢をネタに金儲けするなんて」という人とか、宇宙条約が個人の活動を規定していなかったことに気付いて国連が慌てて作った月協定の精神を遵守せよ、という人とか、「月協定はいまだ10ヶ国でしか批准されていない」という人とか、じつにさまざま。ハインラインのSF短編小説「月を売った男」とその続編「鎮魂歌」を彷佛とさせる話。個人的には「鎮魂歌」の雰囲気は大好きだ。

国立天文台の渡部潤一助教授も雑誌ニュートン12月号の記事でこの問題を取り上げている。JAXAのwebにも月についてのFAQ: 月を探査するときに、守らなければいけない国際条約という解説のページがある。

私個人はどう思っているかというと、公の場では立場上、渡部助教授と同じ見解をとらざるを得ない。でも、一介の天文ファンとして、子供の頃、四国の片田舎で人工の光がほとんどない真っ暗な夜空を見上げていた頃の原体験を思い起こすにつけ、「こうやって人にささやかな夢を与え続ける商売があってもいいんじゃないか」と思う。

でも、夢を売って集めたお金を、どんなふうに使っているんだろう? そもそもこの企画を日本で進めているのはどんな人たちなんだろう?

*****

昨日、受験仲間とのリユニオンで久しぶりに東京まで出ていく機会があったので、ふと思い立って、ルナエンバシージャパンを訪れてみることにした。

negishi.jpg東京の下町のビルの片隅に、その会社はあった。周囲には、いろいろな生活雑貨などの中小の卸問屋やクリーニング屋さん、床屋さんなどが並ぶ。東京と言っても、ここにはふつうの人々のふつうの暮らしがある。lunarembassy.jpgちいちゃな赤ちょうちんには、そのあたりの店のおやじさん達が集まって、夜な夜なご近所のうわさ話を肴に、酒を酌み交わしているのだろう。

ふと、夜空を見上げると、星空が、あまりにも遠い。ヒューストンの宇宙ステーションモックアップや、アムステルダムの宇宙ステーションシミュレーターで感じたつかみどころのない浮遊感と比べると、ここには人間の暮らしがある。選抜受験以来、宇宙飛行士を応援する暮らしを続けてきて、いつのまにか宇宙に行くことが当たり前のように思っていたけれど、宇宙って、こんなにも遠いところだったんだ。


ginza.jpg地下鉄に乗って、リユニオンの会場へ向かう途中、銀座でおりてみた。下町の暮らしとはあまりにかけ離れた喧噪がそこにある。銀座を行き交う人々の夢ってなんだろう?

都会には都会なりに夢を紡ぐ人びとがいる。皆、足早に自分の夢を追いかけ、信号待ちのわずかな合間に街頭テレビを見上げる。ここでもまた、宇宙はあまりにも遠い。

ルナエンバシー社から送られてくるメルマガに、あのX-Prizeに関連した企画の話が載っていた。なるほどね。みんなの夢を紡いで集めたお金は、こんなところにも使われているのか。カリフォルニアのどこまでも青い空の下、私の夢のかけらも羽ばたいてほしい、と、願う。

twilight.jpg考えてみれば、我々、宇宙飛行士選抜受験仲間、というのも、夢追い人なのだ。受験から7年経って、あの頃のことはもう懐かしい思い出でしかないけれど、受験がきっかけとなって、それぞれ第二、第三の人生に踏み出した仲間も数多くいる。安定した大企業を辞めてアメリカに留学し現地で就職しリストラされて、苦労して妻子を養いながら再就職、今はNASAとの共同研究で新型機の開発をしている、という波瀾万丈の人生を送っているつわものもいれば、受験後、一念発起して退職し、司法試験に合格してしまった仲間もいる。人生とは決して一本のレールでは無い。

月と火星の土地は、今後、どうなっていくのだろうか。

ルナエンバシー社には、これからじつにいろいろなことが起きると思うけれど、できることならいつまでも我々に夢を紡ぎつづけてくれる存在であってほしい。

おしゃべりボード

おしゃべりボードを作ってみました。管理人とおしゃべりしてみたいときはこの記事にコメントくださいませ。

有友自遠方来不亦楽乎

hoshide.jpg受験仲間の一人がアメリカから帰国する、というので、都内某所でリユニオン(同窓会)を開いた。イギリス在住の仲間も帰国中だったので、国際色豊かな忘年会に。7年ぶりに会う顔ぶれもいてにぎやかに懐かしく旧交を温めあう。星出少年(写真)も飛び入りで参加! 同じ医学検査メンバーの結束の堅さを再確認。



TokyoReunion.jpgRさん、ご参加ありがとうございました。予想通り?共通の知人がいて、思いがけず先日の披露宴の写真など見せていただき、楽しかったです。

2003.12.21

StarChart @cocolog:さん

cocologに引っ越してきて以来、StarChart @cocolog:さんのサイトに注目してます。すばらしいサイトですね。ということで、ご挨拶兼覚え書きがわりのトラックバックを送らせていただきます。

100万人のキャンドルライト

明日は冬至。

ココログル
によると、Spiegelさんところでも紹介されていますが、明日は100万人のキャンドルライトです。夜8時から10時まで、電気を消して夜空を見上げてみましょう。お風呂にはゆずを浮かべて...

私は某所でリユニオン(同窓会)ですが... (笑

実はコケてたSpaceShipOne

@kazuhi.toさんのブログに実はコケてたSpaceShipOneという記事があるのを発見! 先日、この日記でも取り上げたばかりだったんですが... SPACE.comのスクープみたいですね。着陸後、車輪の一つが引っ込んでしまって、滑走路から飛び出したという。「損傷は軽微で修理できる」とのこと。おおごとでなければいいんですが...

この一連の写真を撮ったカメラマン氏はAlan Radeckiとのこと。

[追記] スラッシュドットジャパンにもスレッドが立ってます。

急速に融ける北極域の海氷

JAXA/EORC: 急速に融ける北極域の海氷

10月25日に機能停止した地球観測衛星「みどり2号」のGLI(グローバルイメージャー)が、事故前に観測した北極の氷の融けぐあいの画像。

近年,8月から9月における北極海海氷の面積や厚さが年々減少していることが指摘されており,地球温暖化現象との因果関係が研究者らによって調査されています。 ..... 地球の反対側の北極海海氷の動向にも,今後注視し続けていく必要がありそうです。

とのこと。

2003.12.20

中国の宇宙飛行士訓練

人民網日文版: 「神舟6号」飛行士チームを選抜 春節後に訓練開始

中国の次の有人宇宙船、神舟6号に乗り込む宇宙飛行士の訓練スケジュールが来年2月(旧正月)からスタートするとのこと。

候補者14人の中から最終的に2人を選抜。

Microsoftと民間有人宇宙飛行

MYCOM PC WEB: あのMicrosoft創業メンバーが宇宙計画! 上空発射で超音速に成功

民間初の有人宇宙を成功させるだろうとの呼び声が高いプロジェクトとして、17日に超音速飛行に成功した、SpaceShipOneを資金面でサポートしているのがMicrosoft創業メンバーの一人のPaul G. Allen氏であることがあきらかに。

「このプロジェクトをサポートできたことを非常に誇りに思う」
「航空業界の未来を開く革新的なスピリッツが伝わってきて、本当にすばらしい」

Microsoftが宇宙へ、という噂はいろいろあったけれど、なるほどね。こういうことか。SpaceShipOneの動向から目が離せない。テストパイロット募集したりしないのかな。なんちゃって。Microsoftのロゴをしょって飛ぶ姿を想像するのはちょっとおぞましいものがあるけれど... :p

[追記] 三菱電機BBサイエンスサイトのDSPACEコラムに「X-Prize」のわかりやすい解説が載ってます。広報用のカメラマンの腕前も相当なものだ。月をバックにしたこの写真なんて、計算して飛行ルートをばっちり合わせなきゃ撮れないよ。それだけ広報に気を使ってるってことか...

アメンボの本

Nikkei BP BizTech: 子供向け「アメンボの本」を買う大学教授の話

宇宙開発の話ではないけど、覚え書き。
こういう着想って大事。

太陽のプロミネンス

ぐんま天文台が捉えた12月14日の巨大な太陽プロミネンスの
動画像。すごい! きれい。地球の何十個ぶんあるんだ...?!

2003.12.19

宇宙ステーションの酸素補給

Florida Today: Space News from the Space Coast

国際宇宙ステーションのロシアモジュールにある酸素発生装置が、1年間の耐用年数に近付いている... 交換用の予備モジュールはステーションにあるが、装置を可能な限り長く使い続けるために、作動させないようにしているという。

乗組員は補給船プログレスから酸素を補給しながら、残り1ヶ月半の滞在を乗り切る予定。

次のスペースシャトルのフライトがいつになるのかまだ見えないから、宇宙ステーション側の消耗部品を可能な限り節約しよう、というわけね。満身創痍。

2003.12.18

MIT学生のイタズラとライト兄弟100周年

Sankei Web: ライト兄弟復元機“失速”100年前の再現ならず
17日、ノースカロライナ州キティホークでライト兄弟の初飛行100周年を記念して式典。復元飛行の試みは失敗。

米国の今後の宇宙開発の方向性に関して注目されていたブッシュ大統領の発言は「米国が今後も航空や宇宙開発を積極的に進める」考えの表明にとどまったとのこと。

MIT News: High-flying hack
MITの学生は数年に一回、キャンパス内でなにか人目をひくイタズラを仕掛けるのが伝統。MITのシンボル的存在の大講堂(the Great Dome)がイタズラの標的になることが多いらしい。で、今年はこれ。警官が発見したのが午前6時20分。マネキンまでセットされていて、芸が細かい。地上45mの講堂のてっぺんまでどうやってこんなものを運ぶんだろう...

ライト兄弟初飛行からA4ロケット(後のV2号ロケット)まで39年。スプートニクまで54年。なんて密度の濃い半世紀か、と、考えるにつけ、改めて航空と宇宙と戦争の世紀について思う。ジャンボジェットB747初飛行とアポロ11号の月面着陸から今年で34年。

ジャンボジェットの場合は「経済」という平和的なドライビングフォースがあったけれど、ロケットの場合は...

"We Came In Peace For All Mankind..." 平和万歳!

走るロボット

NHKニュース:世界初 走るロボット開発
おお! 走ってる走ってる。すご。

そういえば某関係者から面白い話をうかがいました。

アポロの月着陸のテレビ生中継をリアルタイムで見た、いわゆる「アポロ世代」の人々(含むわたし)は、「次は火星だ!」と、あらたなるフロンティアを目指そうという傾向があって、一方、生まれた時にはもうアポロが過去のものとなっていた世代の人々は「月に戻ろうよ。日本のロボット技術を活かしてASIMOとかAIBOが月面を歩いたら楽しいし」という傾向があるんだそうです。

日本科学未来館でなぜASIMOなのか、なんか理解できた気がする。

日本の強みは、こういうところにあるのかなぁ...

@kazuhi.toさん

@kazuhi.toさんの「覚え書き」からトラックバックをいただきました。

記念すべき第1号!です。これからもよろしくです。

2003.12.17

Kermit, Kermit...

SpaceDaily: International Space Station Incorporates Columbia's Kermit Software Program

20年前にタイムスリップしたような記事。昔の大型計算機とミニコンやパソコンなどの間でファイル交換したりするときに使われていた「Kermit」が国際宇宙ステーションに搭載の科学実験で使われているとのこと。

シリアルケーブル一本あれば、ルーターだのスイッチだの無くてもファイル転送できるってのは確かに便利。しかし21世紀の宇宙飛行士が宇宙ステーションでKermitを使うとは、想像しなかった... なぜか懐かしい気分に。

引っ越してきました

GeoCitiesのwebサイトから日記だけこちらに引っ越してきました。古い日記はここにあります。

cocolog使ってみました

今日からお手軽1コースでもblogが使える。
というので、早速テスト。

zeitgeist

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